01537_企業経営においては「起死回生の一発逆転」というのは皆無に等しい
スポーツもののドラマやヒーロー物を見ていると、主人公が起死回生の秘策を編み出し、土壇場で一発逆転を行うシーンが見られます。 しかし、これはあくまで虚構の世界の話であって、ビジネスの世界ではこのような起死回生の一発逆転劇というのはあり得ません。 破綻間近の企業が無理をして行うその種のプロジェクトは、経験値の無さがわざわい...
スポーツもののドラマやヒーロー物を見ていると、主人公が起死回生の秘策を編み出し、土壇場で一発逆転を行うシーンが見られます。 しかし、これはあくまで虚構の世界の話であって、ビジネスの世界ではこのような起死回生の一発逆転劇というのはあり得ません。 破綻間近の企業が無理をして行うその種のプロジェクトは、経験値の無さがわざわい...
最後に、妙な外来語や専門用語や突如企業に舞い込むケースとして、節税商品あるいは節税スキームというものも想定されます。 数年前、興行用の映画フィルムを使った節税商品など、民事組合のパススルーシステム(組合の損金を直接自己の損金として計上できる)を利用して、「損金を買う」仕組の商品が流行ったことがあります。 映画フィルム以...
このほか、企業において妙な外来語が飛び交う状況と言えば、その会社が、妙な余剰資金運用をしようとしているときも考えられます。 「デリバティブ」「クーポンスワップ」「ヘッジ取引」「モーゲージ債」「ハイイールドボンド」「サブプライムローン」「SPC」などといった耳慣れないコトバを社長や財務担当者が口にするようになったとき、会...
まず、パターンとしてあるのが、M&A話です。 やぼったいマルドメ(まるでドメスティック)企業の社長が、突如、「デューディリ(デューディリジェンス)」「DIPファイナンス」「プレゼントバリュー」「DCF」「EBITDA」「EBITDAマルチプル」「シナジー」「PMI(ポストマージャーインテグレーション)」なんて言葉を使い...
弁護士として、こういう光景に出くわすときがあります。 業種は国内で比較的地味な低成長産業分野で、社長も留学経験も国際ビジネス経験もないにもかかわらず、突如、妙な外来語を話し出し、また、それがとってつけたような話で、本質を理解しておらず、どこか地に足がついていないような印象を受ける。 そんなときは、企業はたいてい危険な徴...
流通業も再編合理化の大きな嵐が今後吹き荒れることが予想される業界です。 「きちんとした役割や付加価値を提供するわけでもなく、意味もなく流通経路に居座り口銭をはじいているだけの問屋業態」などは、突然淘汰される危険性が高いと思われます。 「そうは問屋が卸さない」という諺があります。 江戸時代の服飾流通業界においては、呉服問...
「○○御用達」というものが商人のブランドの一つを形成してきたことからも判るように、「役所から仕事をもらえる」ということは商売人にとって一種のステータスとなっていました。 発注者の予算が無制限であることもあり、どことなく「役所と取引があるということは企業の安定の証」という考え方があったように思われます。 しかしながら、「...
中小企業などで、「ウチは一部上場企業の□□社が上得意だ」「当社は世界展開している○○社の取引口座を持っている」「わが社は、△△社の系列だ」などと自慢するところがあります。 いずれも、大きな会社が主要取引先であり、「よらば大樹の蔭」という諺のとおり、「そこに依存している限り、我々も倒れないから安心できる、ということを自慢...
「古くからの取引先を大事にする」のは結構ですが、この種の情実が保証や信用供与に及ぶと大変危険な徴候となって現れます。 中小企業の倒産原因で多いのは、連帯保証や過剰な信用供与によるものです。 一般に「困ったときはお互いさま」といわれます。 しかし、ビジネスでは、「感情」と「勘定」は峻別すべきであり、特に、「かわいそうだか...
環境が激変する時代においては、企業は、生き残りのための変革を行い、環境適応しなければなりません。 変革をして環境適応する際には、必ず、新しい事業を興し、新しい市場に参入し、新しい関係構築がついてまわります。 逆に考えますと、会社の取引相手が古くからの会社に固定化されており、長期間変わり映えしない、という状況は、新しい人...