00784_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する15:裁判官のココロを鷲掴みにするための推奨行動(2)裁判官に早めに事件の全体像を見せるように努め、仕事が効率的に処理できるよう協力する

裁判官には早めに事件の全体像をみせてあげることが重要です。 裁判官には時間がありません。 弁護士が忙しいといっても、長時間かけて晩飯を食ったり、クラブで遊んだり、ゴルフに行ったりする程度には時間的余裕があるものですが、裁判官の忙しさは殺人的です。 実際よく自殺者が出ます。 ちなみに、「自殺」という毒々しい死亡原因で逝去...

00783_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する14:裁判官のココロを鷲掴みにするための推奨行動(1)ルーズなことをしない。納期は絶対厳守する。

訴訟弁護士といっても、世間で言われるほどエライ人間ではなく、実体は、裁判所というお役所の出入りの業者みたいなもんです。 そして、出入りの業者風情が納期を遅らせたら出入禁止になるのと同じで、納期厳守は絶対です。 一般社会における仕事と同様、訴訟を遂行する上でも、さまざまな課題の提出が要求され、そのすべてについて納期が設定...

00782_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する13:裁判所における事件処理の実体(11)裁判官の頭脳の中の「常識」

「裁判官の頭脳の中に存在する特殊な常識や考え方」がひどいとか、矯正が必要とか、という話はあるでしょう。 実際、そういう話は、主に敗訴した側の当事者や代理人弁護士からよく聞かれます。 しかし、前記思考ロジックは、不愉快であっても間違っているとまでは言えませんし、ましてや、ゲームの勝敗を決定する権限を有するジャッジの思考な...

00781_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する12:裁判所における事件処理の実体(10)裁判官の大好きな言葉は「自己責任」「因果応報」「自業自得」

保佐や後見の処置をしていない認知に問題のあるおばあさんが1億円のリフォームを発注し、契約書が締結され、リフォームの工事が完成し代金が支払われたとします。 この場合、社会常識からすると、当該発注はおばあさんの意志ではなく、明らかに業者の詐欺です。 ですが、裁判官を支配する合理的法律人仮説によると、 「人は、中味を読まずに...

00780_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する11:裁判所における事件処理の実体(9)合理的法律人仮説

裁判官としては、判決を下す上で必要かつ十分な情報と、「その情報の合理性を基礎づける背景事情」とを、早い段階で欲しています。 ところで、「その情報の合理性を基礎づける背景事情」における「合理性」というものですが、これは世間一般の皆さんが有する「社会常識」や「道義」といったものとは全く異なるものです。 社会常識とは完全に異...

00779_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する10:裁判所における事件処理の実体(8)「お客様は神様」「裁判官こそがお客様」

弁護士にとって本件解決のキーマンは裁判所であり、裁判所という「お客様」をいかにこちら側に引き寄せるか、ということが活動のポイントになります。 優秀な弁護士であるほど、裁判とは「裁判官を、ターゲット・カスタマーとして、『自己の事案認識』という商品を売り込むマーケティング活動である」ことを知っています。 裁判所の好むロジッ...

00778_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する9:裁判所における事件処理の実体(7)裁判所の判断ロジック

以下、裁判所というお役所が好みそうな判断ロジック(「裁判官」という特異かつ希少なエリート固有の経験上の蓋然性を前提にした判断や推認の法則)をいくつか紹介してみます。 「ひねくれていて、人格的にも相当問題のあるとされる、畑中鐵丸という法曹界の異端児」の特異な経験と主観に基づいて、「『裁判官』という特異かつ希少なエリート固...

00777_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する8:裁判所における事件処理の実体(6)裁判における「真の敵」とは裁判官なり

1 裁判における「真の敵」とは裁判官なり 「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」とは孫子の兵法でも有名な一節ですが、これは裁判対策にもあてはまります。 当然、裁判対策を練る上では、「真の敵」を知る必要があります。 ここで、通常、「敵」というと訴訟の相手方、すなわち裁判の相手方を真っ先に思い浮かべる方が多いと思いますが、...

00776_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する7:裁判所における事件処理の実体(5)裁判は初動が肝心

自分のトラブルを裁判官にプレゼンする際、当該事件が「裁判官にとって好まれる処理しやすい事件 」、すなわち思考経済の負担が軽い事件に思わせるのは、事件の終盤ではなく、初動段階においてです。 多くの事件を抱え、その効率的処理に日々頭を悩ます裁判官は、アレコレ悩むより、最初に見通しを決めてしまい、その見通しを最後まで維持した...

00775_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する6:裁判所における事件処理の実体(4)裁判官に好まれる処理しやすい事件と面倒な事件

書面をことのほか尊重(偏重)する民事裁判官の仕事の進め方からは、裁判官にとって「好まれる処理しやすい事件」と「処理が面倒で好まれない事件」が存在するという推定が導かれます。 裁判官が好きな事件とは、正邪が明瞭な事案で、かつ正しいとされる側に証拠がきちんと揃っている事件です。 逆に裁判官の頭を悩ます「処理が面倒で好まれな...