00742_モノのマネジメント(製造・調達・廃棄マネジメント)における企業法務の課題2: 製造拠点の海外移転にまつわる法務課題

1 海外進出ブーム 製造業の環境として、大量かつ安価な労働力を引っさげた新興国が強力な価格競争力で勝負を挑んできており、日本の各メーカーは非常に苦しい立場に置かれている、と述べました。 このような状況下で、国内のメーカーは、安価な労働力を求めて、海外、特に、中国をはじめとするアジア諸国へ製造拠点を移そうという動きがみら...

00741_モノのマネジメント(製造・調達・廃棄マネジメント)における企業法務の課題1: モノつくり環境の変化

1 かつて“世界の工場ニッポン”と呼ばれた時代 もうすでにはるか昔の“歴史の話”になってしまうのですが、日本が「世界の工場」と呼ばれた時代がありました。 すなわち、冷戦時代においては、日本は、「フツーのものをフツーの値段でフツーに作れる」という稀有な工業国家として、西側世界の生産機能の大半を引き受けていたのです。 経済...

00519_賃借人が破産に至った場合、賃貸人が破産を理由に解除することは可能か?

賃借人が破産に至った場合、賃貸人は、賃料の支払いが見込めないことから解約を申し込めるでしょうか。 この点、旧民法には、賃借人の破産に基づき解約申入れが可能と読める条文がありましたが、破産法の改正に伴い廃止され、現在では、賃貸借契約については、破産管財人のみしか解除できないといった立て付けとなっています(破産法53条1項...

00464_破綻状態や行方不明となった家主に代わって、借家人が地代を払えるか?

土地(敷地)の賃貸借は、「土地の所有者」と「土地を利用する者」との間で締結されるものであり、また、建物賃貸借は、「建物の所有者」と「建物を利用する者」との間で締結されるものです。 それゆえ、「土地を利用する者」が、「土地の所有者」から土地を借りて建物を建築し、今度は「建物の所有者」として「建物を利用する者」に建物を貸し...

00461_サブリースにおける賃料減額リスク

サブリースの一番の問題は、「一定額の賃料を長年にわたって確定的にもらい続ける保証がない」ということです。 不動産屋から、「定期的に賃料を自動で増額させていただきますから」などという甘言が用いられ、あたかも長期の賃料保証がなされているケースがあります。 しかし、たとえ、このような定めがあったとしても、一定期間後に賃料が減...

00460_サブリースのビジネスモデル

いわゆる「サブリース」方式と呼ばれるものについてですが、法的には要するに単なる「転貸」(日常用語にすれば「又貸し」)なのですが、「所有権者(オーナー)が業者に建物全体を賃貸し(賃貸1)、その業者が、建物の運営・管理を一気に引受けた上で、さらに、各区画を賃借人に又貸しする(賃貸2)」という2段階の賃貸借契約を想定して行わ...

00445_買おうとする土地が「農地」だった場合の対処法

私的自治の下では、私人同士、自らの所有する財産を自由に交換して、それぞれの経済的な合理性を追求することができるのが大原則です。 土地という財産についても、私人は自由に売買の対象とすることができるのが原則であり、当事者間で「売った」「買った」との意思が合致すれば、所有権が移転するはずです。 ところが、農地法は、この大原則...

00435_定期賃貸借制度が、不動産オーナーにとっての大きな意味と価値をもつ理由

借地借家法の規定だと、何だかいつまでも更新が繰り返されてしまいそうですし、実際に、裁判例も、借りる側に有利になるよう、「正当事由の存在」についてとても厳しく判断しており、これでは、逆に不動産オーナーにとってあまりに不当な結果となりますし、これでは、優良不動産の有効活用ができなくなってしまいます。 そこで、借地借家法にお...

00434_借地借家法における契約期間更新のルール

賃貸借契約とは、当事者の一方が他方に物の使用等をさせ、これに対し相手方は使用等の対価を支払うことを約束する内容の契約です。 民法は、賃貸借契約の「期間」について、「賃貸借の存続期間は、20年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、20年とする(604条)」と定めるのみで、あとは...

00426_食品PL訴訟事件:こんにゃくゼリー事件

2007年頃から、こんにゃくを材料としたやや弾力性の高いゼリーを噛まずに飲み込み窒息してしまう事件が相次ぎ、社会問題にもなっていました。 そして、2008年7月、「子供や高齢者は喉に詰まるおそれがあるため食べないように」と記載された警告文に気付かず、1歳9カ月の幼児に凍ったこんにゃくゼリーを食べさせてしまい、窒息死する...