00696_文書管理の基本その4:文書の保存期間や保存方法

文書の保存期間は利用可能性を完全に喪失した時期を基準にすべきです。 一般に税務上の時効を基準として文書保存期間を定める企業が多いようですが、契約書や領収書等について、税務時効に基づき形式的に保存期間を定めるのではなく、後日の法的紛争も視野に入れて保存期間を定めるべきです。 商事時効を念頭にするなら5年ですが、民事時効や...

00695_文書管理の基本その3:処分証書(契約書)とともに、厳重な保管管理が必要な文書

処分証書(契約書)は、その強力な証拠としてのパワーから、厳重な保管が必要ですが、その他、法定文書や、有価証券(処分証書の一種ですが)や証書等で紛失すると権利行使が困難になるものは、現金と同等の保管管理が必要です。 具体的には、有価証券については、株券や手形や小切手など、証書については、会員権証書や保険証書や機器保証書な...

00694_文書管理の基本その2:処分証書と報告証書

訴訟においては、書証が決定的な重要性をもちます。 訴訟は、筆談戦、文書戦の様相を呈しているといえるほど、文書が偏重されます。 そして、書証(文書の証拠)においても、序列はあります。 それは、処分証書と報告証書という証拠価値における序列区分です。 処分証書とは、証明の対象である意思表示その他の法律行為(要するに契約の存在...

00693_文書管理の基本その1:原本(オリジナル)と写し(コピー)

裁判手続きにおける適式な証拠とは原則として原本を指します。 写し(コピー)は証拠として信用性がないものとして扱われるリスクがあります。 この取扱には、いろいろな背景や理由があります。 ハードコピーだろうが、PDF等のソフトコピーだろうが、別に証拠としても良さそうな気がしますが、裁判における事実認定に供する以上、偽造や改...

00692_法務担当者として体得すべき法務文書作成方法

法務文書とは、特定の具体的事実を立証する力を有することを根源的本質とします。 特定の「事実」であり、評価や解釈ではありません。 ですから、こいつはひどい、あいつは悪い、これは許せない、正義に反する、これは素晴らしい、といった修飾語は、基本的に不要であり、有害なノイズとなります。 もし、どうしても、そういう評価や解釈を叙...

00689_手続終盤に重要証拠を出して、逆転を狙えるか?

有事の状況において、企業の正当性を立証しうる証拠が発見できず、長時間のドキュメントマイニング(資料発掘)の結果、ようやく重要な証拠書類が見つかり、手続の終盤に突如提出すると、裁判官や審判官は不信感をもちます。 それ以前、心証をくるくる変える必要が生じ、訴訟経済や思考経済を壊滅的に狂わされ、大いな迷惑を感じ、この反感やこ...

00676_交渉において「条件を先に言い出す」ことの致命的有害性

カネや財産や権利や地位について、殺し合いをおっぱじめかねないくらい対立している状況で、交渉の担当者となって、いきなり、相手に対して具体的な和解条件を提示する方がいます。 さらには、当該和解条件提示に際して、・万が一、訴訟になれば無駄にカネや時間や労力を費消するから、などと妥協根拠までバカ正直というか馬鹿丁寧に示したりす...

00674_「ホニャララの訴訟に強い弁護士」「チョメチョメの分野で勝てる弁護士」という話の信頼性

「ITに強い弁護士を探している」「仮想通貨やブロックチェーンが関係するトラブルに強い弁護士を紹介してほしい」「先端医療分野で勝てる弁護士を教えてくれ」「遺伝子組み換えが問題になる事件で負けるわけにはいかないので、先端科学分野に詳しい弁護士はいないか」という話が舞い込むことがあります。 20年を超える程度の私の拙い実務経...

00649_合弁事業(ジョイントベンチャー、あるいはジョイベン)を行う合弁会社において、マイノリティシェア(株式割合半数未満)しか掌握できない場合の自衛措置の必要性・重要性

一般論としては「合弁契約が曖昧なものではダメ」ということが言えますが、マジョリティーシェア(50%超の株式割合)を有するのであれば、当該合弁パートナーサイドは、合弁契約が雑な内容であることを気に病む必要はありません。 すなわち、合弁契約が粗雑、曖昧、無内容な場合であっても、それで合弁会社(株式会社)の運営が不可能になる...

00632_企業の規模・法務体制に対応した、法務に関する全体テーマ(認知改善課題及び体制整備課題)

  企業の規模・法務体制(→)\企業としての法務課題の認知・対処レベル(↓) 法務無視・軽視・敵視: 年商3000万円未満の企業(実質個人事業) ゼロ法務(顧問弁護士なし): 年商1億円未満 の企業 ゼロ法務(顧問弁護士あり) :年商1億円以上5億円未満の企業 ソロ法務(1人) : 年商5億円以上年商30億円...