00391_賃料を払っていたが、敷金を差押さえられた。もはや、賃貸借の解除はやむを得ないか?

そもそも、わが国においては、私人間でどのような約束をしても、原則自由であり、法的効力が認められます。 これは、旧来の封建的な制約をなくして、自由な経済活動をできるだけ拡大することが、競争による経済の発展を目指すわが国の国是にかなうと判断されたことによります。 ところが、契約を全く当事者の自由に任せてしまうと、強者による...

00390_会社分割を行う際の障害:労働契約の移管

「会社の一方的都合だけで契約関係が電光石火の如く切り替えられる」というのは会社にとっては実に都合がいいようですが、見ず知らずの承継会社に突如転籍させられてしまった従業員にとっては大事です。 そこで、会社と従業員の利害調整のため「会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律」が定められております。 同法は、従業員を、1 承...

00389_事業譲渡の煩雑さを回避することのできる会社分割の妙味・効用

会社分割とは、大きく分けて、会社がその事業の一部を切り離し、新しく設立する会社に事業を承継させる「新設分割」と、既存の別会社に事業の一部を承継させる「吸収分割」があります。 この制度は、2001年の商法改正の際に導入されたものですが、その後、05年に成立した会社法によってより簡易な手続きで会社分割等ができるように制度整...

00388_金融リテラシーの欠如した企業が余剰資金運用に手を出す場合の重大なリスク

リーマンショックのちょっと前から、本件のように、大学が資産運用に色気を見せ始めるようになりました。 ただその結果といえばお粗末なもので、K澤大学は190億円の損失、K応大学は179億円の損失、I知大学、いえ、もとい、A知大学、N山大学、J智大学も軒並み100億円程度の損失を出していました。 他にも数十億円の単位で損失を...

00387_「ホワイトナイトを依頼した際に買ってもらった株が塩漬け状態となった場合」の買受・引取テクニック

敵対的 TOBで乗っ取られそうになっている企業を助太刀すべく、ホワイトナイトとして登場し、第三者割当増資等で株式を引き受けたりする会社がときどき脚光を浴びることがあります。 しかし、ホワイトナイトとして活躍して役目を終えた会社が、その後、「どのようにして舞台をハケていくのか」という点についてはあまり語られません。 ホワ...

00386_TOBに最後まで反対する株主が残存した場合の対処法

会社法は、例えば取締役を選任する場合や新たに株式を発行する場合など、会社における基本的な事項を決めたり変更したりする場合には、一部の例外を除き、議決権の過半数をもって決することとしています(資本多数決の原則)。 もちろん、反対する株主であっても、一度、多数決が採られた以上、これに従わなければなりません。 しかしながら、...

00385_譲受しようとした債権に譲渡禁止特約がついていた場合の取扱テクニック

債権譲渡禁止特約とは、通常、債権者と債務者との間の契約で、(債務者の承諾なしに)債権を譲渡してもその効力を認めないものとすることをいいます。 具体的には、「もとの債権者」と「債務者」との間で「売掛債権は譲渡できないものとする」と約束すると、「もとの債権者」は第三者に売掛債権を譲渡できなくなります。 その結果、「債務者」...

00384_手付倍返しをすれば、何時でも、契約をキャンセルできるか?

売買契約は、当事者の「売る」「買う」という意思の合致によって成立します(民法555条)。 そして、いったん契約が成立すると、当事者は、契約に拘束され、一方的に解約等をすることは原則としてできません。 もちろん、相手方に契約条項の違反等があり、それにより当事者が契約に拘束され続けることが不当だと思われるような場合には、解...

00383_取締役をクビにする場合の具体的手法

会社の従業員を会社の都合で一方的に解雇することは労働契約法をはじめとする法令等により禁じられており、解雇にはそれを正当化するような合理的な理由が必要です。 同様に、いくら「会社役員」といっても、取締役だって会社から報酬を支給されているわけですから、合理的な理由もなく一方的に辞めさせること(解任)はできないように思われま...

00382_「残業代を減らすための代替休暇」制度の効用

労働基準法の労働時間に関する規定として、1 1カ月の時間外労働の時間が60時間を超えた場合の割増賃金率を50%以上とすること(ややこしいのですが、「通常の割増賃金」と割増率と取り扱いが異なるので「上乗せ割増賃金」といいます)2 「上乗せ割増賃金」部分を休暇に振り替える代替休暇制度3 有給休暇を「時間」で取得する制度等が...