企業活動において、法令違反等の不祥事を起こすことを防ぐための法務活動、すなわちコンプライアンス法務(内部統制システム構築・運用法務)も、契約法務と並ぶ予防型企業法務の大きな柱となります。
まず、コンプライアンス法務を定義しておく必要があります。
コンプライアンス法務とは、
「企業活動が法令を遵守しながら行われることを確保するための体制を整備する法務活動」
を指します。
そして、コンプライアンス法務の範囲ないし射程ですが、本書では、コンプライアンス法務のゴールを、
「憲法上保障されている企業の営業の自由」
を制限する規範たる法令遵守に限定し、企業法務活動が所掌すべき範囲を、かかる法令遵守のための有効・適切な仕組みの構築・運用に限定します。
すなわち、
「憲法上の保障に基づき企業が有する営業の自由」
を規制する規範たりえない
「倫理」
「道徳」
「地球環境問題」等
といった非法律的概念の遵守の問題は、広報・IR等の部署が
「広報・IRの観点での企業価値向上政策」
として対処するべきです。
このような点から筆者は、企業法務活動として取り扱うべきコンプライアンス法務には、これら疑似コンプライアンス問題は取り込むべきではないと考えます。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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