02133_感情ではなく事実を語れ―当事者が語ってはいけないこと

裁判というと、自分の思いのたけを語る場所だと思っている方は少なくありません。 「私はこんなに苦しんだ」「相手は本当にひどいことをした」「正義は自分にある」そうした強い気持ちを、裁判官の前でしっかり伝えたい、というのは、ごく自然な感情です。 けれども、こと民事裁判においては、そうした「思い」や「感情」を正面からぶつけるこ...

02130_裁判所の「時間との闘い」と、弁護士が選んだ90秒の戦略

裁判所という場所は、想像以上に時間との闘いの真っ只中にあります。 どの法廷でも、朝から晩まで事件がびっしりと詰め込まれており、1件あたりに割り当てられる時間は本当にわずかです。 たとえば、ある民事事件の弁論期日では、午前10時から10分刻みで事件が組まれていくことも珍しくありません。 10時00分、10時10分、10時...

02061_企業法務ケーススタディ:裁判官は神様ですか?

法律の世界において、 ・裁判官は、我々の味方でも相手の味方でもなく、コントロールできない「ジョーカー」のような存在です。 ・裁判官は、事件に関し、独裁権力を有している状況ですが、他方で、上訴によってさらなる別の上位の独裁権力のレビューにさらされる可能性もあるため、孤独な独裁者としてのストレスを抱えています。 ・裁判所と...

02021_裁判官にも個性がある?変わった裁判官の話(教えて!鐵丸先生Vol. 29)

<事例/質問>  裁判官というと、みなさん、だいたい同じように真面目でしっかりしていて、コンサバなイメージですが、プロの弁護士としてご覧になっていて変わった裁判官とか理解に苦しむような裁判官っているのですか? <鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南> 裁判官といえば、真面目で堅実なイメージがありますが、実際...

00995_企業法務ケーススタディ(No.0315):非常識な裁判官をクビにしろ!  記者会見で圧力をかけてやれ!

本ケーススタディーは、事例及び解説の概要・骨子に限定して要約・再構成したものです。詳細をご覧になりたい方は、「会社法務A2Z」誌 2016年6月号(5月25日発売号)に掲載されました連載ケース・スタディー「鐵丸先生の 生兵法務(なまびょうほうむ)は大怪我のもと!」八十七の巻(第87回)「非常識な裁判官をクビにしろ!  ...

00790_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する21:裁判所は「気まぐれな神様」

官舎にひっそりと住み、飲みに行くときも周囲に気を使い、ストレス解消で気ままにハジケルことすら自粛する。 そんなおカタい公務員かと思えば、憲法上「自分の良心にさえしたがっていれば、仕事の上で何をやらかしてもよろしい」と絶対的覇権的権力を完全な自由裁量で行使する自由が保障された独裁者で、たまに社会常識に反する無茶苦茶なこと...

00782_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する13:裁判所における事件処理の実体(11)裁判官の頭脳の中の「常識」

「裁判官の頭脳の中に存在する特殊な常識や考え方」がひどいとか、矯正が必要とか、という話はあるでしょう。 実際、そういう話は、主に敗訴した側の当事者や代理人弁護士からよく聞かれます。 しかし、前記思考ロジックは、不愉快であっても間違っているとまでは言えませんし、ましてや、ゲームの勝敗を決定する権限を有するジャッジの思考な...

00781_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する12:裁判所における事件処理の実体(10)裁判官の大好きな言葉は「自己責任」「因果応報」「自業自得」

保佐や後見の処置をしていない認知に問題のあるおばあさんが1億円のリフォームを発注し、契約書が締結され、リフォームの工事が完成し代金が支払われたとします。 この場合、社会常識からすると、当該発注はおばあさんの意志ではなく、明らかに業者の詐欺です。 ですが、裁判官を支配する合理的法律人仮説によると、 「人は、中味を読まずに...

00780_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する11:裁判所における事件処理の実体(9)合理的法律人仮説

裁判官としては、判決を下す上で必要かつ十分な情報と、「その情報の合理性を基礎づける背景事情」とを、早い段階で欲しています。 ところで、「その情報の合理性を基礎づける背景事情」における「合理性」というものですが、これは世間一般の皆さんが有する「社会常識」や「道義」といったものとは全く異なるものです。 社会常識とは完全に異...

00779_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する10:裁判所における事件処理の実体(8)「お客様は神様」「裁判官こそがお客様」

弁護士にとって本件解決のキーマンは裁判所であり、裁判所という「お客様」をいかにこちら側に引き寄せるか、ということが活動のポイントになります。 優秀な弁護士であるほど、裁判とは「裁判官を、ターゲット・カスタマーとして、『自己の事案認識』という商品を売り込むマーケティング活動である」ことを知っています。 裁判所の好むロジッ...