00701_契約書のスタイル今昔:ジャパニーズ・クラシカル・スタイルvs.アングロサクソン・スタイル

企業法務において作成される契約書のスタイルにもトレンドがあります。 1 ジャパニーズ・クラシカル・スタイルvs.アングロサクソン・スタイル 昭和時代、平成初期のころは、産業界が大きなムラ社会で、阿吽の呼吸で形成される自生的秩序があり、細かいことをガタガタ・グチャグチャ言わずとも、たいていの紛争は円満に解決できました。 ...

00639_“げに恐ろしきは法律かな”その2-2:「法律」は日本語ではない(2)

大学等で民法を学ぶと、かなり最初の方に勉強する、94条「虚偽表示」という条文があります。かつては、通謀虚偽表示といわれた条文でしたが、通謀性が欠如する虚偽表示をも取り込む趣旨から、最近では、「通謀」が取れて、単に「虚偽表示」と呼ばれるようになった条文です(私個人としては、「相手方と通じてした」という文言が入っている以上...

00628_法的文書を受領した場合の認知・解釈手順

法的文書(ここでは、契約書に限らず、法的な意味内容を記した文書や法的な意義や価値や効果を含む事実関係を記した文章、要するに、漢字が多く、堅苦しい文体で、一読して何を意味しているか理解しがたいような読解難易度が高い文章が書かれたもの、を総称します)を目の前にした場合、企業ないし企業法務部署において、どう対応していいかわか...

00607_企業法務ケーススタディ(No.0202):契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?

本ケーススタディの詳細は、日経BizGate誌上に連載しました 経営トップのための”法律オンチ”脱却講座 シリーズのケース9:契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?をご覧ください。 相談者プロフィール:株式会社ネプチューンレジャーグループ 代表取締役社長 名黒 純(な...

00585_英文契約書のドラフトを受け取った場合の認知・解釈課題の対処手順

英文契約書のドラフトを受け取った場合、企業ないし企業法務部において、どう対応していいかわからない、という悩みをもつ状況が生じることがあります。 特に、海外法務の経験がない、あるいは、海外法務については、深く考えず、見よう見まねと、知ったかぶりで法務対応をしてこれまでやり過ごしてきた、といった方々にとっては、不安と悩みの...

00553_「トラブルなき成功」を掴む経営者になるための予防法務センスの磨き方

予防法務のセンスというものを身につけるのはなかなか難しいです。 そもそも、予防法務のセンスは、多くの法律や契約法理を実体と手続の両面についてくまなく理論的把握するとともに、また大小の法的トラブルを臨床経験し、さらに他人の失敗を自分に置き換える想像力を駆使するなどして、はじめて築けるものであり、極めて特異な「第二の天性」...

00537_一流の企業は、紛争が生じたら、「勝訴を目論む」前に、「『紛争発生自体』を失敗と捉え、猛省し、予防法務に活かすこと」に注力する

きちんとした合意書を作らないまま、相当程度のリソースをつぎ込んでビジネスを進行させ、失敗してロスが出た途端、「先生、友達の社長のAからの紹介で来たんだけど、裁判に強いんだって? 弁護料たんまり払うから、なんとか落とし前つけてやってよ」なんて感じのお客さんがたまにいらっしゃいます。 こういうお客さんに対して「私もこんな奴...

00523_「委ねる」ことのリスク

かなり前になりますが、某国産冷凍食品に有毒性の農薬が混入していた、という問題が発生しました。 問題が発生してから、販売者もメーカーも日本及び某国両政府もマスコミも「製造からスーパーに出回るまでのどの段階で、どのような形で農薬が混入したのか」ということを、さまざまな角度から検証することを開始しました。 しかし、私は、農薬...

00356_違約金の種別と、効果と、契約記載テクニック

「違約金」や「制裁金」「ペナルティ」という言葉は、ビジネスの世界でもよく耳にしますが、その実際の意味について正確に理解している方はあまり多くないように思われます。 それもそのはず、「違約金」という言葉は、「債務者が債務不履行の場合に、債権者に対して給付することを約束した金銭」などと説明されるものの、実際には、次のように...

00280_口頭契約の危険性

ベンチャー企業の中には、大手企業からの指示で、大きな売り上げの見込みをエサにさんざんパイロット商品を作らされた揚げ句、担当者の「やっぱ、やめた」の一言で、突然、契約の締結を拒否され、その結果、莫大な損害を被るところが少なくありません。 こういう場合、大抵の大手企業側は、一切ペーパーを出さず、言質を取られず、責任者といっ...