00469_採用内定検討にあたっての調査の自由
企業には、採用する、採用しないの自由がありますが(採用の自由)、前提として、採用を判断するための情報を入手することも、原則として自由であると考えられております(調査の自由)。 例えば、三菱樹脂事件最高裁判例は、「採用にあたって、思想や信条といった、人の能力には関係がない、内心的なことを調査し、調査の結果を理由に採用を拒...
企業には、採用する、採用しないの自由がありますが(採用の自由)、前提として、採用を判断するための情報を入手することも、原則として自由であると考えられております(調査の自由)。 例えば、三菱樹脂事件最高裁判例は、「採用にあたって、思想や信条といった、人の能力には関係がない、内心的なことを調査し、調査の結果を理由に採用を拒...
多くの「就業規則」は、「昇給」に関する規定(昇給のための査定方法、昇給額の決定方法、時期など)についてはしっかりと定めているようですが、給料の額を減額する意味の「降給」については、あまり規定していない場合があるようです。 もし、「降給」の規定がないにも関わらず、雇用者が一方的に「降給」してしまった場合、「賃金を引き下げ...
「人を雇う」という契約は、いったん成立すると、解消は大変困難です。 雇用と婚姻とは取引としては酷似しており、「結婚は簡単だが、離婚は大変」なのと同様、「採用は安易にできるが、採用した人間を辞めさせるのは極めてハードルが高い」といえます。 すなわち、解雇は「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場...
従業員からすれば、契約の種類としては「期間の定めがある労働契約」であるとしても、これまでもずっと更新されてきた場合には、「いちいち更新という手続はあるもののこれからもずっとこの会社で働いていけるのだな」との期待を抱くことも当然ともいえます。 このようなときに、企業が、人手がいらなくなったとして一方的に有期労働契約の更新...
企業は、就業規則を改定することで、従業員に対して一挙に労働条件を変更してしまうことができます。 そして、変更後の労働条件が従前の労働条件よりも労働者にとって不利益なものとなることを、「不利益変更」といいますが、このような不利益変更を、就業規則の変更によって行うことも、一般的に可能とされています。 それでは、労働者にいか...
従業員にマイカー通勤をさせると、経費削減や時間短縮につながることがあり、特に自動車での移動頻度が高い地方の企業等においては、マイカー利用を前提とした通勤体制を構築する企業も多いようです。 しかしながら、マイカー通勤を採用することは、メリットばかりではありません。 マイカー通勤する従業員が事故を起こしたことによって従業員...
ABC株式会社御中 私は、「貴社が、機密情報の保護・雇用管理その他貴社の経営の都合上、私に断りなく、私の発信しあるいは受信する電子メールの内容や、『貴社の業務処理に用い、あるいは就業時間中用いている、私が保有しあるいは貴社から貸与を受けたパーソナルコンピュータその他の電子機器ないし端末』から社内外のサーバその他の設備に...
理論上の回避策としては、まず、インデペンデント・コントラクター(外部の独立事業者、「IC」)に法人を設立させ、法人間契約とすることが考えられます。 ただ、新会社法で設立が従来に比べ簡単になっているとはいえ、ICの数が相当数にわたる場合を考えると、設立手続き負担の重さはあまりに非現実的です。 あと、ICに「独立個人事業主...
労働法の世界では、解雇権濫用の法理といわれるルールがあるほか、解雇予告制度や即時解雇の際の事前認定制度等、労働者保護の建前の下、どんなに労働者に非違性があっても、解雇が容易に実施できないようなさまざまな仕組が存在します。 映画やドラマで町工場の経営者が、娘と交際した勤労青年に対して、「ウチの娘に手ぇ出しやがって。お前な...
相談者プロフィール: 株式会社楽大・システムズ 伊集院 輝(いじゅういん てる、45歳) 相談内容: 先生、ちょっと困ったことがありましてね。最近退職したウチのシステムエンジニア(SE)が、未払いの残業代1千万円を払えっていってきたんですよ。でも、ウチの会社では、そのSEが入社する前から、SEについては裁量労...