有事の際、作戦状況(「ゲーム」と筆者は呼びますが)を変えるには、現在の作戦状況の認識、評価、見極めが先決課題となります。
なぜなら、もし、
「上手く行っている」
と評価できるのであれば、ゲームチェンジは不要だからです。
そして、
「上手く行っていない」
と評価したなら、なぜ、そのような仕儀に至ったのか、原因と責任を追及しなければなりません。
それは、戦犯を特定することとなります。
戦犯を吊るし上げるという話ではありません。
戦犯は排除する、ことが、ゲームチェンジの絶対条件です。
戦犯が新しいゲームに関わると、新しいゲームも失敗します。
実際、ゲームの失敗の総括をあいまいにしたまま(=戦犯をぼかしたまま)、戦犯がチームに残存したまま、ゲームチェンジをした際、戦犯は、「猫の粗相隠し」が如く、自己保存バイアスを働かせ、ゲームを不合理なものに誘導します。
失敗をした人間の愚行の隠蔽工作のために、ゲームチェンジをするのではありません。
そのためにも、ゲームチェンジをして、新しいゲームをキックオフする場合には、失敗した人間をはっきりさせ、そいつは、新しいゲームに一切関わらせない、ということが、作戦成功の絶対条件になるのです。
なぜ、このような状況に陥ったのか
指示した人間が愚鈍なのか
指示を受けて遂行したやつが愚鈍なのか
アホを紹介したやつが愚鈍なのか
全員が愚鈍なのか
愚鈍な状況に陥ったにも関わらず、愚鈍な状況であることに気づかないほど愚鈍なのか
なぜ、ここまで
「愚鈍」
を連発するかといいますと、ゲームチェンジをするには、徹底的に、現在までのゲームの認識、評価、見極めが必要だからです。
繰り返しになりますが、ゲームの失敗の総括をあいまいにしたまま(=戦犯をぼかしたまま)、戦犯がチームに残存したまま、ゲームチェンジをした際、戦犯は、
「猫の粗相隠し」が如く、
自己保存バイアスを働かせ、ゲームを不合理なものに誘導するからです。
愚鈍の奥行きの程度と病理の深度を総括して計測しておくべきことは、今後の再発防止にも有益なのです。
もしも、
「愚鈍」
という言葉が不快であるなら、
「アホ」「バカ」
という言葉で置き換えてもいいでしょう。
「愚鈍」「アホ」「バカ」
といわれるほど、失敗していない、と思うかもしれませんが、失敗していなかったら、ゲームチェンジは不要です。
成功しているのなら、ゲームチェンジは不要なのです。
ゲームチェンジが不要なら、弁護士の出る幕はないのですから。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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