00437_会社私物化をした場合に役員個人が負うべき刑事責任リスク

役員が自分が企業から融資を受けるという場合、民事上、取引の有効性が否定されることや、役員が損害賠償責任を負うことに加え、刑事罰を受けるリスクまで想定すべきなのでしょうか。 「会社を取り巻く多数の利害関係者を調整する」という目的を有する会社法は、役員による会社の私物化行為について、民事的な責任に加え、刑事罰による制裁を予...

00436_役員と会社がカネの貸し借りをする際の法的リスク

取締役は、会社に対して善管注意義務を負っています。 これは、「会社の利益を最大限にするように、取締役として全力を尽くすように」という、会社と取締役との間の委任契約に根拠を有しています(会社法330条、民法644条)。 また、この義務は、別名、会社に対する「忠実義務」ともいわれるものであり、会社の利益を横取りするなどして...

00399_長期間所在不明が続く株主の関係処理・清算テクニック

長い年月が経過する間に、株主が所在不明になってしまったりして、株主名簿上の住所に通知が到達しない(通知を発しても「宛て所に尋ねあたらず」で返送されてしまう)場合が出てきます。 このような場合であっても、会社がいつまでも通知を出し続けなければならないとなると事務的にも煩雑ですし、何より、所在不明の株主がいるということ自体...

00398_所在不明株主には、各種通知をどのように行うべきか

株主は、株式会社における出資者として、株主総会に出席して議決を行う権利など、会社の経営にとって重要な事項を決定する権利(共益権)や、配当請求権など、会社が儲けた経済的利益の分配に与る権利(自益権)を有しています。 とはいえ、株主がこれらの権利を適切に行使するためには、会社から適切な情報と権利行使の機会を与えてもらう必要...

00394_会社の定款を紛失してしまった場合の対処法

株式公開企業や資本金5億円以上の大企業ならまだしも、これまで、多くの中小企業にとってみれば、会社の定款の管理をしたり、内容の確認をしたりするといった必要性はなかったかもしれません。 しかしながら、2017年に会社法が施行され、所定の手続を経て定款に定めることで利用できる新しい制度等が増えたこともあって、昨今、その重要性...

00386_TOBに最後まで反対する株主が残存した場合の対処法

会社法は、例えば取締役を選任する場合や新たに株式を発行する場合など、会社における基本的な事項を決めたり変更したりする場合には、一部の例外を除き、議決権の過半数をもって決することとしています(資本多数決の原則)。 もちろん、反対する株主であっても、一度、多数決が採られた以上、これに従わなければなりません。 しかしながら、...

00383_取締役をクビにする場合の具体的手法

会社の従業員を会社の都合で一方的に解雇することは労働契約法をはじめとする法令等により禁じられており、解雇にはそれを正当化するような合理的な理由が必要です。 同様に、いくら「会社役員」といっても、取締役だって会社から報酬を支給されているわけですから、合理的な理由もなく一方的に辞めさせること(解任)はできないように思われま...

00318_「内部通報者」が「外部通報者」に豹変するリスク

公益通報者保護法は、公益目的で企業内部の非違行為を外部公表した従業員(公益通報者)を企業が不当に解雇することを禁じています。 この法律は、公益通報者を企業の報復的な解雇から保護することにより、従業員等が、解雇などの不利益を恐れずに企業の内部の不正等を通報することを可能としていますが、この法制度により、企業内で発生した問...

00310_反社会的勢力にまとわりつかれた状況における、企業ないし取締役個人としての対処法

ある株式公開企業が反社会的勢力により「株付け」され、これをきっかけとして、総会対策名目で接点を作ってしまい、その後は、「指示に従わないと生命に関わる脅威」をちらつかせ、言うなりになるよう、恐喝が始まったケースを考えます。 そもそも、企業が株式を公開している以上、自社株式が誰の手に渡ろうが、会社にとっては無関係な話です。...

00309_総会屋の撃退に失敗したことが企業危機に発展した事例:蛇の目ミシン事件

ある仕手集団が88年から90年にかけて蛇の目ミシン工業株式を買い占め、同社の経営陣(当時)に対して高値引き取りを要求し、融資名目で約300億円を脅し取ったり、蛇の目ミシンに子会社の債務保証をさせる等した事件が発生しました。 仕手集団元代表自身は恐喝等の罪で懲役7年の実刑判決が確定しましたが、その後、「この事件が原因で会...