00557_訴訟を提起する目的その1:経済的動機(カネがほしいから訴える)

役員の善管注意義務違反で会社が倒産した場合に、役員個人を株主代表訴訟で訴えるケースを例にとって、訴えを起こす(といっても、監査役への提訴要求通知が無視されることが前提条件となりますが)原告株主について、訴訟の目的や動機を推察してみます。 前提として、株主がつぶれた会社の役員を訴えるという目的、動機は、「とりっぱぐれて困...

00556_訴訟を提起した場合に警戒し、ケアすべき「敵」を知る

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」とは孫子の兵法でも有名な一節ですが、これは訴訟対策にもあてはまります。 すなわち、訴訟対策を行うためには、敵を知る必要があります。 裁判沙汰となる紛争に発展した場合、敵は何を考え、どう行動しようとするのか、具体的考えていきましょう。 ここで、通常、「敵」というと訴訟の相手方、訴訟の...

00555_取締役が、「異議を留めるべき、冒険的で危険なプロジェクト」が取締役会に上程された場合に異議を留めなかった場合のリスク

会社法429条には「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う」とあります。 取締役 が重大な過失に基づき、「本来であれば反対すべきような経済的合理性を欠如した事業投資」に明示あるいは黙示により賛成したことにより、会社が倒産し、債権者...

00553_「トラブルなき成功」を掴む経営者になるための予防法務センスの磨き方

予防法務のセンスというものを身につけるのはなかなか難しいです。 そもそも、予防法務のセンスは、多くの法律や契約法理を実体と手続の両面についてくまなく理論的把握するとともに、また大小の法的トラブルを臨床経験し、さらに他人の失敗を自分に置き換える想像力を駆使するなどして、はじめて築けるものであり、極めて特異な「第二の天性」...

00550_取締役責任限定契約では填補されないリスク

取締役が迷惑をかけるのは会社だけではありません。 取締役が放漫経営したことにより、取引先や顧客や株主等の外部の第三者に損害を与えることだってあります。 そういう場合、取締役は当該外部の第三者からも損害賠償請求を受けることになります。  ちなみに、報酬一定年数分を上限として制限することができるということをご存じ...

00549_会社で一番エライのは、代表取締役社長か?

「会社で一番エライのは誰ですか?」というと、たいてい「社長」とか「会長」とかの答えが返ってきますが、会社で一番エライのは代表取締役や取締役ではありません。 会社で一番エライのは会社の株式を持つ所有者たる株主であり、株主の意思決定機関である株主総会です。 代表取締役とか取締役ってエラそうに見えますが、株主総会で選ばれなけ...

00548_「会長」「社長」「副社長」「専務」「常務」といった会社内での肩書と、法律上の代表権との違い

会社の代表取締役って独裁者のイメージがありますが、実は、取締役の選挙によって選ばれているに過ぎません。 ですから、大昔、某有名デパート会社であったように(最近では、某大手通信機器メーカーや、某超大手自動車会社でもあります)、ワンマン社長がある日突然解任されることだってあります。 なお、最近では、執行役制度や委員会制度と...

00547_会社の運営秩序と国家運営秩序との相似性

会社の運営機関は、よく国の政治機構にたとえられます。 日本の国の政治システムはなかなかわかりにくいですが、法律的にとらえると実に単純です。 すなわち、日本の政治は、 国民が自分の意志を代弁してくれる代表(国会議員)を選び その選んだ代表があつまる会議体(国会)が多数決で国の代表(内閣総理大臣)や国の運営の重要なルール(...

00546_会社の種別と、「有限責任」「無限責任」の意味・本質

会社の種類ですが、会社には4つの種類があります。 合名会社、合資会社、合同会社、そして株式会社です。 みなさん、これらの違いってわかります? これらの違いを説明するには「有限責任」「無限責任」というものを理解する必要があります。 会社が倒産した場合に、出資者が出資した金額を損してしまうのは当然として、それ以上に、債権者...

00545_「会社を法令に基づき取り締まるべき専門家」たる取締役のほとんどが、会社法を全く理解できていない実情と対処・克服方法

大抵のビジネスマンや経営者の方はおそろしく会社法に無知です。 弁護士になるには司法試験にパスする必要がありますし、公認会計士になるにも公認会計士試験にパスする必要があります。 ところが、会社の取締役や株主になるには、何の試験も必要ありません。 昔、「おばけにゃ、学校も、試験も、何にもない」という唄がありましたが、「取締...