訴訟を起こす前(あるいは、訴訟を諦める前)、人は、次のようなジレンマに陥ります。
1 (訴訟を起こす)踏ん切りはついている
2 「踏ん切り」が「ミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化」されていない
3 明確化・形式化・フォーマル化という点での「踏ん切り」がついていない
4 (陰で悪口はいえても)風化する、泣き寝入り、なかったことになる
5 しかも、相手は、痛くも痒くもない
6 それが許せない
7 踏ん切りはついていない → 1に戻る
このような堂々めぐりを解消するには、次のように整理できます。
・2について整理すると・・・
「ミエル化・カタチ化・言語化・文書化」する→相手に認識を問いただす(事実照会)→プロ(弁護士)じゃないと無理=金かかる
・3について整理すると・・・
「フォーマル化」→行政当局、刑事司法、民事司法どれかに訴え出て、結論をもらわないと→フォーマル化されない=闇に葬られる=風化する=泣き寝入り=なかったことになる→訴え出る=金かかる
そして、身も蓋もない言い方となりますが、 結局のところ、
「”感情”か”勘定”か?」
に尽きます。
それは、
「感情」
を優先させるのか、あるいは、
「勘定」
を優先させるのか、と言うこともできますし、別の言い方をすると、
「感情」
を押さえるのか、あるいは、
「勘定」
に目をつぶるのか、と言うこともできましょう。
「”感情”か”勘定”か?」
については、どちらを選択するか、ということになります。
選択肢1
気持ちが収まらないことを抱えて不眠症になって、ストレスをかかえて、3ヶ月に1歳年をとって、体内でがん細胞増殖し、予定より早く死ぬ(加害者はさらに高笑い)?
選択肢2
これ以上、お金を費やしたくないのに、さらに金を費やす、ということで懐(フトコロ)痛めるか?
ひとつだけ言えことは、”正解”はありません。
あるのは、選択肢と試行錯誤と、その結果としての現実解・最善解だけ、ということです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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