00705_契約書のチェックの段取りと実務その2:巨額の取引でも口約束で行われることがある

例えば、コンビニエンスストアに行っておにぎり1個を100円で買いにいったとしましょう。 その際、「売主を甲、買主を乙とし、売主は、買主に対して、本日、別紙明細・仕様にかかるおにぎり1個を100円にて売渡す。・・・」という契約書を持参していき、「この契約書に逐一署名押印しないと、まともな契約処理とはいえず、コンプライアン...

00704_契約書のチェックの段取りと実務その1:「契約書」はなくとも「契約」は成立する

法務部においては、「契約書のチェック」という業務カテゴリーが非常に重要なものと考えられています。 しかしながら、「契約書のチェック」とは、一体、何を目的として、どのような段取りで、どのようにすすめていけばいいのか、法務担当者も、あるいは、顧問弁護士も今ひとつ理解されないまま、すすめられているような実情があるような気がし...

00701_契約書のスタイル今昔:ジャパニーズ・クラシカル・スタイルvs.アングロサクソン・スタイル

企業法務において作成される契約書のスタイルにもトレンドがあります。 1 ジャパニーズ・クラシカル・スタイルvs.アングロサクソン・スタイル 昭和時代、平成初期のころは、産業界が大きなムラ社会で、阿吽の呼吸で形成される自生的秩序があり、細かいことをガタガタ・グチャグチャ言わずとも、たいていの紛争は円満に解決できました。 ...

00639_“げに恐ろしきは法律かな”その2-2:「法律」は日本語ではない(2)

大学等で民法を学ぶと、かなり最初の方に勉強する、94条「虚偽表示」という条文があります。かつては、通謀虚偽表示といわれた条文でしたが、通謀性が欠如する虚偽表示をも取り込む趣旨から、最近では、「通謀」が取れて、単に「虚偽表示」と呼ばれるようになった条文です(私個人としては、「相手方と通じてした」という文言が入っている以上...

00636_“げに恐ろしきは法律かな”その1:法は非常識である(「法」と「倫理(道徳)」は別物である)

いわれてみれば当たり前のことですが、「法律」は、「道徳」や「常識」や「倫理」とは別物です。 ちょっとした違いどころか、まったく違う、まったくの別物です。 これは、「法律」の意味内容と、 「道徳」や「常識」や「倫理」 がズレることを意味します。 さらにいえば、法律が「健全な道徳」に反する帰結をもたらしたり、非常識な結果を...

00628_法的文書を受領した場合の認知・解釈手順

法的文書(ここでは、契約書に限らず、法的な意味内容を記した文書や法的な意義や価値や効果を含む事実関係を記した文章、要するに、漢字が多く、堅苦しい文体で、一読して何を意味しているか理解しがたいような読解難易度が高い文章が書かれたもの、を総称します)を目の前にした場合、企業ないし企業法務部署において、どう対応していいかわか...

00607_企業法務ケーススタディ(No.0202):契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?

本ケーススタディの詳細は、日経BizGate誌上に連載しました 経営トップのための”法律オンチ”脱却講座 シリーズのケース9:契約書にハンコ押さなきゃ、どんなにデカい取引もドタキャンし放題!?をご覧ください。 相談者プロフィール:株式会社ネプチューンレジャーグループ 代表取締役社長 名黒 純(な...

00598_内部統制・コンプライアンスを進める上でのリスクの発見・特定の重要性:「法的リスク」を正しく知ることができないから管理ができない。管理できないリスクは必ず発生し、巨大化する。

企業不祥事の多くは、「法的リスクを、内容やその重大さや発生の蓋然性を、完全かつ正確に認識しながら、そのリスク管理に失敗して、大きなトラブルに発展した」という経過を辿るわけではありません。 企業不祥事の大半は、「法令やリスクの存在をそもそも知らなかったり、あるいは知ったかぶりや楽観バイアスが働いて正しく知ることができなか...

00591_企業法務ケーススタディ(No.0199):トップの公私混同取引が発覚した!

本ケーススタディの詳細は、日経BizGate誌上に連載しました 経営トップのための”法律オンチ”脱却講座 シリーズのケース6:トップの公私混同取引が発覚した!をご覧ください。 相談者プロフィール:株式会社コンドー商事 代表取締役 甲子 昆堂(こうし こんどう、84歳) 相談概要:家電量販店をチェ...

00585_英文契約書のドラフトを受け取った場合の認知・解釈課題の対処手順

英文契約書のドラフトを受け取った場合、企業ないし企業法務部において、どう対応していいかわからない、という悩みをもつ状況が生じることがあります。 特に、海外法務の経験がない、あるいは、海外法務については、深く考えず、見よう見まねと、知ったかぶりで法務対応をしてこれまでやり過ごしてきた、といった方々にとっては、不安と悩みの...