00431_「暴力団対策法に基づく中止命令」の活用テクニック

暴力団への対抗策としては、伝統的な方法である刑事告訴や民事手続以外に、暴力団対策法(以下、「暴対法」)に基づく措置も検討すべきです。 暴対法は、暴力団員などが市民生活に不当に介入する行為を「暴力的要求行為」として類型化し、これらの行為が行われた場合、警察署長に対して当該行為を禁止する命令(中止命令)を発する権限を付与し...

00430_反社会的勢力への対応法の基本

暴力団員などから不当な要求を受けたり、彼らから嫌がらせや生命・身体・財産などに対する危険を伴う言動を受けたりした場合の基本対応は、弁護士や警察に相談し、刑事告訴や民事上の手続(面談禁止を求める仮処分手続等)を速やかに行うことです。 暴力団サイドも、ビジネス(専門用語で「シノギ」等といいます)で動いているわけであり、ビジ...

00429_工場抵当が活用できる場合

例えば、評価額3億円程度の不動産を担保に取って、5億円貸すのは、極めてリスキーといえます。 地方銀行や信金・信組で、こういうリスキーな融資が行われることがありますが、この種の経済合理性のない融資は、法律上、背任という犯罪行為となりますし、実際、この種のことが露見して、逮捕者が出たり、自殺者が出たりしていることは皆さんご...

00428_「事業会社への救済融資」を行うべきではない理由

企業が、取引先や関係先に対して事業資金の融資を行う、ということはよく見受けられます。 もちろん、収益が見込める事業を計画的かつ合理的に営んでいる限り、何もプライベートな企業なんかに泣きつかなくても銀行が貸してくれるはずですが、無計画あるいは不合理な冒険的事業を企図するような場合や、不祥事等が発生して企業の存続に疑義が持...

00427_DMを民間宅配便メールで送ると違法とされる理由

国民が自分の意思を他人に対して安心確実に伝達する手段が確保されることは、近代国家においては非常に重要です。 例えば、政治批判を含む議論以外のビジネスの分野でも、競合する第三者に秘密のまま自分の意思を意図する相手へ確実に送る手段が整備されていなければ、自由な競争すら危ぶまれますから、「安価で、安心確実に通信を行う」ことは...

00426_食品PL訴訟事件:こんにゃくゼリー事件

2007年頃から、こんにゃくを材料としたやや弾力性の高いゼリーを噛まずに飲み込み窒息してしまう事件が相次ぎ、社会問題にもなっていました。 そして、2008年7月、「子供や高齢者は喉に詰まるおそれがあるため食べないように」と記載された警告文に気付かず、1歳9カ月の幼児に凍ったこんにゃくゼリーを食べさせてしまい、窒息死する...

00425_製造物責任法(PL法)の概要

ある商品が原因となって損害が発生した場合、損害の賠償を請求するためには、民法の不法行為規定(民法709条以下)に従って、被害者側が、加害者の故意・過失などを立証しなければなりません。 しかしながら、当該商品の詳細や製造過程に関する情報はすべて加害者の下にあることから、この故意・過失を立証することは容易ではなく、商品が原...

00424_違法残業により役員個人が責任を負う場合

会社が責任を負うとしても、役員個人が賠償責任を負うなどということがあるのでしょうか。 この点について、過労死等の場合、会社が責任を負うのはともかく、役員「個人」が賠償の義務を負うなんて考えられないという経営者が大半であると思われます。 しかしながら、役員個人も損害賠償責任を負うとの裁判例が近年出されていますので十分な注...

00423_違法残業から生じる多大なリスク

残業とは、法定労働時間を超過して働かせることをいいますが、この場合、まず労働基準法36条に基づく協定(36協定)の締結が必要です。 そして、週40時間以上勤務させるような法定外残業の場合には、残業代として基本給の25%増を支払わなければなりませんし、それが休日の場合には35%増とする等の規制が働くことになります。 加え...

00422_長年続いてきた契約をいきなり終了する場合の法的リスク

わが国の取引における基本的ルールとして、誰とどのような契約をしようが一切自由である、とされています(契約自由の原則)。 これは、「取引社会に参加する者が、それぞれ己の知力や財力を最大限に活用して、自由に契約交渉を行い、互いに競争させる基盤を確保することが、市場経済の発展には必須である」という考えに基づくものであり、資本...