01358_倒産・再生法務>倒産・再生法務(フェーズ1)>アセスメント・環境整備フェーズ>法令環境>法的整理>会社更生法

民事再生法と異なり、株式会社のみに適用されます。

抵当権などの担保権や公租公課であってもその行使を制限して強力に再生を推進することができるというメリットがある反面、かかる強力な再生について手続的な正当性を確保するために、外部からの重厚的な介入がなされることになります(その分、手続的負担や費用的負担も重いため、かかる負担に耐えられる規模の株式会社でなければ、利用することが難しい手続です)。

更生計画においては、通常、会社が発行済株式の100%を株主から無償で取得して償却する、いわゆる100%減資が実施されて、従前の株主は株主の地位を喪失します。

また、民事再生法とは異なり、経営者は交代することが原則となります。

とはいえ、会社更生は、前述のとおり、
「担保権をも吹き飛ばすことを可能とする強力な内容」
を有する制度であることから、手続そのものが厳格であり(後述の債権者同意要件等)、遂行負担が重いため、
「当該会社を存続させることが、社会的な損失を防ぐためにも必要である」
のような大企業を想定しています(最近では、日本航空や、武富士の例があります)。

なお、これまで
「使いづらい」
とされてきた会社更生手続について、いわゆるDIP型会社更生手続や、商取引債権一般を保護した会社更生手続の運用が開始されています。

会社更生においては、更生債権の債権総額の過半数の同意及び更生担保権者(抵当権等の担保権を有する債権者)の債権総額の4分の3以上(担保権の額を変更する場合)の同意があった場合には、更生計画が可決され、以後、更生計画に従った弁済を実施することになります。

更生計画が否決された場合には、更生手続は廃止となって終了し、裁判所は、破産手続開始の原因となる事実があるときは、職権で、破産手続開始の決定をすることができます。

運営管理コード:CLBP511TO512

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

【本記事をご覧になり、著者・所属法人にご興味をお持ちいただいた方へのメッセージ】
当サイトをご訪問いただいた企業関係者の皆様へ
当サイトをご訪問いただいたメディア関係者の皆様へ
当サイトをご訪問いただいた同業の弁護士の先生方へ

企業法務大百科® 開設・運営:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

弁護士法人畑中鐵丸法律事務所
弁護士法人畑中鐵丸法律事務所が提供する、企業法務の実務現場のニーズにマッチしたリテラシー・ノウハウ・テンプレート等の総合情報サイトです