01876_訴訟と時間軸の関係

有事になると、相手方は、戦争になるくらいの勢いで全集中で争うでしょう。 もちろん、こちらも、争います。 あの手、この手、奥の手、禁じ手(といっても、当方は相手方の出方の検討に用いるのみで実施は控えますが)、寝技、小技、反則技(といっても、当方は相手方の出方の検討に用いるのみで実施は控えますが)を繰り出し、総力戦で争いま...

01874_有事における始めの戦術課題

有事において重要な戦術課題とは、 「時間的冗長性を確保すること(時間資源を確保すること)」です。 相手が「まずは、説明をさせてくれ。話をしに行く」と、連絡をしてきたとしても、「言いたいことがあれば、文書でよこせ」 と、応答するだけです。 相手に気を使う必要など、ありません。 敵対者には、何一つ情報を与えるべきではなく、...

01873_交渉に失敗する人間がよく口にする言葉

「だろう」「べきだ」「はずだ」という言葉は、交渉に失敗する人間がよく口にする言葉です。 「だろう」「べきだ」「はずだ」は、身勝手な妄想の上に作戦計画前提を立脚することを端的に表す言葉であり、作戦立案上の知性の欠如を物語っています。 相手は、こちらからの提案に対し、 「若干ながらも汲み取ってくれる」 意思は、ないのですか...

01862_有事における心得

有事は、苛酷です。 弁護士は、問題を因数分解して論理的に整理して対処する知的資源ですが、「良かろう・高かろう」です。 有事において、弁護士を使うか使わないか、あるいは、使うのであれば、どのように・どこまで使うのかは、トレードオフによる価値判断となります。 弁護士としては、クライアントから救済を求められ、しかるべき稼働環...

01861_有事状況において持つべきマインドセット_ストレスから逃げない、他人も自分も信じない、正解や「正解を知っている(と称する)怪しげな人間」を探そうとしない

有事状況は、苛酷です。 ストレスと不安で死にそうになります。 また、トレードオフ課題(あっちを立てればこっちが立たず、肉を斬らせて骨を断つ、といった趣きの、目的達成のために多大な犠牲を伴う決断が迫られる課題)が波状的に突きつけられ、もたもたしていると、どんどん状況が悪化し、機会損失が増大します。 有事がために、人によっ...

01859_有事におけるスタッフ起用

たとえば、有事時において、独自の考えからスタッフを起用するクライアントもいます。 起用された有事時スタッフについて、弁護士としては、信頼しないことがあります。 有事時こそ、人事は慎重に運ばなければならないからです。 どれほど平時のオペレーションに長けていようが、シビリアンである限り、有事対処ができるわけではないからです...

01857_ミエル化・カタチ化・言語化・文書化とは

弁護士が、クライアントに「現在までに発生した事例を、1日毎に日記形式でいいので、ミエル化・カタチ化・言語化・文書化をお願いします。1日毎にアップデートしていってください 」と、お願いすることがあります。 弁護士が聞き取って代行することも可能ですが、ここに、貴重なおカネという資源を投入することは、クライアントのおサイフ状...

01854_有事の際、自分に合う弁護士を探す視点その4

弁護士は、事態を予測し、想定した上で、時間的冗長性がある間に備える、という極めて価値ある提案をします。 それを、その場で聞き流した(何も対処せずにいる、というのは、結果的に、弁護士の助言・提案を聞き流したことになります)りしていると、時間と機会を喪失し、選択肢がなくなり、状況はますます悪化します。 にっちもさっちもいか...

01853_有事の際、自分に合う弁護士を探す視点その2

有事の際、法務相談中、弁護士の助言や提案を聞いて、「先生の話は難しすぎる」「先生の話はわかりにくい」「先生の話はあまりにも愚劣だ」「私を愚弄している」「私は客だ」と怒りを感じるのであれば、それは、弁護士が 「難しすぎて何を言っているかわからない」というのではなく、むしろ、しびれるくらい、腹立たしいくらいにわかりやすく、...

01852_有事の際、自分に合う弁護士を探す視点その1

「私には、この弁護士は合わない。私に合う弁護士は、話をわかりやすくかみくだいてしてくれる方だ」と、いうクライアントがいたとしましょう。 そのクライアントの視点は、どこにあるのでしょうか。 有事の際、法務相談では、誠実である弁護士ほど、腹立たしいほどの現実を伝えます。 「勝つため、有利に運ぶために、最善と考えられたもの」...