02123_法律の解釈は、立場によって変わる—経営の判断軸をぶらさないために
ビジネスの世界では、どの選択肢を取るかによって、同じ法律でも解釈が変わります。 これは、商売の値付けの考え方に似ています。 たとえば、老舗の製造業が新商品を開発し、価格を決めようとしているとしましょう。 営業部門は、「まずは市場に出しやすい低価格で勝負すべきだ」と考えます。 一方、財務部門は、「利益率を確保するために、...
ビジネスの世界では、どの選択肢を取るかによって、同じ法律でも解釈が変わります。 これは、商売の値付けの考え方に似ています。 たとえば、老舗の製造業が新商品を開発し、価格を決めようとしているとしましょう。 営業部門は、「まずは市場に出しやすい低価格で勝負すべきだ」と考えます。 一方、財務部門は、「利益率を確保するために、...
株式公開というものはかつて企業経営者にとってゴールでもあり、夢でもあったのですが、前述のとおり、最近では、株式公開にまつわる多くの負担やリスクもあり、一旦株式を公開したものの、再び株式非公開企業に戻るという行動に出る企業が登場するようになりました。 株式公開企業が非公開企業になるためには、すでに流通している株式を株式公...
全部取得条項付種類株式を支配用途において究極的に応用した例として、スクイーズアウト(少数派株主排除戦略)と呼ばれるものがあります。 例えば、上場企業が、MBO(マネジメント・バイアウト)によってゴーイングプライベイト(株式非公開化)を行う場合、TOB(株式公開買付け)によって市場に流通する株式を買い集めていくことになり...
会社法108条1項各号に基づき株式会社が発行する特殊な株式で、剰余金の配当その他の権利内容が異なるものをいいます。 一般に会社が株式を発行するのは、ファイナンス(資金調達)を日的とする場合が想定されます。 しかしながら、会社法においては、会社経営陣が支配を強化したり、会社経営にとって好ましくない(あくまで経営陣からみて...
創業社長が一代で大きくしてきた非公開の中小企業等では、創業社長が引退した後、承継に非常に苦労するなどといわれています。 他方、会社法は、非公開会社に柔軟な統治形態を認めており、「後継問題に頭を痛めるオーナー企業のワンマン社長」にとっては、会社法の規定を柔軟に活用して、承継対策に利用することが可能です。 運営管理コード:...
会社法は、株式会社が、どのような形態で意思決定や業務遂行を行うか(会社において意思決定や決定された意思内容を遂行する者や会議体のことを「機関」といいます)について、会社の自由な設計に委ねています(機関設計の自由化)。 会社法で認められている株式会社において採用可能な機関形態は、39種類あるといわれています。 今後、機関...
資本を募って、組織を作り、営利活動をする場合、株式会社を設立するというのが最も一般的な方法です。 しかし、有限責任や法人格や二重課税の防止という点を併せ考えるのであれば、株式会社以外のビジネス組織を検討することが有益となる場合があります。 すなわち、新規のビジネスを単独であるいは他の企業等と共同して開始する場合にどのよ...
責任が大きく、リスクが高い社外取締役としてではなく、会社の経営に関与するためのエンゲージ方法としては、コンサルティングや商品企画等の委託契約を発注してもらい、助言等を行いその対価を得るという形が考えられます。 「社外役員」というポスト就任の誘いは魅力的ですが、うっかり乗ってしまうと、大きなリスクと責任が生じます。 社外...
起業する際、友人に出資してもらい、一緒に会社を立ち上げる方や、また、友人を取締役に迎えたり、果ては、共同代表体制を取られる方がいます。 しかし、想定外に儲かった場合でも、想定外に会社が潰れそうになった場合でも、儲けの分配を巡る紛争や、責任のなすりつけあいのトラブルなど、醜い紛争に発展することが結構な割合で発生します。 ...
会社法は、例えば取締役を選任する場合や新たに株式を発行する場合など、会社における基本的な事項を決めたり変更したりする場合には、一部の例外を除き、議決権の過半数をもって決することとしています(資本多数決の原則)。 もちろん、反対する株主であっても、一度、多数決が採られた以上、これに従わなければなりません。 しかしながら、...