00369_職務発明制度

特許を受ける権利は、発明を自ら行った者(発明者)に与えられるのが原則であり、法人は発明者にはなり得ないとされています。 したがって、当該発明を自ら行った者が特許申請を行い、特許権を取得するのが通常です。 しかしながら、発明はその技術が高度であればあるほど多大な費用が必要となります。 そして、通常、企業などに所属する従業...

00340_個人情報保護法の制定背景:努力指針から法的義務へ

一昔前であれば、個人情報の保護など全く意識されず、各種学校の名簿なんかがごく普通に名簿業者に売買されていました。 会社の従業員も、カネに困ったら、小遣い稼ぎのために会社の顧客名簿を売りさばき、バレたところで、ちょっとお叱りを受ける程度で済んだ牧歌的な時代もありました。 しかし、高度情報化社会が到来した現代にでは、各種企...

00312_「特許を受ける権利」と「発明者」

「特許を受ける権利」すなわち、特許を出願し、特許権の付与を受けることができる者は、特許法上、「産業上利用することができる発明をした者」すなわち「発明者」であるとされています(特許法29条柱書)。 しかしながら、「発明者」とはどのような者を指すかについては明文の規定が存在しません。 学説上は、まず「発明」を「自然法則を利...

00296_「世界万国で通用する国際特許権」などという代物は存在しない

飲み屋等でよく、「ウチの特許は国際特許だぞ」などということを自慢気に語る中小企業の社長さんがいらっしゃいますが、「世界万国で通用する特許権」などという代物は存在しません。 そもそも、特許権については当該権利が取得された国の領域内においてしかその効力が認められません。 すなわち、ある国で取得された特許権は、登録等を行って...

00239_著作者人格権:著作物を買った人間は、カネを払った以上、煮るなり焼くなり、いじくり回したり、落書きしたり、やりたい放題できるか?

資本主義社会においては、カネを持ってるヤツ、カネを出したヤツが一番エラい、というのがシンプルなルールです。 貧乏な芸術家に、シビれるくらいの大金を出して、絵画や彫刻を依頼して、作品の制作を委託した。カネに困っていた芸術家は、欣喜雀躍して、ひれ伏せんばかりに、制作を快諾した。 では、制作を委託した側は、出来上がった絵画や...

00238_知的財産権のデフォルトルール:権利は、誰のもの? 作った人? カネを出したスポンサー?

大工さんに家を造ってもらった場合、お金を払えば、当然ながら、出来上がった家は施主の所有となります。 「出来上がった家の所有権は代金支払と同時に施主に移転する」みたいなアホな条項を逐一契約書に記載する必要もありませんし、そんな当たり前なことが契約書に書かれていないことを盾にとって、大工さんが、「施主がこの家の所有者だなん...