00760_企業法務リスク発見(抽出)・特定の手法2:リスクや課題の発見・特定を阻害するもの(1)正常性バイアス・楽観バイアス・常識(という偏見ないしフィルター)

我々の脳内には、リスクや課題の効果的発見・認知・特定を阻む「有害な情報解釈機能」が巣食っています。 正常性バイアスや楽観バイアスといわれるものです。 さらにいえば、「常識」自体、効果的なリスク発見を阻害します。 常識とは、物心つくまでに身に着けた偏見のコレクションを指します。 「人は皆、法を守る」 「企業においては、皆...

00759_企業法務リスク発見(抽出)・特定の手法1:日本の産業界において、法務リスクを効果的に発見・特定できている企業はほとんどない

危機管理において最も重要なことは何でしょうか? 危機の予防でしょうか?危機の回避でしょうか?危機の転嫁でしょうか?危機への対応でしょうか?危機を小さくする営みでしょうか?危機を受け入れ、乗り越えることでしょうか?危機が現実化した場合のダメージコントロール(損害軽減化)でしょうか?危機対策のチーム作りや専門家の招集でしょ...

00758_チエのマネジメント(知的財産マネジメント)における企業法務の課題7:企業秘密の意義・特徴

「チザイ」としては、特許や著作権や意匠権といった権利の範囲や内容や限界がクッキリ、ハッキリして、登録されて、対外的にも明瞭に権利として認識されるようなものを見てまいりました。 もちろん、一般に「チザイ」といえば、これら正式な権利となるようなものが代表選手ですが、ビジネスの世界においては、これらとは別に、「権利の範囲や内...

00757_チエのマネジメント(知的財産マネジメント)における企業法務の課題6:「知財」における行政(特許庁)と司法(裁判所)の対立

企業の知財に関する事件の報道を見ていますと、例えば、こういうニュースに接することがあります。 「2005年2月26日、東京地方裁判所は、特許権侵害訴訟において、日本水産の冷凍塩味茹枝豆特許(塩味茹枝豆の冷凍品及びその包装品の特許)を無効と判断し、日本水産の特許権に基づく損害賠償等の請求を権利濫用として許されないとして棄...

00756_チエのマネジメント(知的財産マネジメント)における企業法務の課題5:粗略で酷い「知財」の取り扱われ方の具体例(ニッスイ事件)

「『審査官をウマく丸め込み登録はしたものの、新規性、進歩性等の要件に問題があるエエ加減な特許権』」をブンブン振り回して、鼻息荒くライバル企業に差止・損害賠償訴訟を提起すると、カウンターパンチを食らうような形で裁判所から突然『特許無効』と宣言され、最後に泣きを見た、という事例についてお話します。 1998年、日本水産(ニ...

00755_チエのマネジメント(知的財産マネジメント)における企業法務の課題4:粗略で酷い「知財」の取り扱われ方

「知財を実際に最終的に取り仕切る特許庁や裁判所」において、実際、知財がどのような形で取り扱われているか、ということを述べてまいります。 具体例として、知財の代表選手である特許の場合を考えてみます。 特許権というと、「日本の特許出願件数40万件!」などという報道があったり、また、各種工業商品に「PAT.P(Patent ...

00754_チエのマネジメント(知的財産マネジメント)における企業法務の課題3:知財バブル現象

知的財産権については、政府が、2002年12月4日に、「知的財産の創造、保護及び活用に関する施策を推進すること」を目的とする知的財産基本法を作りました。 この、政府の「知的財産権を積極的に保護しますよ」というポーズを真に受け、「知的財産権のダークサイド」ともいうべき、産業技術や文化発展を阻害するようなマイナス面を無視し...

00753_チエのマネジメント(知的財産マネジメント)における企業法務の課題2:「知的財産権」の正体(知財のダークサイド)

知的財産権については、「法律の専門家である弁護士ですら『知的財産紛争は一切取り扱わない』というスタンスを取る者も出るほど、取扱がやっかいな法務課題である」といえますが、そもそも「知的財産権の正体」とは一体何なのでしょうか? ここで、知的財産権の正体をわかりやすくお伝えするため、メタファー(暗喩)を用いて、解説します。 ...

00752_チエのマネジメント(知的財産マネジメント)における企業法務の課題1:企業における「チエ(情報、技術、ブランド)」のもつ意味・重要性

かつての産業経済は、一定の規格のモノを安価かつ大量に生産し、これを大量に消費することにより成り立っていました。 しかし、農業における「豊作貧乏」という事態のように、社会にはモノがあふれ、逆に過剰となったモノは地球環境にとって有害である、とすら言われ、企業の責任として「無駄なゴミを作り出すな。廃棄物の回収に責任をもて」と...

00751_カネのマネジメント(ファイナンシャル・マネジメント)における企業法務の課題5:カネのマネジメントで企業が失敗するリスクに法務部としてどう関わるべきか

どんな人間も、人間である限り、カネの欲には勝てません。 ====================>引用開始宗教法人の高野山真言宗(総本山・金剛峯寺、和歌山県高野町)の宗務総長が宗団の資産運用を巡り交代した問題で、外部調査委員会が損失額を当初の約6億9600万円から約17億円に訂正していたことが明らかになった。(2013...