00649_合弁事業(ジョイントベンチャー、あるいはジョイベン)を行う合弁会社において、マイノリティシェア(株式割合半数未満)しか掌握できない場合の自衛措置の必要性・重要性

一般論としては「合弁契約が曖昧なものではダメ」ということが言えますが、マジョリティーシェア(50%超の株式割合)を有するのであれば、当該合弁パートナーサイドは、合弁契約が雑な内容であることを気に病む必要はありません。 すなわち、合弁契約が粗雑、曖昧、無内容な場合であっても、それで合弁会社(株式会社)の運営が不可能になる...

00489_会社分割による事業承継後、「施設名称」を継続使用した場合のリスク

会社分割の場合について、クラブの名称を続用した預託金会員制ゴルフクラブの事業を承継した企業が、預託金を返還する義務を負うか否かが争われた最高裁判例(最二小判平成20年6月10日)があります。 最高裁判所は、預託金会員制のゴルフクラブにおいて、その名称は、ゴルフクラブ自体だけでなく、ゴルフ場の施設やこれを経営する会社をも...

00488_事業譲渡後も「商号」を使い続ける場合に行っておくべきリスク回避措置

ある会社の事業を譲渡するのに、事業とともに「商号」も譲渡する場合、「事業を譲り受ける側」には、原則として「事業を譲渡する側」の事業によって生じた債務を負担する義務が生じます(会社法22条)。 これは、会社の合併等の場合と異なり、事業譲渡においては元の債権者の債権を確保する手続がないため、「債務者側の一方的都合で、ある日...

00390_会社分割を行う際の障害:労働契約の移管

「会社の一方的都合だけで契約関係が電光石火の如く切り替えられる」というのは会社にとっては実に都合がいいようですが、見ず知らずの承継会社に突如転籍させられてしまった従業員にとっては大事です。 そこで、会社と従業員の利害調整のため「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」が定められております。 同法は、従業員を、1 承...

00372_M&Aや事業提携等において、「名板貸」責任が発生する具体的場合

名板貸人は、どのような場合に、名板貸人の責任を負わされることになるのでしょうか。 自らの意思に基づいて約束を交わしたわけではない名板貸人に、私的自治の大原則を修正してまで、本来他人であるはずの名板借人が勝手に背負った債務まで弁済させるという重い責任を発生させるわけですから、それなりの要件が要求されます。 すなわち、1 ...

00371_M&Aや事業提携の際に発生する名板貸リスクとは?

江戸時代においては「連座制」なんて制度があり、自分に責任がなくても他人のケツを拭かされるということが当たり前のようにありましたが、近代法制においては「人は自らの意思に基づいた約束にのみ拘束される」というのが基本的な考え方であり、「自らが合意したものでない限り、他人が勝手に締結した契約に拘束されることはない」というのが原...

00303_「ファンド協力・支援型MBO」の実体とリスク

MBOとは、マネジメント・バイアウト(Management Buyout)の略です。 英語で表現すると、何だか、物すごく斬新で高尚なことをやっているように思われがちですが、日本で昔からある「暖簾(のれん)分け」のようなもので、要するに雇われ社長がオーナーから株を譲ってもらって独立するという話です。 中小零細の非公開企業...

00254_チェンジ・オブ・コントロール条項とは

外資系企業と取引すると、チェンジ・オブ・コントロール条項(あるいはチェンジ・イン・コントロール条項)というものを目にすることがあります。 これは、「取引先企業の支配権が合併や買収で変動した場合、相手方企業が契約を破棄・変更できる」という仕組みです。 アメリカなどでは、ソフトウエア会社が顧客企業に特殊なソフトウエアを供給...

00211_企業法務ケーススタディ(No.0166):M&A後も事業名称を継続使用するリスク

相談者プロフィール: シティー・フィールド株式会社 代表取締役 市原 良純(いちはら よしずみ、51歳) 相談内容: 先生、僕、近々名門ゴルフクラブのオーナーになるんですよ。というのも、知り合いを通じて、昭島観光株式会社を紹介されましてね。昭島観光株式会社といえば、一時期は、世の経営者がこぞって入会していた、...

00207_企業法務ケーススタディ(No.0162):抜け殻方式の会社分割で借金をうまいこと踏み倒せ!?

相談者プロフィール:ミスタースポーツ株式会社 代表取締役 中嶋 一茂(なかじま かずしげ、47歳) 相談内容: 先生、僕、最近、いいアイデアを思いついちゃいましてね。今日は、僕のアイデアが問題ないかチェックしてもらおうと思って、相談に来ました。僕の会社は、父がスポーツ用品の製造販売を始めたことからスタートしま...