01568_株式会社には責任者などおりません(2)_「有限責任」とは社会常識的には「無責任」と同義

株式会社制度に関して、立派な学者の先生が書いた理論的な説明された文章を探してみます。 すると、こんなことが書いてあります。 曰く、「株式会社とは、社会に散在する大衆資本を結集し、大規模経営をなすことを目的とするものである。かかる目的を達成するためには、多数の者が容易に出資し参加できる体制が必要である。そこで会社法は、株...

01567_株式会社には責任者などおりません(1)_責任者不在の組織、株式会社

経済社会においては、「株式会社」という存在は欠かせないものであり、皆さんも日常よく耳にされているかと思います。 他方、株式会社という法律上の仕組みは意外と難しく、大学法学部生は「会社法」という科目として1年かけて勉強するのですが、それだけ勉強してもなお定期試験で悲惨な成績しか取れない学生が結構多い、という厄介な代物です...

01565_ウソをついて何が悪い(15・完)_「ウソついたら、ハリセンボン級のペナルティ(重罪犯か罰金100億円)」のアメリカその3・終

ディスカバリーで、膨大な資料をめでたく提出できても、まったく安心はできません。 提出した後の方が、もっと大変です。 提出されたこれらの資料に基づいて証言録取(デポジション:deposition)という手続きが行われます。 海外の法廷ドラマで、証人に宣誓をさせた上で、面前に三脚に乗せた小型カメラを設置し録画しながら、凄(...

01564_ウソをついて何が悪い(14)_「ウソついたら、「ウソついたら、ハリセンボン級のペナルティ(重罪犯か罰金100億円)」のアメリカその2

アメリカで独禁法違反を疑われた場合、まず、遭遇する特徴的な捜査手法として、「ディスカバリー(discovery)」が挙げられます。 一言でいうと、強制的な証拠開示手続です。 日本法においても証拠開示手続がありますが、米国のそれは、日本とは比べものにならないくらい、強力な制裁によって担保され、いい加減なことをすると現実に...

01563_ウソをついて何が悪い(13)_「ウソついたら、ハリセンボン級のペナルティ(重罪犯か罰金100億円)」のアメリカその1

これまで見たきましたとおり、我がニッポンでは、ウソに寛容で、裁判でもウソはつき放題で、偽証罪すらまともに処罰されることなく、もはや、「裁判でウソをつかない奴の方がバカ」ということを国家が暗に認めるような、そんな「ウソ天国」です。 では、「ウソ天国」は世界の常識で、「ウソついたとしても痛くも痒くもないし、ウソをつかない奴...

01562_ウソをついて何が悪い(12)_ ホリエモンとムラカミさんその5_粉飾(ウソつき)とインサイダー(ズルして儲ける)、どっちが凶悪?

「資本市場に関する罪」の代表的なものといえば、ホリエモンが行った「粉飾決算」と村上氏が行った「インサイダー取引」が挙げられます。 かつての「ウソあり、インチキあり、ルールなしの無法地帯」といった趣の資本市場であれば、ホリエモンの行った粉飾決算、すなわち、決算に関するウソつき行為もそれほど厳しく処罰されることはなかったと...

01561_ウソをついて何が悪い(11)_ ホリエモンとムラカミさんその4_日本の株式市場の今昔物語

前稿では、「なぜ、ウソをついたホリエモンが実刑判決を食らい、ズルをして巨額の儲けを手中にした村上氏が執行猶予判決にとどまったのか?」という問題提起をいたしましたが、この解明を行なってみたいと思います。 ホリエモンがやったことは、確かに「(ちょっと)ウソをついた行為」でした。 ところが、このホリエモンがついた「ウソ」とい...

01560_ウソをついて何が悪い(10)_ ホリエモンとムラカミさんその3_「ウソをついたホリエモン」と、「ズルをして儲けたムラカミさん」の最終処遇の差

強烈な個性を露出させ、挑発的な言動を繰り返し、それまでの産業界が思いもつかなかった“あざとい”手法で事業を急成長させ、時代の寵児となったホリエモンと村上氏ですが、同じ頃に逮捕・起訴され、有罪判決を受ける、という結末を迎えました。 憎まれ口をたたき続けた、憎まれ役だった2人ですが、「憎まれっ子、世に憚る」という諺のように...

01558_ウソをついて何が悪い(8)_ホリエモンとムラカミさんその1_ホリエモンはどんな罪を犯したのか?

前稿において、裁判の世界では、「ウソつき放題・言いたい放題で、レフェリーもウソつき行為を見て見ぬふりをし、万一ウソがバレても特段シビアなペナルティーが課されるわけではなく、逆にウソがうまく通ればトクをする」というのが現在の日本の裁判の現状である、述べました。 とはいえ、「ウソに寛容な日本社会においても、このウソだけはN...

01557_ウソをついて何が悪い(7)_ 裁判では「ウソ」はつき放題

前稿で述べましたとおり、裁判所というところは、“筋金入りのウソつき”たちがぞろぞろやってきては、「オレの言い分は真実で、相手がウソをついている」という「ウソ」を言い放っていくわけですが、レフェリーたる裁判官も「ウソつきをやさしく受け容れてくれる度量の広い人種」です。 すなわち、裁判とは、「反則者に寛容で、反則行為にいち...