00464_破綻状態や行方不明となった家主に代わって、借家人が地代を払えるか?

土地(敷地)の賃貸借は、「土地の所有者」と「土地を利用する者」との間で締結されるものであり、また、建物賃貸借は、「建物の所有者」と「建物を利用する者」との間で締結されるものです。 それゆえ、「土地を利用する者」が、「土地の所有者」から土地を借りて建物を建築し、今度は「建物の所有者」として「建物を利用する者」に建物を貸し...

00459_ABL(アセットバックトローン)を実現する際のツールとしての債権譲渡担保

まず、「譲渡担保」とは、担保のために、「目的物」自体を債権者に譲渡するという制度で、動産などではよく知られています。 次に、「債権譲渡担保」とは、債務者がその取引先(第三債務者といいます)に対して持っている売掛債権などを「目的物」として譲渡することで、担保権を設定することをいいます。 このような、企業の事業活動の一部で...

00458_買主が行方不明で取引が前に進められない場合、状況を放置しておいて問題ないか?

約束の日時に商品を提供する義務からは免れられても、商品自体を納品する義務から免れることにはなりません。 そこで、このような売り主が商品を納品する義務からも免れるためには、契約自体を解除しなければなりません。 もっとも、裁判例の傾向としては、「買い主側が受領遅滞した」こと“のみ”を理由とする契約の解除は、原則として(特段...

00457_契約解除の段取りと作法

売買契約において商品の受取日時や場所が指定された場合であっても、単に「指定された場所」に商品を置いてきただけでは、売り主としての義務を果たしたことにはならず、きちんと売買契約の買い主に受け取らせる、という行為が必要です。 もっとも、受け取る、受け取らないは買い主の責任であるにもかかわらず、「売り主が、いつまでも商品を約...

00456_従業員の髪型・髭・服装を規制できるか?

人は、犯罪など公の秩序に反することなどがない限り、基本的に何をしようとも自由です。 このことは、憲法上も「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」(憲法13条)とされており、「服装や髪型を選択・決定する自由」も同条に基づき憲法上の権利...

00455_パック商品を小分販売する行為の法的問題点

商標法2条3項、25条は、商標権(なお、特許庁に登録されてはじめて商標法上の「権利」を享受することができます)を有している者だけが「商品」やその「包装」などに当該商標を付けることができると定め、また、同法37条は、それ以外の者が同じことをした場合、商標権に対する侵害行為になると規定しています。 すなわち、第三者が、勝手...

00451_発明技術を搭載した新商品を買った買主は、さらに商品使用の都度、発明者に特許使用料を支払う必要があるか?

特許権は、特許発明を独占的に支配する物権的な権利ですが、対象技術のすべてを排他的に支配でき、さらに、第三者に対しても侵害に対す差し止めや損害賠償を求めることができる、非常に強力な内容を含む権利です。 しかしながら権利は目に見えません。 民法の所有権の場合には、所有権自体は目に見えませんが、その対象である「財物」が目に見...

00448_「映画の著作物」特有の保護

「映画が公開されて、DVD化されたら、もう皆が内容を知っているわけだから、DVDを借りたり、買ってきて、これを飲食店とかで客の前で上映しても、大した問題にはならないんじゃいないの?」こんな素人考えが浮上してきそうですが、これは著作権法上、どう取り扱われるのでしょうか。 映画の著作物に特に認められている権利が「頒布権」で...

00447_ざっくり、アバウトに「著作権侵害だ!」というだけでは、具体的な権利侵害主張とは不十分な理由

映画等が録画されたDVDは、著作権法上「映画の著作物」(著作権法2条3項等)として保護されます。 著作権法は、家庭での視聴を別として、このようなDVDに関して、「複製」「上映」「公衆送信等」「頒布」等の行為をすることを禁じています。 すなわち、著作権法は、著作者に対して、細かい具体的な権利(前記の禁止行為に対応する「複...

00445_買おうとする土地が「農地」だった場合の対処法

私的自治の下では、私人同士、自らの所有する財産を自由に交換して、それぞれの経済的な合理性を追求することができるのが大原則です。 土地という財産についても、私人は自由に売買の対象とすることができるのが原則であり、当事者間で「売った」「買った」との意思が合致すれば、所有権が移転するはずです。 ところが、農地法は、この大原則...