00812_企業人としての業務スキル6:整理する

23年も弁護士をやっていると、倒産する会社にはどの会社にも共通するある一定の特徴が見えてきます。 倒産する会社は、どの会社も「整理」というものがまったくできていない、ということです。 倒産間際の会社の社長に書類の在り処をきくと、帳簿も決算書も手形帳も社長室のキャビネットにつっこんであり、順序もヘッタクレもなく、ぐちゃぐ...

00811_企業人としての業務スキル5:段取りを組む、実施する

1 段取り上手と段取り下手 企画やプロジェクトの実施・実現を任せてみると、「要領よくプロジェクトを完成させる人間」と「無駄な時間やエネルギーを費やした揚句、最後は中途半端な未完成状態に終わり、できなかったことの弁解を考えはじめる人間」の2つのタイプに分かれます。 無論、前者は上司の信用を得て出世して行き、時を置かずして...

00810_企業人としての業務スキル4:企画する、創作する、アイデアを考え出す

「下手な考え休みに似たり」という言葉を聞いたことがある方が多いと思いますが、これは誤用であり、「下手“の”考え休むに似たり」というのが本来の諺のようです。 すなわち、上記の諺は、一般的に誤解されている「つまんない考えを巡らすぐらいなら休んでいた方がマシ」という意味ではなく、「囲碁や将棋が下手な癖に一人前に長考する癖のあ...

00809_企業人としての業務スキル3:報連相(3)相談する

日常用語で相談というと、悩みがあったり、混乱してわからないことが発生した場合、親や先生に丹念に話を聞いてもらいつつ、解決案を出してもらう、というのが一般です。 しかしながら、ビジネスの「ホウレンソウ」における「相談」というのは、「夏休み子ども相談室」の相談のように「小学生の抱えた悩みをやさしく解決してくれる」という穏や...

00808_企業人としての業務スキル2:報連相(2)連絡する

仕事の基本である「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」の連絡についてです。 1 報告と連絡の違い 仕事において行うべき連絡についてですが、「連絡と報告の違いがわからない」などとよく言われます。 これは私なりの区別ですが、報告とは「過去に発生した事実や発生しつつある経過を、上司の指揮命令や報告義務に基づいて行うもの」であり...

00807_企業人としての業務スキル1:報連相(1)報告する

仕事を行う上では、「ホウレンソー」が大事だ、とよくいわれます。 報告・連絡・相談の頭の一文字をとって、報(ホウ)・連(レン)・相(ソー)というわけです。 1 報告の前提としての正確で客観的な状況認識 報告というと、「そんなの簡単。バカでもできんじゃん」とか言われそうですが、プロのビジネスマンとして行う「報告」は、フツー...

00806_企業の安全保障において「文書」が決定的武器になる理由

人も企業も、ルールやモラルや信義には従いません。 気にはしますが。 人や企業が従うのは、本能であり、欲です。 どんな立派な修行を積んだ人間でも、欲や本能には勝てません。 企業の本能は、営利の追及、金儲けです。 会社法の教科書の冒頭に会社は営利追及を目的とした社団法人(営利社団法人性)がその本質である、と書いてあるとおり...

00805_事業承継の実施前提としての課題

1 事業承継とは 事業承継とは、事業を後継の者に引き継ぐことですが、同族企業(株式非公開会社)におけるビジネステーマとして、最近、取り沙汰されるようになってきました。 事業承継がホットな話題になってきた理由としては、いわゆる団塊の世代の方々がリタイア時期を迎えるようになったからだと言われています。 すなわち、第二次世界...

00804_文書内容管理としてのストーリー制御

法務文書には、事実立証能力が具備されていなければいけません。 法務文書は、「日本昔話型文書(内容デタラメ、体裁いい加減、5W2H欠如、肝心な要素が欠落した文書で、「昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんがいた」という日本昔話の出だしのような、何時のことか、何処のことか、氏名は何か、といった重要な要素がすべて欠落した...