01395_M&A法務>M&A法務(フェーズ3)>予防対策フェーズ>有事における買収防衛策(対抗策)

買収防衛策とは、
「敵対的買収(敵対的TOB)に対抗する企業(TOBの対象となった企業)が採用する、TOB実現を阻止するための様々な防衛手段の総称」
です。

買収防衛策には、平時の防衛策(予防策)と、実際に敵対的買収を仕掛けられた時の有事の防衛策(対抗策)の2種類があります。

有事における買収防衛策(対抗策)を説明します。

1 ホワイトナイトに対する新株あるいは新株予約権の発行

有事における対抗策ですが、典型的なものとしては、敵対的買収(TOBや株の買い占め)が開始されてから、特定の第三者(ホワイトナイト)に対して大量に新株や新株予約権を発行するような類のものです。

無論、発行する側とすれば、
「特定の事業を行うための資金調達のため」
「事業シナジー創造を目的とした事業提携のため」
等といった取ってつけたような理由に基づきこの種の増資や新株予約権発行を行いますが、その意図が、敵対的買収者の排除であり、現経営陣の地位を守るためということにあることは“ミエミエ”です。

裁判所もバカではありませんから、早晩、新株発行差止の仮処分の場で
「株主全体や企業価値の防衛のためというよりも、自分が経営権を維持することを第一に考えたものであり、違法あるいは不当な措置である」
と喝破される結果になることは明らかであり、その意味では、(時間稼ぎの策としてはともかく)まともな防衛策としては機能するものではありません。

2 焦土化作戦等

その他、敵対的買収が成功したとしても、買収対象企業の魅力を低下させてしまうような策、例えば、
「敵対的買収の危険が生じた段階で、重要な資産等を売却してしまう」
等という策が“防衛策”として議論されることもありますが(焦土化作戦)、価格や目的如何によっては、特別背任に問われるべき犯罪行為ともなりえるものであり、法的有効性に疑間があるといわざるをえないところです。

3 防戦買い・カウンターTOB

また、防戦買いやカウンターTOBといった手法もありますが、規制遵守面やコスト面において、どれも非常に難易度の高いものです。

4 小括

いずれにせよ、有事に至ってからの防衛策については、いずれも効果を期待しがたいものばかり、といえます。

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01394_M&A法務>M&A法務(フェーズ3)>予防対策フェーズ>デューディリジェンス

M&Aは
「企業」
という
「対価が極めて計測しにくいもの」
を買う取引であることから、買収対象企業の資産等を包括的網羅的に査定すること(DD:デューデイリジェンス)が必要となります。

このデューデイリジェンスプロセスですが、
「買収対象会社の資産査定をなるべく正確にすることで、適正な値段で買う(あるいは高値つかみのリスクを排除する)」
という発想に基づくものです。

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01393_M&A法務>M&A法務(フェーズ2)>経営政策・法務戦略構築フェーズ>セルサイド(M&Aの売り手側)の功利的・戦略的対応

M&Aにおけるセルサイド(株式譲渡契約によるM&Aにおける買収対象会社の株主等の会社の売却側)は、対象会社の資産や負債の状況について一定の誓約(表明・保証)を求められたり、場合によっては、想定された収益が計上できなかった場合の価格調整を求められたり、
「欠陥品の売り逃げを許さない」
といった趣の義務を課せられるのが一般です。

逆の言い方をすれば、
「M&Aのセルサイド(売り手側)」
にとっては、詳細な義務を明記したきっちりとした契約書であればあるほど、自らの首を締めることにつながります。

その意味では、セルサイド(M&Aの売り手側)にとっては、
「なるべくきっちりした契約書は作成しない」
というのが最も功利的・戦略的な方向性ということになります。

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01392_M&A法務>M&A法務(フェーズ2)>経営政策・法務戦略構築フェーズ>TOB規制対応その2

TOBについては、大量の現金を準備して買い集めることが通常です。

会社法上は、自己株式を対価として利用することも可能とされていますが、ほとんど利用されることはありません。

これは、自己株式を対価とすることが現物出資規制の対象となることと、有利発行規制が働くことが理由とされています。

前者については、価額填補責任が問題になりますし、後者については株主総会の特別決議という手続的負担がネックとなります。

他方、海外においてはインドの鉄鋼メーカーであるミタルグループが自己株をTOBの対価として付与する形での拡大戦略をとって成功してきたということもあり、自己株式をTOBの対価として利用したいという国内企業の要望が高まっていました。

そこで、産業活力再生法においては、自社株式を対価とするTOBの手続的負担を減少させ、さらに、TOBに90%以上の株主が応じた場合には、株主総会を開くことなく少数派株主をスクイーズアウトするという手続も定められました。

TOB規制の趣旨についてですが、TOB規制は、
「取引市場外において相対取引がなされ、それにより会社の支配権の移転が伴うような場合には、当該取引から取り残された株主は、会社の支配権に影響を及ぼしえない者となるため、所有株式の価値が低下することが不可避であるために、そのような者に対しても、公平な値段に基づく株式売却の機会を与えるべきである(支配プレミアムの公平な分配)」
という発想に基づき定められています。

以上の趣旨からすると、外形的にはTOB規制が働きそうな株式の移転があるとしても、その内実をみてみると、支配権の移転を伴わないような場合にまでTOB規制を働かす必要はない、ということがいえます。

このようなロジックを敷行すると、以下のように、一見規制が及びそうなTOB規制を回避するスキームを構築することも可能となります。

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01391_M&A法務>M&A法務(フェーズ2)>経営政策・法務戦略構築フェーズ>TOB規制対応その1

通常の友好的M&Aに関しては、対象企業のトップとの間で、NDAを締結し、主として、M&A後の意思決定の仕組みをどのように確保するか、税務上のデメリットをどのように排除するか等という観点から、多様なM&A取引形態のうちどれを選択すべきか、が決定されます。

このようなM&A取引の構築に際しては、公認会計士・税理士の意見を得るほか、独占禁止法上の企業結合規制にも配慮してM&Aを進める必要もあり、一口にM&Aと言ってもクリアすべき法的障害やその他の課題は極めて多く、この点が
「企業法務の総合芸術」
などといわれる所以となっています。

株式公開買付け(TOB:Takeover Bid)とは、ある企業の株式に関して、一定数を超える量を取得したい場合、新聞等へ公告することを通じて
「買付けの目的、価格、予定株数、買付期間」
などを明らかにすることで、不特定多数の株主から市場外で一挙に株式を取得する方法です。

TOBは、敵対的買収の実施方法として用いられる場合が有名です。

最近では、上場メリットが減少したことなどを理由として、MBO(経営陣による自社の買収)を実施する際の株式買付け方法としてTOBが用いられる事例が増加しています。

このようなTOBは、市場に存在する株式を、市場外で一定の価格で購入するため、株価の上昇を招くおそれが小さく、資金計画が立てやすいという利点があります。

また、買付株数が予定株数に達しなかった場合に買付けを全てキャンセルできるので、買付け失敗のリスクを負わないこともTOBのメリットとして挙げられます。

他方、TOBを敵対的買収の手段として用いる場合においては、文字通り
「公開」
して株式を買い付けるので、秘密裡に対象企業の株を買い占める戦法が封じられることになります(一定割合の株式を買い付けるには、金融商品取引法上、TOBによるべきことが義務づけられています)。

また、敵対的TOBを行う際には、買収を仕掛けていることが明らかになってしまい、買収を仕掛けられた企業や他の投資家に防戦の機会を与えてしまうといったこともTOBに内在するデメリットといえます。

実際、これまでの敵対的TOBの例をみると、買収対象企業がいきなり配当を増額するなどという策を採ったためにTOBへの応募が少なくTOBが成立しなかった例(スティール・パートナーズ対ユシロ化学、スティール・パートナーズ対ソトー)や、ホワイトナイトが出現することで失敗した例(夢真対日本技術開発、 ドン・キホーテ対オリジン東秀、王子製紙対北越製紙等)など、防衛側が様々なカウンターアクションを発動したことが奏功して、攻撃のほとんどが失敗に終わる結果となっています。

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01390_M&A法務>M&A法務(フェーズ1)>アセスメント・環境整備フェーズ>法令管理

まず、全体像をつかむためには、
『M&A法大全』(西村総合法律事務所編・商事法務研究会)
が参考となります。

これは、M&A取引に関する法的諸問題を網羅的に詳述したものであり、わが国でおそらく初めての本格的な解説書といえるものです。

もちろん、個別の法律に関し、これまで紹介してきたものにより知識を得ることもできますが、M&Aにおいては、 どのような手法を取るのかについて、税務上の観点からの意思決定がなされることが多いため、
『企業買収の税務』(佐藤信祐著・中央経済社)
といった書籍も参考となります。

このほか、TOB規制との関係も触れたMBO実務については、
『ゴーイング・プライベート(非公開化)のすべて』(水野信次=西本強著・商事法務)
において、各種スキームの概要や、MBOという構造的利益相反状況への対応策も含めて詳細が述べられており、参考となります。

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01389_M&A法務>M&A法務(フェーズ1)>アセスメント・環境整備フェーズ>法令環境

1 関係法令

事業譲渡、株式譲渡、株式交換・株式移転、合併、会社分割、合弁、会社設立、持株会社設立など、あらゆるスキームによるM&A・企業再編を実施するためには、会社法はもとより、金融商品取引法、独占禁止法、税法、労働法、倒産関係法への知見が必要となります。

2 産業活力再生法

企業の大型再編の後押しを狙った産業活力再生法の改正が2011年5月18日に成立しました。

これは、自社株式を対価として用いることのできるTOBを容易にするほか、公正取引委員会における合併審査を迅速にする手続などを定めており、同法が適用されることによりM&Aの取引の合理化・効率化を見込んだものです。

また、MBOの完成局面で行われる少数派株主のスクイーズアウトについても、株式買取の手続の簡易化が図られています。

運営管理コード:CLBP547TO547

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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01388_M&A法務>M&A法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>課題と対応の基本>友好的M&Aと敵対的M&A

敵対的M&Aとは、相手方経営陣の同意を得ないまま株式等の購入を進めることにより経営権を奪取することをいいます。

このような手法が採れるのは、対象企業が公開会社であり当該企業の株式を容易に入手できる環境が必須の前提となります。

すなわち、敵対的M&Aは、株式を公開している企業に対して、TOB(株式公開買付け)を行うことで実現されます。

ところで、M&Aにおいては、シナジー効果の分析において、買収する側・される側双方の協力による精級な分析が前提となるため、双方の経営陣が明確に合意してM&A手続を進めていく事例が大半を占めます。

反面、買収される側の正確で協力的な情報提供がない形でなされる敵対的なM&Aは、成功する確率が非常に低いといえます。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

さて、企業を買収する際には、買収の対価が必要ですが、いかに合併等対価の柔軟化が進んだとはいえ、自己資金のみで買収を行うことは困難なことが多く、通常は、金融機関等から買収資金を借り入れることとなります。

しかし、金融機関等は、友好的買収と敵対的買収とでは上記のように成功率が極めて大きく異なることから、
「M&Aについて買収対象企業の取締役会が異議なく賛同の表明をしていること」
をファイナンスの条件として要求します。

この
「買収対象企業における取締役会の賛同」
という点に関して特異な経過を辿った事件として、シャルレのMBO事例があります。

この事件は、MBO(経営陣による自社の買収)の実現手段としてTOBが行われましたが、取締役会は当初賛同していたものの、その後TOBに反対する立場をとり、結果、ファイナンスの前提が崩れ、TOBが失敗した、というものです。

運営管理コード:CLBP544TO546

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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01387_M&A法務>M&A法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>課題と対応の基本>メリットとデメリット

M&Aの主なメリットは、企業同士が結合することによる
「シナジー効果」
です。

例えば、企業規模が拡大することにより、資材等を購入する場合にバイイングパワーを行使することでコストを削減することや、マーケテイングや流通や会社の管理業務を統合することによるコスト削減も可能となります。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

このほか、事業拡大や新規事業を開始するにあたっては、すでに事業実体を備えている企業を買収することが時間と費用(立ち上げ費用)の合理化に繋がりますし、特定の技術やノウハウを取り込むことで企業価値を短期間に向上させることもできますので、M&Aは、企業の成長戦略にとっても非常に有益な手法と考えられています。

他方、M&Aのデメリットを考えてみます。

M&Aは
「企業」
という
「対価が極めて計測しにくいもの」
を買う取引であることから、価格算定で交渉が難航するケースが多く見受けられます。

また、取引が終了した後になって、期待された成果が上がらない、という状況が判明することもあります。

加えて、法人格を引き継ぐ形でのM&A(合併や吸収分割等)の場合には、簿外債務や不良債権などをも引き継ぐといったリスクがあり、これがM&Aが終了した後になって顕在化するといった事例もあるようです。

その他、異なる企業文化の融合であるという社会的実情にも注意すべきです。

例えば、大銀行のM&Aなどでは、当初の合併比率のまま取締役の選任が未だになされ、銀行の中核をなすシステムの統合さえも手こずっていたことは記憶に新しく、法人格だけ一緒になっても企業文化が分断したままでは、そのシナジー効果はコスト削減以上のものは存在しないと思われます。

以上のように見てくると、まずは、買収対象企業の価値の査定及びシナジー効果の査定の両面において、正確な見積もりを行うことがM&A取引成功の大きな前提条件となります。

また、取引に先立って予測として折り込んだシナジー効果を現実のものとするため、ポストマージャーインテグレーション(M&A後の統合化作業)により、各種経営資源から事業運営のあり方、さらには企業文化の統合まで含めた作業をきっちり行っていくことが求められます。

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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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01386_M&A法務>M&A法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>概説>M&Aの分類>株式移転

株式移転とは、既存の会社が、完全親会社となる持株会社を新たに設立し、自らがその完全子会社となる組織再編行為をいいます。

株式移転によるM&Aは、上場企業や大企業等がグループ戦略を進める上で、しばしば活用される手法です。

持株会社(ホールディングス会社)が設立され、株式移転という会社法上の手続により、子会社の株主であった者が新しく設立されたホールディングス会社の株主にスライドしていくことになりますが、これにより、ホールディングス会社は完全子会社となった事業会社の経営を機動的に行うことができる、 というわけです。

運営管理コード:CLBP543TO543

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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