00330_日本企業法務史(4)外資系企業やベンチャー企業の台頭による企業法務プラクティスの進化
1998年に一時国有化された日本長期信用銀行(長銀、現:新生銀行)の売却交渉の際、外資系ファンドであるリップルウッドがウォールストリート流の交渉戦略を駆使し、8兆円超もの公的資金が投入された長銀をわずか10億円で買収しました。 その後、リップルウッドは「譲渡から3年以内に、当初の正常債権の判定に瑕疵が生じ、簿価より2割...
1998年に一時国有化された日本長期信用銀行(長銀、現:新生銀行)の売却交渉の際、外資系ファンドであるリップルウッドがウォールストリート流の交渉戦略を駆使し、8兆円超もの公的資金が投入された長銀をわずか10億円で買収しました。 その後、リップルウッドは「譲渡から3年以内に、当初の正常債権の判定に瑕疵が生じ、簿価より2割...
護送船団行政全盛時代は、バブル経済崩壊後の1990年代後半頃には終焉を迎え、状況が一変し始めます。 1998年に中央省庁等改革基本法が成立し、2001年をもって、それまでの1府22省庁は、1府12省庁に再編されることになりました。 加えて、このあたりから、規制緩和が推進され、「護送船団行政」やこれを支えてきた裁量行政は...
1980年から1990年代にかけて、企業がトラブルや問題が生じたときに駆け込むのは法務部や顧問弁護士のところではなく、まずは、監督行政機関や業界団体でした。 監督行政機関からの指導に対しては、阿咋の呼吸で伝えられるものも含め、徹底して従うことが企業のリスク管理行動として最も推奨されるものでした。 監督行政機関の見解を糺...
日本では、1980年代終わりから90年代なかばころまで、官庁の主導により産業界の育成が図られていた時代が存在しました。 この時代、各業界において競争力が最も欠落した企業であっても維持・存続できるような業界育成が行政の最大のミッションと考えられ、行政機関は、許認可権限やこれに基づく行政指導等の権限(行政裁量権)を駆使して...
2019年5月17日付日本経済新聞「中小の知財 大手が奪う 製造業以外でも深刻に 手口も巧妙化、改正法成立で提訴しやすく」と題する記事には、大企業が、巧妙な手口で、中小企業の特許やノウハウなどの知的財産を奪うやり口が克明にかかれていました。 ずいぶん前に経済雑誌で掲載したものですが、私も、同じ問題意識で、企業法務ケース...
パクリ商品が販売された場合、もし、自社商品を意匠登録していれば、侵害の停止や予防のための措置、損害賠償請求に加え、謝罪広告等も求められます。 とはいえ、自動車や家電等であれば別ですが、玩具や雑貨や文房具といった廉価な製品を全て意匠登録するのは現実的でありません。 「下手な鉄砲」を数打って市場の反応をみてみる、という戦略...
法務を「サービス」としてデザインする観点でこれまでのトレンドを沿革として俯瞰しますと、「法務活動」として社内から期待されているサービスは、企業法務黎明期とも言える昭和時代は紛争法務・事件ないし事故処理法務に限定されていました。 といっても、実際、法務部員が裁判の現場で訴訟代理人として活動するのではなく、もっぱら、軍監(...
たまに、銀座や赤坂、六本木、赤坂、渋谷、新宿等の「新規開店が困難な超人気スポットの路面の賃借店舗」が、店舗買収、店舗M&A案件等として、ブローカーやM&Aアドバイザー等を介して案件持ち込みされる場合があります。 出店困難地域、掘り出し物、路面でなかなか出てこない案件、ホールドは5日が限界、3日以内に手付を等のセールスト...
契約書を作成する前提として、契約条件を具体化する必要があります。 こういう言い方をすると、「言われなくてもわかっている」というリアクションが返ってきそうですが、実務上、契約書の内容の問題以前に、取引設計レベルにおいて、契約条件が曖昧模糊としており、これが原因でトラブルに発展するという事例が多く見受けられます。 モノのや...
相談者プロフィール: 株式会社ダーク・サイレント 代表取締役 佐村 剛史(さむら ごうし、50歳) 相談内容: ご承知のとおり、クラッシックに転向してから、無茶苦茶曲が売れたこともあって、私が作曲した音楽を専門に扱うレコードレーベル会社を7年前に立ち上げました。しかしながら、「私の曲」として発表したものの中で...