00284_会社法に定める「特別清算」を活用する場面

会社法には、清算と破産のハイブリッド型の手続が用意されています。 会社法510条には、「債務超過(清算株式会社の財産がその債務を完済するのに足りない状態)の疑いがある」場合には、特別清算手続が可能とされています。 この特別清算手続ですが、裁判所の監督はあるものの後見的な監督にとどまり、破産手続のように管財人が派遣されて...

00282_口頭契約をドタキャンされた場合の対処法

口頭契約をドタキャンされたケースにおいて、大手企業に何らかの責任を負担してもらう方法を検討してみます。 まず、「契約準備段階の過失」という法理の活用です。 これは、契約締結に至らない交渉段階であっても、契約締結の見通しがなくなった段階で相手方に告知するなどの義務があり、これに違反したら、相手方の損害を賠償すべし、という...

00277_企業が、モニタリング受諾書なしでも、従業員に無断で従業員のメールやパソコンを監視できる場合

「監視目的、手段およびその態様等を総合考慮し、監視される側に生じた不利益を比較衡量の上、社会通念上相当な範囲を逸脱した監視がなされた場合に限り、プライバシー権の侵害となること解することが相当である」との裁判例(フィッシャー事件、東京地方裁判所2001<平成13>年12月3日判決)を前提規範として、許容される例外的場合を...

00274_「ライバルは特許侵害しているぞ!」と公言することが、競争者営業誹謗行為(不正競争防止法)とされるリスク

当方が特定の技術に関し特許権を有していて、ライバルメーカーの製造販売した商品が当方の商品と似ているからといって、直ちに特許権を侵害したことになるかは定かではありません。 すなわち、特許権があるといっても特定の技術範囲にしか及ばず、しかもこの範囲は、新規性・進歩性という要件をクリアする点から、出願後登録を得るまでの間に著...

00272_判決によらず、裁判を強制終了させる方法

普通、裁判の解決というと、「勝訴、敗訴いずれかの判決が出されて一件落着」ということをイメージされる方が多いと思いますが、判決以外にも訴訟が終了する場合というのがあります。 といいますか、実際の裁判では、提起された訴訟のおおよそ半数が判決以外で終了するといわれています。 判決以外の訴訟終了の場合としては、放棄、認諾、和解...

00265_敵対的買収の対抗手段としての第三者割当増資

買収防衛策としては、今や新株予約権や種類株を使った非常に複雑なものが当たり前となっていますが、2000年代前半ころまでは、買収防衛策(買収対抗策)といえば第三者割当増資が最もメジャーな手段でした。 すなわち、決して裏切らないお友達に株式を大量に発行し、敵対的買収者の持ち株比率を下げるという手法です。 実際、敵対的買収の...

00264_債務株式化(デット・エクイティ・スワップ)の利点と具体的手法

会社のバランスシートをみると、右側(貸方)には、上段に負債、下段に資本の項目が並んでいます。 法律的にみると、負債は返さなければならない借金で、資本は返さなくてもいい出資金ということで、顕著な違いがあります。 しかしながら、「会社の運転資金の調達先はどこか」という観察においては、負債であれ、資本であれ、調達先が債権者か...

00248_インデペンデント・コントラクター(外部の独立事業者、IC)の雇用認定を避けるための予防法務テクニック

理論上の回避策としては、まず、インデペンデント・コントラクター(外部の独立事業者、「IC」)に法人を設立させ、法人間契約とすることが考えられます。 ただ、新会社法で設立が従来に比べ簡単になっているとはいえ、ICの数が相当数にわたる場合を考えると、設立手続き負担の重さはあまりに非現実的です。 あと、ICに「独立個人事業主...

00242_国際取引において、仲裁地の交渉がデッドロックになった場合のブレイクスルー・テクニック

国際契約においては、お互い仲裁地を譲らないことが多いです。 これによって、国際取引が暗礁に乗り上げてしまうことがあります。 無論、どちらかが契約交渉上に有利な地位を有していれば、力関係を通じて解決されます。 すなわち、強者が弱者に「契約条件についてオレの言うこときけないなら、契約はヤメだ」と要求すれば済む話です。 しか...

00241_管轄地・仲裁地の重要性

日本国内の会社同士の取引なんかですと、ある程度中味のしっかりした契約書を取り交わし、日常のコミュニケーションがしっかりしている限り、トラブルが裁判に発展するなんてことはありません。 とはいえ、いざ裁判になった場合、弁護士として一番気になるのは裁判管轄です。 サッカーや野球の場合、「試合の場所がホーム(当地)であるかアウ...