01098_経営政策・法務戦略構築フェーズ>法務活動・フェーズ2>経営サポート法務(フェーズ2A)>(2)法務の登場と発展の経緯その2
前世紀においてもそれなりに企業不祥事が発生しその度に大々的に報道されていましたが、「コンプライアンス」という言葉が取り沙汰されることはありませんでした。 これは、護送船団行政と関係があります。 すなわち、20世紀の時代、企業にとっては、監督官庁こそが、法制定者であり、法執行者であり、紛争解決機関であり、神様であったので...
前世紀においてもそれなりに企業不祥事が発生しその度に大々的に報道されていましたが、「コンプライアンス」という言葉が取り沙汰されることはありませんでした。 これは、護送船団行政と関係があります。 すなわち、20世紀の時代、企業にとっては、監督官庁こそが、法制定者であり、法執行者であり、紛争解決機関であり、神様であったので...
コンプライアンスという言葉がありますが、21世紀に入って降って湧いたように登場し、その後、事あるごとに使われるようになってきた法務活動における重要なキーワードです。 「コンプライアンス」とは日本語に訳すと「法令遵守」という意味になりますが、法令を守るのはある意味当たり前といえば当たり前です。 ここで、「何故、法令遵守を...
経営サポート法務(あるいは意思決定支援法務、企画法務、提言法務ないし提案法務)とは、企業経営上の重要な意思決定における立案・審議(経営政策や経営意思決定や重要な事業企画の立案・審議)に参加し、企業の意思形成過程に関わる法律業務を指します。 すなわち、経営政策や経営意思決定、重要な事業企画の立案に際して、法的知見を提供し...
最後に、英米法(コモンロー)体系の国によっては、弁護士が依頼者から預かった文書についての絶対的な保秘権(attorney-client privilege)を有している場合があり、当該国で紛議に巻き込まれた場合、文書の保秘という点において絶大な威力を発揮します。 この点において、重要な文書は信用できる現地弁護士の保管と...
企業によっては、英文を取り扱うところもありますが、一般に英文契約等は、そのままの状態で管理される場合がほとんどです。 無論、担当者が英語に堪能であれば特段問題はありません。 しかし、後任者や上司・担当役員等の英語読解力に難があったりすると、契約問題が発生した場合など、社内でのスピーディーなコミュニケーションや対策検討の...
文書に関しては、作成意思を明確にするため、押印が必要な場合があります。 この点、中小企業等で全ての押印を実印(登録印)で処理するところもあるようですが、契約書に押印すべき印鑑には法律上特段規制がなく(偽造等が争われる民事訴訟の場面では立証課題に差が出てきますが)、実印を用いて印影を明かすことにより偽造等のリスクも出てき...
文書の保存期間を定めるにあたっては、利用可能性を完全に喪失した時期を基準にすべきです。 一般に税務上の時効を基準として文書保存期間を定める企業が多いようですが、例えば不法行為の消滅時効の最も長い期間は不法行為時から20年にも及びます。 したがって、処分証書や重要な報告証書は、税務上の時効に基づき形式的に保存期間を定める...
なお、文書の種類についてですが、法律の世界で重要な分類は、1 原本か写しか、2 処分証書か報告証書か、という点です。 裁判手続における適式な証拠とは原則として原本を指し、写し(コピー)については記載された事実を立証するための証拠として信用性がないものとして扱われるリスクがあります。 その意味では、原本と写しとは明確に区...
まず、企業活動を記録する文書は、体裁面で適正なものでなければなりませんが、手形や議事録など法律上形式が定まっているものを除き、5W2H(When, Who, Where, What, Why, How, and How much)に従って、事態を客観的に示したものであれば、企業にとって簡便な体裁を採用して差し支えありま...
文書の整理・体系化・管理も企業活動の重要な業務の1つです。 何か事件が発生し、企業が自己の立場の正当性を主張立証しなければならない場合、司法・行政の別を問わず、およそ公的手続といわれる場においては、文書こそがモノをいいます。 例えば、体裁も多様で、時系列もバラバラで、記録としての即時性も継続性も一貫性もなく、保管場所も...