一般的な企業有事の方法論では、有事の際に最初に行うことは、有事安全保障のための特殊な組織(例えば危機管理対策本部のような臨時組織)を立ち上げ、
・トップ
・情報機関並びに参謀機関
を決定することです。
トップとは、蓋然性に依拠するあらゆる事象や課題について、最終決断を行う存在です。
失敗をした場合に恥をかき、自責・他責を含めて、想定外や不可抗力を含めて、全責任を負うサンドバッグ役となります。
さて、このような思考負荷を忌避する経営者もいます。
そして、試行錯誤するといって、フォアキャスティング(行きあたりばったりの出たとこ勝負)で何かトライしてみて、後はPDCAで、ということを強く志向します。
他方で、
「臨時組織を立ち上げることなど、理解できないし、小難しいし、ビジネス課題でなく所掌外だから」
といって、下に丸投げのスタンスをとる経営者もいます。
そうなると、制御不能の状態に陥りかねません。
正解や定石が明らかな課題であれば、丸投げされる下の人間も対処可能でしょうが、投げる側の人間もよくわかっていない、正解も定石もない有事の難題を丸投げされる、という状況は、下の人間の政治的安全保障という点でも最悪の状況です。
上手くいっても称賛されず、失敗したら、責任を問われるのですから。
結局のところ、蓋然性に依拠するあらゆる事象や課題について、最終決断を行い、失敗をした場合に恥をかき、自責・他責を含めて、想定外や不可抗力を含めて、全責任を負うサンドバッグ役となるのは、企業経営者以外にはいない、ということです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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