00332_日本企業法務史(6)かつての資本市場・「売り買いされることなく、永遠の生命をもつ存在としての企業」
前世紀末から今世紀初頭にかけて、日本の資本市場も驚くべき変化を遂げます。 高度経済成長を成し遂げた昭和時代からバブル経済崩壊以前までの経済は、インフレーション(膨張)基調にあり、日本企業の業績も概ね右肩上がりで推移し、新株や社債の発行による資金の調達もスムーズに行われていました。 「ゴーイングコンサーン(「企業が永遠に...
前世紀末から今世紀初頭にかけて、日本の資本市場も驚くべき変化を遂げます。 高度経済成長を成し遂げた昭和時代からバブル経済崩壊以前までの経済は、インフレーション(膨張)基調にあり、日本企業の業績も概ね右肩上がりで推移し、新株や社債の発行による資金の調達もスムーズに行われていました。 「ゴーイングコンサーン(「企業が永遠に...
2000年に入ると、雪印乳業の賞味期限切牛乳販売による集団食中毒事件、三菱自動車のリコール隠し事件、カネボウの粉飾決算、西武鉄道の株主名義偽装事件等、大型の企業不祥事が続発しました。 それまでの総会屋への利益供与といった不祥事は、いわば、シェアホールダーズ(株主、投資家)という、特定少数の属性の企業関係者を裏切るもので...
1998年に一時国有化された日本長期信用銀行(長銀、現:新生銀行)の売却交渉の際、外資系ファンドであるリップルウッドがウォールストリート流の交渉戦略を駆使し、8兆円超もの公的資金が投入された長銀をわずか10億円で買収しました。 その後、リップルウッドは「譲渡から3年以内に、当初の正常債権の判定に瑕疵が生じ、簿価より2割...
護送船団行政全盛時代は、バブル経済崩壊後の1990年代後半頃には終焉を迎え、状況が一変し始めます。 1998年に中央省庁等改革基本法が成立し、2001年をもって、それまでの1府22省庁は、1府12省庁に再編されることになりました。 加えて、このあたりから、規制緩和が推進され、「護送船団行政」やこれを支えてきた裁量行政は...
1980年から1990年代にかけて、企業がトラブルや問題が生じたときに駆け込むのは法務部や顧問弁護士のところではなく、まずは、監督行政機関や業界団体でした。 監督行政機関からの指導に対しては、阿咋の呼吸で伝えられるものも含め、徹底して従うことが企業のリスク管理行動として最も推奨されるものでした。 監督行政機関の見解を糺...
日本では、1980年代終わりから90年代なかばころまで、官庁の主導により産業界の育成が図られていた時代が存在しました。 この時代、各業界において競争力が最も欠落した企業であっても維持・存続できるような業界育成が行政の最大のミッションと考えられ、行政機関は、許認可権限やこれに基づく行政指導等の権限(行政裁量権)を駆使して...
当たり前のことですが、企業法務は、企業のことを知らないとできません。 そして、法学部でも、司法試験予備試験でも、ロースクールでも、司法試験でも、司法研修所でも、企業の実体については、ほとんど試験で聞かれませんし、教えられません。 というより、上記の試験を作成したり採点したりしている人も、上記の教育機関で教えている人も、...
企業法務に要求されるミッションをオペレーション(具体的活動)面から考察しますと、企業法務活動が、単に契約書のチェック、顧問弁護士(契約法律事務所)へ委任した訴訟案件の管理(争訟法務)だけにとどまらないことが理解認識されます。 次に、企業法務活動として行うべき多種多様の活動を、一定の合理的基準で、分析・整理していきます。...
現代のビジネス活動を支援するにふさわしい企業法務活動は、具体的にどのような活動を含むのでしょうか。 その射程範囲について述べていきます。 企業法務とは、企業経営に関わる法律業務全般を指しますが、活動理念や具体的活動内容、社外専門家との協働の要否等は扱う分野によって、大きく異なります。 例えば、他企業との取引や提携等を法...
広汎で複雑多岐にわたる活動を含む企業法務ですが、これを混乱したまま取り扱うと、企業として適切な法務安全保障体制が構築できず、大きな法務トラブルが発生しかねません。 その意味では、企業法務に携わる社内外の担当者の頭の整理にとっても、合理的で洗練された企業法務組織によって、企業にとって必要な法務活動を疎漏なく展開するために...