00736_労務マネジメントにおける企業法務の課題5:労務トラブルが絶え間なく生じ得る紛争ホットスポット(紛争多発地帯)であること

「ヒトのマネジメント(労務マネジメント)」という業務の基本は、ヒトという経営資源の特性をきちんと把握して、良い物を安く買い、買ったものをうまく使い倒し、不要になったら、モメないように綺麗に処分する、ということに尽きます。 そして、「ヒトとモノの区別をきっちり付けないと、有益な資産を買ったつもりが、捨てるにあたってとんで...

00735_労務マネジメントにおける企業法務の課題4:解雇に関する規制とトラブル(ヒトという資源廃棄における企業と労働者との間のイメージ・ギャップ)

1 採用は自由だが、解雇は不自由 労働法の世界では、解雇権濫用の法理といわれるルールがあるほか、解雇予告制度や即時解雇の際の事前認定制度等、労働者保護の建前の下、どんなに労働者に非違性があっても、解雇が容易に実施できないようなさまざまな仕組が存在します。 映画やドラマで町工場の経営者が、娘と交際した勤労青年に対して「ウ...

00734_労務マネジメントにおける企業法務の課題3:採用した人間を如何にうまく使いこなすか(ヒトという資源活用における企業と労働者との間のイメージ・ギャップ)

当たり前の話ですが、ヒトという経営資源を運用するには、「どのようにして事業を展開すべきか」という課題を達成するための合理的手段を、科学的な方法で組み立て、これを現実的な行動計画に落とし込み、現場の人間が判別可能な戦術を与えていくことが必要です。 ここで、いきなり歴史のお話をさせていただきます。 第二次世界大戦末期、旧日...

00733_労務マネジメントにおける企業法務の課題2:どんな人間を選んで採用しようとするのか(採用する側と採用される側・学生側のイメージギャップ)

「従業員を採用するということは、約3億2000万円の買い物をするのと、同じである」ということがいえますが、買い物と同様、採用も、「安くていい買い物ができる」こともあれば、「使えない物を高値掴みさせられる」ということもあります。 では、「企業として、どんな人間を採用することが発展につながる」とえるのでしょうか? 成長を続...

00732_労務マネジメントにおける企業法務の課題1:採用を慎重に行うべき理由

職場で使用しているパソコンが壊れてしまい、起動すらできない状態となり、修理センターに持ち込んでも、「修理不可能」と言われた場合、皆さんはどうなさいますか?  壊れて使い物にならないパソコンを後生大事に保管しておくでしょうか? こういう場合、たいていの企業はパソコンをさっさと廃棄処分にするはずです。 では、次に、企業に勤...

00731_内部統制構築の実務8:タスク(5)再発防止策の策定・運用

法令や定款や規則が定められ、これらのルールが遵守されるようコンプライアンス教育や研修が実施され、ルールの意味と遵守の価値と意義、さらにはルール違反をした場合の制裁措置も含めて、役職員全員きっちり理解しました。 にもかかわらず、内部監査や内部通報を通じて、ルール違反が検知され、不祥事が発覚し、適切な調査の上、違反に対する...

00726_内部統制構築の実務3:内部統制やコンプライアンスを進める体制を効果的に構築するための具体的タスクデザイン

内部統制あるいはコンプライアンスを進めるために行うべき具体的タスクをみてみます。 内部統制あるいはコンプライアンスを進める上での具体的タスクとしては、1 教育・研修、2 違反の検知、3 違反の調査、4 違反者に対する制裁、5 再発防止策の策定・運用、という各タスクが想定されます。 そして、「5 再発防止策の策定・運用開...

00725_内部統制構築の実務2:内部統制とコンプライアンスの相違点

内部統制と似たもので、コンプライアンス(法令遵守)という経営課題もあります。 ざっくりいいますと、内部統制もコンプライアンスもほぼ同じ概念なり経営課題として考えていただいて差し支えありません。 内部統制が「企業の方針」と「企業の実際のオペレーション」の整合性を確保する活動とすると、コンプライアンスは「各種法令」と「企業...

00724_内部統制構築の実務1:内部統制システムを構築するにあたって、どのような哲学や基本理念基づき構築すべきか?

内部統制システムとは、「企業経営を行う上で、絶対根絶不能で、不可避的・恒常的に発生する法令違反リスク」に効果的に対処し、「大事を小事に、小事を無事に」するためのマネジメントプログラムと定義されます。 このシステムを構築・運用するプロジェクトについて、適切に前提環境認識や稼働上の相場観が形成され、リスクや課題も正しく抽出...

00723_コンプライアンス体制構築のゴール・デザイン

人は法を守れません。 組織も法を守れません。 そして、企業が普通に活動しているだけで、常に法を犯してしまう可能性があり、この可能性は絶対なくなりません。 他方で、法令に違反するための予防活動は必要です。 法令違反を予防するための活動としては、「絶無を目指す、根絶をゴールにする」などという幼稚で愚劣で非現実的な幻想を目指...