ライブドア事件のように、金融行政による資本市場規制の考え方は、
「株式公開市場は、多くの利用者を抱える一種の公共インフラ(現在は金融の国際化が進んでいるため、国際的な公共財ともいえます)であり、 このインフラの健全性を害する行為は、厳罰を以て臨む」
というものです。
要するに、
「資本市場は、上水道と同じく国民生活に必要なインフラであり、虚偽の会計報告を行うことは、上水道を汚染する行為と同じである」
という見方です。
このような点から、企業が、会計技術上あるいは税務戦略面において技術性の高い取引やユニークな取引、あるいは会計上の劇的な改善効果が期待される取引組成を行う場合、金融当局は非常に厳しく目を光らせ、あら探しとも思えるような形で過酷な調査を行い、少しでも非違が発見されると、課徴金や刑事罰等の厳しいペナルティを課す方向で臨みます。
したがって、このような金融当局の厳しい監視を誘発する取引を組成・構築するにあたっては、ファイナンスや会計・税務といった他分野の協働部門や社外専門家と緊密な連携を取りつつ、保守的に進めていくべき必要があるでしょう。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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