01493_「裁判所の『威』を借りる狐作戦」で債務問題解決を志向する「特定調停」とは

任意整理は法律には載っていないので、場所はホテルのロビーでも銀行でも弁護士会の会議室でも構いません。 話の折り合いがつけば、電話でも大丈夫です。 ただ、やはり交渉ごとなので、お互い立場を譲らず、話をぶつけうだけでうまくまとまらない場合もありえます。 そんなときは、仲介役がいたり、それなりの舞台装置があったりしたほうがう...

01492_「ちょいマケてよ」と値切って債務問題の解決を志向する任意整理とは

任意整理は「債務の減免」を狙う場合や担保不動産処理を行う際に取られる手段です。 任意整理には、元本が減る、利息が減るなどさまざまなメニューがあります。 リスケとの違いは、時間をいじる(返済額は変わらないが、返済期間だけ先延ばしする)だけでなく、額や担保等をいじらないとどうしょうもない場合、任意整理が検討されます。 平た...

01491_「ちょいタンマ(Time out=待って)」と時間猶予を求めて債務問題を志向する「債務のリスケジュール(リスケ)」とは

リスケジュール(リスケ)は、「借金の返済のタイミングや返済計画そのものを見直す」という方法です。 リスケとは、いわば、 「ちょいタンマ(Time out=待って)」といった趣きで時間猶予を求めるリクエストです。 なぜこんなことができるのかというと、銀行は破産されるくらいだったら無理のない計画に引き直して返済してもらった...

01387_M&A法務>M&A法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>課題と対応の基本>メリットとデメリット

M&Aの主なメリットは、企業同士が結合することによる「シナジー効果」です。 例えば、企業規模が拡大することにより、資材等を購入する場合にバイイングパワーを行使することでコストを削減することや、マーケテイングや流通や会社の管理業務を統合することによるコスト削減も可能となります。 このほか、事業拡大や新規事業を開始するにあ...

01376_倒産・再生法務>特殊な課題・新たな課題>新設分割制度の濫用事例

1 新設分割による事業再生手法 会社法施行後、債務超過会社であっても会社分割が可能であるとされたために、事業再生の一手法として、会社の健全部門を取り出して、新設分割の手法を用いて新たな会社を設立する方法が見られるようになりました。 この方法によれば、債務超過である会社Aは、優良部門だけを分割して新会社Bとし、負債につい...

01375_倒産・再生法務>特殊な課題・新たな課題>会社更生法の新たな運用その2

3 商取引債権の保護 更生手続開始後に事業の経営のために必要となった費用については、共益債権として優先的な弁済を受けることができます(会社更生法127条2号)。 例えば、更生手続開始後に航空会社が購入した燃料代金については、優先的に支払われるため、燃料会社は比較的安心して燃料を販売することができます。 ところが、更生手...

01374_倒産・再生法務>特殊な課題・新たな課題>会社更生法の新たな運用その1

1 会社更生の選択をためらう理由 抵当権や租税債権などについてすらその行使を制限する強力な再建方法であるにもかかわらず、会社更生は利用されることが少ないばかりか、利用されるとしても、再建が困難な状態に陥ってから申立てが実施されるというケースが多く見られます。 この原因の1つとして、自らの経営権を手放したくないのが通常の...

01371_倒産・再生法務>倒産・再生法務(フェーズ3)>予防対策フェーズ>法的整理における刑事罰

破産法、民事再生法、会社更生法においては罰則が定められています。 実際、2010年6月、民事再生を申立てた(後に職権で破産手続に移行)ノンバンク(消費者金融業も行う)の代表取締役が、民事再生手続申立直前に、債権者を害する目的で財産を隠匿していたとして、詐欺再生罪(民事再生法255条)違反の疑いで逮捕され、その後起訴され...

01370_倒産・再生法務>倒産・再生法務(フェーズ3)>予防対策フェーズ>否認権

債務者(会社の経営者を含みます)は、法的整理に入る前の段階で、将来の再起のため、ないしは代表者個人のため、往々にして、資産を隠匿したり、特定の債権者(親族や暴力的な債権者、あるいは再起に協力してくれるような債権者)に対してだけ優先的に弁済を行ったりしがちです。 このような事態を放置すると、「(企業再建のために)利害関係...

01369_倒産・再生法務>倒産・再生法務(フェーズ2)>経営政策・法務戦略構築フェーズ>手続きの選択など

イグジットの決定及び利害関係者の動向が確認できた次の段階では、具体的にいかなる手続を選択するかについての検討を行います。 一般的に、抵当権等の担保権が事業継続に不可欠な資産に設定されている場合や、公租公課の滞納状況が多額の場合には、私的整理や民事再生の選択は困難となりますが、専門家と具体的客観的データをもとに検討を実施...