01611_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(2)_M&Aとは「買い物」に過ぎない(「企業」を対象とする「特殊な買い物」)

M&Aとは、企業そのものを取引対象とする売買、すなわち「買い物」の一種ということです。 普通の取引対象といえば、ヒト、モノ、カネ、ノウハウといった形で、個別経営資源毎にバラバラで調達します。 他方で、「これをいちいちやっていると面倒くさくてしょうがない。ヒト・モノ・カネ・ノウハウが統合的にシステマチックに合体して動いて...

01610_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(1)_言葉こそよく聞くものの、誰もよくわかっておらず、知ったかぶりのまま迂闊に手を出すと大やけどを負う、「難易度の高いビジネスプロジェクト」としてのM&A

最近、大企業のみならず中小企業等においてさえよく耳にするようになったM&Aですが、 「意識高い系」の知ったかぶりのビジネスマンは、「エムアンドエー」といわず、「エムエー」というようです。 まあ、たしかに、英語風に発音すると、「エム、ンエー」みたいに聞こえますので、間違いはないのですが。 このM&Aですが...

01597_「中小企業リスクあるある」としての「営業不振企業が無謀な『一発逆転』を狙って大失敗して倒産に至るケース」

2015年現在、「デフレ脱却のため、異次元ともいえるレベルで金融の量的緩和(通貨供給量の増加)で、経済が再び成長する」という社会実験(アベノミクス)が行われています。 しかしながら、この政策によって「高度経済成長時代のような継続する右肩上がりが再来する」という事態に至ることは、およそ想定困難です。 確かに、アベノミクス...

01534_企業において「妙な外来語」が飛び交うとき、その企業は危険な兆候に陥っている_2_M&A話

まず、パターンとしてあるのが、M&A話です。 やぼったいマルドメ(まるでドメスティック)企業の社長が、突如、「デューディリ(デューディリジェンス)」「DIPファイナンス」「プレゼントバリュー」「DCF」「EBITDA」「EBITDAマルチプル」「シナジー」「PMI(ポストマージャーインテグレーション)」なんて言葉を使い...

01388_M&A法務>M&A法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>課題と対応の基本>友好的M&Aと敵対的M&A

敵対的M&Aとは、相手方経営陣の同意を得ないまま株式等の購入を進めることにより経営権を奪取することをいいます。 このような手法が採れるのは、対象企業が公開会社であり当該企業の株式を容易に入手できる環境が必須の前提となります。 すなわち、敵対的M&Aは、株式を公開している企業に対して、TOB(株式公開買付け)を行うことで...

01386_M&A法務>M&A法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>概説>M&Aの分類>株式移転

株式移転とは、既存の会社が、完全親会社となる持株会社を新たに設立し、自らがその完全子会社となる組織再編行為をいいます。 株式移転によるM&Aは、上場企業や大企業等がグループ戦略を進める上で、しばしば活用される手法です。 持株会社(ホールディングス会社)が設立され、株式移転という会社法上の手続により、子会社の株主であった...

01385_M&A法務>M&A法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>概説>M&Aの分類>株式交換

株式交換は、既存の会社を完全親会社として、完全親子会社関係を構築するために通常用いられます。 親会社が、自らの株式を組織再編の対価とすることで、完全子会社を作り上げるための制度であるともいえ、実務上は、重複上場の解消等に用いられることがあります。 具体的には、完全子会社となろうとする会社の株式を、親会社が全部取得し、代...

01384_M&A法務>M&A法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>概説>M&Aの分類>新設分割

新設分割は、吸収分割とは異なり、ある部門を切り出して新会社を設立する手法です。 社内発のベンチャー企業を作るとか、経営資源を集中させるためにある部門を切り出すといった活用場面が想定されます。 しかしながら、近年では、不採算部門を切り捨てるために用いられるケースがあり、法的トラブルになっています。 不採算部門を切り捨てる...

01383_M&A法務>M&A法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>概説>M&Aの分類>吸収分割

吸収分割の構造は、基本的には事業譲渡と同じです。 事業譲渡ではなく、会社分割という手法を採用するメリットは、会社の経営に関わる各契約関係を、事業を承継する新しい会社に一挙に付け替えることができるという点です。 事業譲渡の場合、取引先との契約や従業員との間の労働契約を逐一締結し直したり、事業用設備・商品在庫・預金等をはじ...

01382_M&A法務>M&A法務(フェーズ0)>課題概要と全体構造>概説>M&Aの分類>合併

合併とは、法人格を1つにするという会社法上の特別の定めに基づいて行われるもので、買収される側の企業の法人格は消滅することになります。 株式譲渡による買収と異なり、買手企業は、買収対象企業の負債等も含め全て承継しますので、対象企業の資産等の査定(デューデイリジェンス)には慎重さが要求されます。 実務において合併手続がM&...