00550_取締役責任限定契約では填補されないリスク

取締役が迷惑をかけるのは会社だけではありません。 取締役が放漫経営したことにより、取引先や顧客や株主等の外部の第三者に損害を与えることだってあります。 そういう場合、取締役は当該外部の第三者からも損害賠償請求を受けることになります。  ちなみに、報酬一定年数分を上限として制限することができるということをご存じ...

00527_企業法務ケーススタディ(No.0192):「社外取締役として関わっている企業が破綻し、株主代表訴訟を提起されたケース」を想定した予防法務テクニック

1 事例「株式会社アキ代にオマカセ!(以下、「アキオマ社」)」は、株式の100パーセントを和田アキ代が所有する人材派遣会社である。アキオマ社には和田アキ代自身は取締役に名を連ねていない。アキ代は、アキオマ社の社主として、いわば院政のかたちで自社を牛耳っているのであり、アキオマ社はアキ代が全権を掌握する典型的なオーナー会...

00508_取締役が競業避止義務に反して、ライバル企業となる事業を始めた場合の法的責任

取締役が競業避止義務に反した場合、どのような責任追及がなされるのでしょうか。 00507のように、会社と取締役は委任契約が締結されており、取締役は、会社にとって最善の策を取る義務があります。 そこで、本件のようにワンマン経営を行っていた会社の代表取締役が、競業避止義務に反して新しい会社を設立したケースについて、判例では...

00495_代表権限をもたない取締役と取引した場合のリスク

原則、代表取締役が選定されている場合、その他の取締役には代表権はありません。 代表取締役を定めている会社で、代表権のない平取締役が会社を代表して契約を締結したとしてもその売買契約は成立していないのが原則です。 その場合、買主は、売主に対して売買の対象物を引き渡すように請求することはできません。 しかし、会社法354条は...

00436_役員と会社がカネの貸し借りをする際の法的リスク

取締役は、会社に対して善管注意義務を負っています。 これは、「会社の利益を最大限にするように、取締役として全力を尽くすように」という、会社と取締役との間の委任契約に根拠を有しています(会社法330条、民法644条)。 また、この義務は、別名、会社に対する「忠実義務」ともいわれるものであり、会社の利益を横取りするなどして...

00279_「コンソーシアム」なる主体と契約する場合のリスク

取引相手と目される主体が、コンソーシアム(ある目的のために形成された複数の企業や団体の集まりのことを指します)となっている場合があります。 ですが、このコンソーシアムには、法人格があるのかないのか、一体誰がどのような責任を持って運営しているのか、法的には一義的に明確ではなく、要するに、素姓は明らかではない幽霊とあまり変...

00063_敵対的買収防衛策の有効性

「敵対的買収防衛策」と呼ばれるものですが、このスキームを売り込む側は、スキームの完全性・有効性を盛んに喧伝する傾向にあるようですが、売り込む側が言うほど完全で有効なものではない場合もあります。 かつて、ライブドアがニッポン放送を乗っ取ろうとしたとき、「M&Aに詳しい」はずのニッポン放送側の弁護士が、「敵対的買収防衛策」...

00062_企業法務ケーススタディ(No.0020):敵対的買収防衛を導入する場合の考慮事項

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール: 株式会社幸福ラーメン 社長 小島 卓造(こじま たくぞう、59歳) 相談内容:鐵丸先生、今日はいつも帯同させる専務を連れずに参りました。ウチの専務はメーンバンクから来たのですが、当社上場後も役員として...

00041_創業社長引退後の内紛防止をするための、会社法活用術

会社法は、旧商法時代と比べ、会社運営設計に格段の柔軟性をもたらしました。 旧商法時代から機関設計(マネジメント・ストラクチャー)については相当程度柔軟な方向で法改正(法発展)がなされてきましたが、会社法時代になって、この柔軟性の指向が、所有設計(オーナーシップ・ストラクチャー)にまで及び、ついに、一定数以上の株主の賛与...

00040_企業法務ケーススタディ(No.0009):会社法を活用したファミリー企業の内紛防止法

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール: タカダ帆布鞄 社長 高田 信一郎(たかだ しんいちろう、65歳) 相談内容:先生、いつもお世話になっております。今日は当社の新製品をお持ちしました。ウチの次男坊のヤツのアイデアなんですが、カバンよりア...