01503_株式会社には「責任者」などという者は存在しない_2_ビジネス・ジャッジメント・ルール
「株式会社には『責任者』などという者は存在しない」という言い方をすると、「そりゃ株主はそうかもしれないが、社長や経営幹部はそれなりの責任があるでしょ」といわれそうです。 しかしながら、ごく一部の例外的な場合を除き、社長や経営幹部、すなわち会社の取締役といわれる方についても、原則として、経営の失敗に関しては法的には無答責...
「株式会社には『責任者』などという者は存在しない」という言い方をすると、「そりゃ株主はそうかもしれないが、社長や経営幹部はそれなりの責任があるでしょ」といわれそうです。 しかしながら、ごく一部の例外的な場合を除き、社長や経営幹部、すなわち会社の取締役といわれる方についても、原則として、経営の失敗に関しては法的には無答責...
企業不祥事などが発覚すると、マスコミなどはこぞって「企業はきっちり責任を自覚せよ」「経営者は責任を免れない」「株主責任を果たすべき」などと報道します。 しかしながら、株式会社には、法理論上、責任者などという者は全く存在しません。 といいますか、株式会社制度自体が、そもそも「誰も責任を取ることなく、好き勝手やりたい放題し...
「ゴーイング・コンサーン」という言葉を聞かれた方がいらっしゃると思います。 これは、企業会計上の用語で「企業が将来に渡って無期限に事業を継続する」との理論的前提をいいます。 要するに、「企業は永遠の生命をもち、決して廃業や解散・清算などをしないんだ」という理屈です。 また、ゴーイング・コンサーンは「企業は永遠に継続する...
倒産する会社には何らかの共通する特徴が存在します。 弁護士や経営コンサルタント、その他「会社の中枢と直接コンタクトを持ち、倒産に関わった経験を一定量有する専門家」が見ると、いかに経営陣が糊塗隠蔽しようが、「この会社はヤバイな」という兆しのようなものが見えるのです。 著者の経験したケースを申し上げます。 ある会社は、見た...
倒産を考えている企業や、倒産状態になってしまった企業は、「倒産しそうだ」「来月にはヤバイ」「倒産の準備をしている」「手形が落ちそうにない」などと予定を公表することはしません。 こんなことをしたら、ほぼ全ての債権者がハイエナのように押し寄せて、却って大混乱にな ってしまうからです。 したがいまして、企業が倒産する場合、債...
今から20年とか30年前。 元号が昭和だった時代。 企業というのは、滅多に倒産しないものでした。 昭和時代、「学校を出て就職した企業が定年退職するまでに倒産してなくなる」などということは滅多に耳にすることはありませんでした。 決して潰れることのない企業に就職した我々のオトーサンたちは、「終身雇用」という、現在で は死語...
弁護士業という生業は「時間」という資源を切り売りして成り立っています。 したがって、弁護士は切り売りする唯一無二の商品である「時間」を常に意識せざるを得ず、したがって「超のつく『時間貧乏』」でもあるということです。 準備も資料なく弁護士を訪問し、ゆっくり時間をかけてこちらの話をしようとしても、経緯を話すだけで相談時間が...
「財産の隠蔽や依怙贔屓(えこひいき)弁済やヤケになって放埒な散財をする等」といった、債権者(銀行)を怒らせてしまうアンフェアな行為をしておきながら、破産や民事再生の申立をして、借金を一部カットしたり「チャラ」にしてもらおう、というのは、不当かつ許しがたい行為とされます。 このようなナメた行為をすると、再生計画認可や破産...
自己破産を、民事再生との違いをいいますと、破産のメリットは、何といっても一切返済する必要がなくなるチャンスが生まれることです。 法人の破産の場合、そもそも法人格が消滅しますので、返済もヘッタクレもありませんが、個人の場合は、その後の人生の再生には非常に大きな意味と価値があります。 個人に関していいますと、民事再生の場合...
民事再生と破産をまとめて「法的整理」といいます。 「『任意』整理」と対語になる、という意味で、「『法的』整理」という言葉が出てきます。 法的整理は、要するに、裁判所という国家権力を使って、「借りたものは、約束通り、きっちり返す」という契約法理を捻じ曲げて、有無を言わせず、債権を大幅カットする、という「鎌倉時代等の徳政令...