00738_企業の統治秩序構築・組織運営の法務1:企業の統治秩序構築・組織運営上の法務課題の概要

組織体である企業には、様々な思惑を持った利害関係者が集まります。 株主は株主としての思惑を以て企業に参加しますし、経営者は経営者なりの考えがあります。 一括りに「株主」といっても色々な種類の株主がいます。 株を長期間保有する株主もいれば、「午前中に株式を購入したら午後3時までにはすべて売っ払って株主でなくなる」というト...

00731_内部統制構築の実務8:タスク(5)再発防止策の策定・運用

法令や定款や規則が定められ、これらのルールが遵守されるようコンプライアンス教育や研修が実施され、ルールの意味と遵守の価値と意義、さらにはルール違反をした場合の制裁措置も含めて、役職員全員きっちり理解しました。 にもかかわらず、内部監査や内部通報を通じて、ルール違反が検知され、不祥事が発覚し、適切な調査の上、違反に対する...

00730_内部統制構築の実務7:タスク(4)違反者に対する制裁

企業であれ軍隊であれPTAであれサークルであれ暴力団であれ、およそ組織というものには、「ルール」と「ルールの実効性を担保する仕組み」というものが必要です。 「ルールなき組織」は組織として維持・継続できません。 ルールがあっても、組織のメンバーが誰もルールを守らなければ、結局は、そのような組織は「ルールなき組織」と化し、...

00729_内部統制構築の実務6:タスク(3)違反の調査

内部監査や内部通報で、違反の端緒が検出された場合、これをそのまま真に受けて、即違反者を懲戒等すると、これはこれで大きな問題となります。 内部監査については、どんなに慎重に行っても過誤は防げませんし、ましてや、内部通報については見間違いや讒言や足を引っ張るための不当な通報利用、さらには、法令や定款・規則等に違反しない単な...

00728_内部統制構築の実務5:タスク(2)違反の検知-内部監査制度及び内部通報制度

フィリップ・ジンバルドという心理学者が、匿名状態にある人間の行動特性を調べる実験を行ったそうです。 その結果、「匿名性が保証され、責任が分散されているといった状態におかれた人間は、自己を規制する意識が低くなり、衝動的・非合理的行動が現われ、周囲に感化されやすくなる」という心理学上の理論が導かれたそうです。 これは経験上...

00727_内部統制構築の実務4:タスク(1)コンプライアンス教育・コンプライアンス研修

教育・研修についてですが、内部統制やコンプライアンスの教育研修は、一般の学校教育とはまったく異なります。 一般の学校教育が知的水準や教養レベルの向上を目的とするものであり、受講者側の知的能力が問題とされるのに対し、内部統制やコンプライアンスの教育研修の目的は、「(誰でも使える)インフラとしての法制度や仕組」を理解させる...

00726_内部統制構築の実務3:内部統制やコンプライアンスを進める体制を効果的に構築するための具体的タスクデザイン

内部統制あるいはコンプライアンスを進めるために行うべき具体的タスクをみてみます。 内部統制あるいはコンプライアンスを進める上での具体的タスクとしては、1 教育・研修、2 違反の検知、3 違反の調査、4 違反者に対する制裁、5 再発防止策の策定・運用、という各タスクが想定されます。 そして、「5 再発防止策の策定・運用開...

00725_内部統制構築の実務2:内部統制とコンプライアンスの相違点

内部統制と似たもので、コンプライアンス(法令遵守)という経営課題もあります。 ざっくりいいますと、内部統制もコンプライアンスもほぼ同じ概念なり経営課題として考えていただいて差し支えありません。 内部統制が「企業の方針」と「企業の実際のオペレーション」の整合性を確保する活動とすると、コンプライアンスは「各種法令」と「企業...

00724_内部統制構築の実務1:内部統制システムを構築するにあたって、どのような哲学や基本理念基づき構築すべきか?

内部統制システムとは、「企業経営を行う上で、絶対根絶不能で、不可避的・恒常的に発生する法令違反リスク」に効果的に対処し、「大事を小事に、小事を無事に」するためのマネジメントプログラムと定義されます。 このシステムを構築・運用するプロジェクトについて、適切に前提環境認識や稼働上の相場観が形成され、リスクや課題も正しく抽出...

00668_民事裁判官のアタマとココロを分析する(6):具体的条件を提示した和解の斡旋は、「(従わないとエラい目に遭う)命令」

例えば、一審は勝訴したものの、一審の裁判官も、明々白々な証拠があって、雲1つない晴天のようなすっきりとした気持ちを持ち、胸がすくような形で、一方当事者を勝たせた、ということではない、というケースがあります。 一審判決を読むと、ためらい傷が残るように、懐疑を挟み、躊躇(ちゅうちょ)を覚えつつ、最後まで晴れ晴れとした気持ち...