01991_「会社をたたむ」相談前にすべきこと

「会社をたたみたい」と弁護士に相談にくる経営者の10人中9人は、「冷徹な経済合理性判断に基づいたものである」といいます。 すなわち、「競争環境・市場の状況を前提とすると、価格と品質両面での能率競争を、持続可能な形で展開することが不可能である、という認識・解釈・判断にいたった」ということを口にします。 概して、資産はある...

01749_どのような場合に謝罪広告を掲載しなければなりませんか、また自社サイト上への謝罪文はいつまで掲載すべきですか?

誹謗、中傷的表現を受けたとして被害者から裁判を提起され、人格権侵害行為(不法行為)に基づく民事責任の追及の一環として、謝罪広告の掲載を求められ、裁判所がこれを認容する場合、民法723条の「適当な処分」として、訂正・謝罪を命じる場合があります。 裁判所の命令に従うような状況ではなく、任意にかつ自主的に謝罪広告を出す場合(...

01159_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>訴訟対策その2

4 「雪崩現象」を想定した判決回避 交渉がこじれて訴訟に発展した場合でも、極力裁判上の和解を行う方向で調整する努力を行い、判決が出るのを防ぐことになります。 というのは、敗訴判決が出てしまうと、示談交渉中の他の原告がその判決を盾に交渉姿勢を積極化し、いわゆる「なだれ現象」が起こり、一挙に企業崩壊につながる可能性があるか...

01158_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>訴訟対策その1

1 被害者代理人のプロフィールや動静に関する情報収集 まず、法令違反により被害を被った被害者が原告となって、企業に対する訴訟提起をしてくることに対して相応の対策を立てる必要があります。 このような場合、最初に調査すべきは、原告がそれぞれ独自にアクションを起こしてくるのか、あるいは、原告団を結成して集団的なアクションを起...

01157_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>監督行政機関への対応その2

以上の形で調査した事実を基に、監督行政機関への報告書を作成することになります。 この報告書の作成ですが、刑事弁護における弁論要旨のスタイルに近いものとなります。 まず調査の上、存否を確定した事実を記載し、これに法律や判例の解釈を述べ、事実に解釈したルールをあてはめて処分の発動の是非を論じます。 この段階で、後日客観的証...

01156_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>監督行政機関への対応その1

監督行政機関という場合には、上場企業にとっての証券取引所等、いわゆる役所以外にも行政処分を行う機関があるので、これらも含めて考えておくべきです。 法令違反の不祥事を起こした企業の多くは、監督行政機関への報告を要請されることになります。 監督行政機関に適正な報告を実施するためには、関係者への調査を行い、正確な事実を把握す...

01155_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>株主総会対策

法令違反の不祥事に伴って不可避的に発生するのが、株主総会での究明質疑です。 株主は企業のオーナーとして、最も重要なステークホルダーです。 とりわけ、株主総会を、実質的な討議の場とすることなく簡潔なセレモニーで終わらせたいと願う日本企業の経営陣の多くにとって、不祥事直後の株主総会ほど忌避したいものはないと思われます。 し...

01154_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>報道機関への対応(経営、法務等と連携した戦略広報)

もし企業内の特定の従業者による法令違反行為が争いえない状況であったとしても、少なくとも企業ぐるみ、組織体質による事故ではない旨を説明することも重要です。 適正な内部統制システムを構築し、これを厳正に運用している企業は、コンプライアンス体制を整えるメリットで述べたとおり、「適切な遵法体制を整備しており、法令違反の発生予防...

01153_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>一般消費者・取引先等への対応

有事対応としては、一般に被害者対策や報道機関対策に目を奪われがちですが、企業を取り巻く利害関係者は、株主、取引先、金融機関、証券取引所や監査法人(上場企業の場合)、監督行政機関等数多く存在し、かつこれら各利害関係者はそれぞれ違った観点で企業の有事状況を認識し、それぞれのアクションを行います。 当該利害関係者ごとに級密な...

01031_企業法務ケーススタディ(No.0351):アクティビストが襲来した!(6)TOB・完全子会社化で幕引きするほかないか・・・

本ケーススタディーは、事例及び解説の概要・骨子に限定して要約・再構成したものです。詳細をご覧になりたい方は、「会社法務A2Z」誌 2019年6月号(5月25日発売号)に掲載されました連載ケース・スタディー「鐵丸先生の 生兵法務(なまびょうほうむ)は大怪我のもと!」百二十三の巻(第123回)「アクティビストが襲来した!(...