<事例/質問>
17年前より、ある企業の健康管理センターで産業医として勤務しています。
当初は常勤医でしたが、その翌年に非常勤嘱託となり、その2年後、自宅での検査判定が仕事となりました。
週5日分のデータを、週1回受け取り、検査判定をしています。
給料明細には勤務日数20日前後/月と記載されており、厚生年金保険に加入しています。
そして、17年後の今年8月29日付けで、
「9月末日をもって非常勤委託契約を解除する」
という書面が書留郵便で届きました。
また、
「9月13日までに必要書類に記載し返送するように」
と指示されていました。
私は書面への記載を保留し、
「退職はしない。通常通りの検査データを送るように」
と伝えましたが、10月から仕事が送られてこなくなりました。
企業本社では、私が
「退職した」
ものとして扱われているようです。
私の希望は下記の2つです。
1 退職はしない
2 厚生年金保険への加入を継続したい
このような状況で、私は
「自主退職しない」
と主張できますか?
また、仮に退職を拒否した場合、企業側は
「解雇」
とすることになるのでしょうか?
私の主張は通るのでしょうか?
ご相談させていただきたく、何卒よろしくお願い申し上げます。
<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>
勤務形態によりますが、
「労働者」
としての雇用契約であれば、解雇を争うことが可能です。
相談者は17年間にわたり勤務し、勤務日数も月20日前後、さらに厚生年金保険にも加入していることから、
「労働者」
としての側面が強いと考えられます。
その場合、会社側の一方的な契約解除は
「解雇」
にあたり、労働契約法の規定に基づいて争う余地があります。
解雇には、
「客観的に合理的な理由」
と「社会通念上の相当性」
が必要です。
しかし、今回のケースでは、事前の十分な説明もなく、突然の書面通知のみであることから、不当解雇の可能性が高いです。
企業側が
「退職扱い」
としている点も問題で、相談者自身が
「退職の意思表示」
をしていなければ、退職とは認められません。
したがって、次のような対応を取ることをおすすめします。
・退職届や契約解除の書類にはサインしない。
・会社に対し「解雇理由証明書」を請求する。
・厚生年金保険の資格喪失手続きが進められているか確認し、不当であれば社会保険事務所に相談する。
・労働局や弁護士に相談し、法的手続きを検討する。
相談者の勤務実態によっては、
「請負契約」
とみなされる可能性もありますが、長期間の継続勤務や厚生年金の加入実績から見て、労働契約としての要素が強いと考えられます。
このまま泣き寝入りする必要はありません。
一度、相談にいらしてください。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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