00507_取締役の競業避止義務

株式会社の取締役は、会社との間で委任関係に立ち(会社法330条)、会社に対して“善良な管理者の注意義務(善管注意義務)”(民法644条)および忠実義務(会社法355条)を負っています。 これは、簡単にいうと、「会社は、取締役を信頼して会社の業務執行を任せているんだから、一切の私心を抱かず、誠心誠意、会社の利益のため、犬...

00462_株主総会の意味と位置づけ

そもそも、株主総会というものは、株式会社の基本的な方針や重要な事項について議論して決定する会社の機関の1つであり、会社の実質的な“持ち主”である株主によって運営される会議体組織です。 株主が会社の“持ち主”である以上、会社に関することは、全て株主総会で議論して決定するべきとも考えられますが、実際には、多人数に及ぶことが...

00308_株主の権利の行使に関する利益供与罪

日本の企業社会では古くからの悪習として、株主総会の進行の補助や妨害を行わないことの見返りとして金品を要求する特定の筋の方々(いわゆる総会屋。法曹業界用語では「特殊株主」などといいます)に対する利益供与が繰り返されておりました。 この悪習は、「自社の体面を保ち、株主総会をトラブルなく済ませたい」という経営者側の意向と、「...

00261_「法人格」による個人責任遮断効果

一般社会では、人というと、ホモ・サピエンスとして分類される有機的生命体を指しますが、「法人」というのは、グループ(社団法人)や財産プール(財団法人)に過ぎず、現実には影も形もないものです。 すなわち、法律の世界では、生物としての実体も影も形もないものであっても、「財産や負債を格納できる入れ物」が存在し、そこに権利を移転...

00064_企業法務ケーススタディ(No.0021):財務報告に係る内部統制報告制度(J-SOX)の導入

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール:株式会社ヒコマロン 原 義彦(はら よしひこ、41歳) 相談内容:鐵丸先生、どーもー。お蔭さまで、我が社洋菓子が好調で、株式公開準備も佳境に入って参りました。とはいえ、先日、監査法人から「内部統制しっか...