01754_法定文書の法定保存年限管理

企業活動を展開する中で、実に様々な文書が発生します。 メモや走り書きの類から、定款や株主総会議事録のような重要文書まで、その重要性も様々ですが、管理上頭を悩ませるのは、保存期間の管理です。 もちろん、無限の保管スペースがあれば、文書という文書をすべからく管理しておけばいいのですが、企業活動から生じる尋常ではないボリュー...

01753_ネットで誹謗中傷され、相手は判明しています。訴訟を進めていく上で、裁判所がどのような対応をするのか、今後行うゲームのロジックやルールや展開予測として知っておきたいと思います。「ネットでみられる勇ましい弁護士さんのセールストーク的なもの」とは違う、「客観性のある有益な資料」はありますか?

「ネットで誹謗中傷され、相手は判明しています」ということですので、相手は正々堂々と素性を明らかにして名誉毀損しているか、発信者情報開示をめぐる面倒くさい「索敵」プロセスが終了し、ようやく決戦に挑める状況構築まで完了した、ということです。 その上で、「訴訟を進めていく上で、裁判所がどのような対応をするのか、展開予測として...

01752_ネットやSNSでの誹謗中傷への対抗策として「対抗言論」というものを聞きましたが、これはどのようなものでしょうか?また、「対抗言論の法理」とはどのようなものでしょうか?

「対抗言論」とは、何者かが表現活動を仕掛けてきて、自らの社会的評価や経済的信用が毀損したような場合、評価や信用の低下を避け、あるいは評価や信用の回復を図ることを目的とした、相手方への反論等の表現活動です。 わかりやすい言葉で言えば、「やられたら(裁判所に泣きつく前に、自分で)やり返す」「言われたら言い返す」という趣旨の...

01751_ネット上やSNS上に、自社商品やサービスに悪い評価を掲載されましたが、何か対抗策はありますか?

日本には表現の自由が保障されております(憲法21条)ので、見解や意見を表明することは自由です。 ネット上の悪評価も表明された見解ないし意見の1つであり、これも表現の自由として法的に保護されています。 他者を褒めるような表現であれば、何も、憲法でわざわざ人権で保障する意味は乏しいです。 むしろ、憲法で保障される意味がある...

01750_当社製品への不買運動が発生しましたが、広報担当としてどうすればいいですか?

不買運動は、まったくの事実無根の場合、事実に基づく場合、さらには、「事実に基づくものの、偏見や誇張をふまえて全体として事実とは異なるようなものとなって独り歩きしているような場合」まで多様なものがあります。 まったくの事実無根の誹謗中傷があるならば、名誉棄損による損害賠償等、法的措置で対抗することが考えられます。 また、...

01749_どのような場合に謝罪広告を掲載しなければなりませんか、また自社サイト上への謝罪文はいつまで掲載すべきですか?

誹謗、中傷的表現を受けたとして被害者から裁判を提起され、人格権侵害行為(不法行為)に基づく民事責任の追及の一環として、謝罪広告の掲載を求められ、裁判所がこれを認容する場合、民法723条の「適当な処分」として、訂正・謝罪を命じる場合があります。 裁判所の命令に従うような状況ではなく、任意にかつ自主的に謝罪広告を出す場合(...

01748_社長の談話やインタビュー等に応じる際、社長室から「著名人の言葉を引用したい」という話が浮上しておりますが、法的なリスクを回避する上で何か注意点はありますか?

まず、他者の発言一般が著作物となることはなく、表現が際立ってユニークで、それ自体著作物となるような、かなり特殊なものだけが問題になります。 ありふれたものや、短いフレーズ、当該発言を著作物として著作権を成立させることで、あまりに弊害が大きいような場合(表現行為に対する制約の度合いが激しく、思想表現等の営みにまつわる社会...

01747_他社製品と自社製品の比較をする宣伝広告(比較広告)が法的に禁止されていると聞いたことがありますが、本当でしょうか?もし、比較広告が出来るとした場合、どういう点に注意をしておけばよいでしょうか?

景品表示法第5条は、1 自己の供給する商品・サービスの内容や取引条件について、2 競争事業者のものよりも、著しく優良又は有利であると、3 一般消費者に誤認される表示などを禁止しています(不当表示)。 これを反語的に解釈すれば、競争事業者の商品・サービスとの比較そのものについて広く一般的に禁止し、制限するものではありませ...

01746_宣伝広告上、競合他社の信用を害する表現を行った場合、どんな法的リスクを発生させるでしょうか?

法的リスクとしては、民事上の責任と、刑事上の責任があります。 1 刑事上の責任 刑事上の責任としては、名誉毀損罪や信用毀損罪が検討されますが、よほどひどい表現でもなければ、実際犯罪が成立するまでもないと判断されたり(可罰的違法性がない)する可能性も高いですし、また、そもそも広告出稿上の障害により、不特定多数に広告表現が...