02192_「私的整理か法的整理か」の二択ではない。両方を同時に動かすのが再建の定石
「裁判所の再生手続を使えば最後は助かる」。 裁判所を使わず、金融機関や取引先との交渉に固執する会社は少なくありません。 しかし、資金が尽いた時点で再生手続に入っても、条件はすでに大きく劣化しています。 取引先は離れ、スポンサー候補は動かず、事業価値は下がり、条件は一気に不利になります。 選択肢は大幅に狭まるどころか、消...
「裁判所の再生手続を使えば最後は助かる」。 裁判所を使わず、金融機関や取引先との交渉に固執する会社は少なくありません。 しかし、資金が尽いた時点で再生手続に入っても、条件はすでに大きく劣化しています。 取引先は離れ、スポンサー候補は動かず、事業価値は下がり、条件は一気に不利になります。 選択肢は大幅に狭まるどころか、消...
「もう少し頑張れる」。 この言葉ほど危険な判断はありません。 経営の現場で使われるとき、それはすでに遅れている兆候です。 再生において最大の敵は、遅延です。 資金が尽きる直前では、スポンサー探索も事業譲渡も分社化も消えます。 選択肢は机上から消え、資金繰りに追われるだけになります。 だからこそ、基準を決めておくことが不...
倒産が目前に迫った会社では、会社の命運を左右する「ガバナンス」を誰が握るかが重要になります。 そのために、相手へのけん制として弁護士を募ることは、一手として非常に有効です。 ここでいう「相手」とは、単に会社を狙う外部の第三者だけではありません。 たとえば、企業価値が落ちたタイミングで買収を狙う投資ファンドや競合企業など...
任意整理は法律には載っていないので、場所はホテルのロビーでも銀行でも弁護士会の会議室でも構いません。 話の折り合いがつけば、電話でも大丈夫です。 ただ、やはり交渉ごとなので、お互い立場を譲らず、話をぶつけうだけでうまくまとまらない場合もありえます。 そんなときは、仲介役がいたり、それなりの舞台装置があったりしたほうがう...
任意整理は「債務の減免」を狙う場合や担保不動産処理を行う際に取られる手段です。 任意整理には、元本が減る、利息が減るなどさまざまなメニューがあります。 リスケとの違いは、時間をいじる(返済額は変わらないが、返済期間だけ先延ばしする)だけでなく、額や担保等をいじらないとどうしょうもない場合、任意整理が検討されます。 平た...
リスケジュール(リスケ)は、「借金の返済のタイミングや返済計画そのものを見直す」という方法です。 リスケとは、いわば、 「ちょいタンマ(Time out=待って)」といった趣きで時間猶予を求めるリクエストです。 なぜこんなことができるのかというと、銀行は破産されるくらいだったら無理のない計画に引き直して返済してもらった...
イグジットの決定及び利害関係者の動向が確認できた次の段階では、具体的にいかなる手続を選択するかについての検討を行います。 一般的に、抵当権等の担保権が事業継続に不可欠な資産に設定されている場合や、公租公課の滞納状況が多額の場合には、私的整理や民事再生の選択は困難となりますが、専門家と具体的客観的データをもとに検討を実施...
1 従業員 退職をしてもらうのであれば、退職金が必要となり、残ってもらうのであれば、今後の給与カットや、リストラ後の労働量の増加などについて、理解を得る必要があります。 再建を目指すのであれば、さらに、残ってもらいたい人材が誰であるのか、残ってくれるのか否か、残ってもらうためにはどのようなコストが具体的に必要となるのか...
企業の倒産・再生という事態に至る前段階ないし事態に直面した段階においては、いかなるイグジット(出口)を目指すのかという、おおまかな戦略を決定してから、その戦略に適合する企画を立案していく必要があります。 目指すべきイグジットを客観的な事実を前提として決断しないまま、その場凌ぎの融資を受け続けることは、会社及びその保証人...
本ケーススタディーは、事例及び解説の概要・骨子に限定して要約・再構成したものです。詳細をご覧になりたい方は、「会社法務A2Z」誌 2017年7月号(6月24日発売号)に掲載されました連載ケース・スタディー「鐵丸先生の 生兵法務(なまびょうほうむ)は大怪我のもと!」百の巻(第100回)「破産のどさくさに紛れて、再建資金を...