01612_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(3)_単なる「買い物」に過ぎないM&Aが、何故それほどまでに難しいのか
この「M&A」のどこがどう問題か、といいますと、「企業の価値がはっきりわからない」ということにつきます。 普通の取引をする際は、土地であれ、車であれ、機械であれ、だいたい相場というか時価というか、値段というものは「世田谷のこの駅の近くにあるこの住宅地のこの土地であれば、だいたい坪これくらい」「レクサスのこの型式...
この「M&A」のどこがどう問題か、といいますと、「企業の価値がはっきりわからない」ということにつきます。 普通の取引をする際は、土地であれ、車であれ、機械であれ、だいたい相場というか時価というか、値段というものは「世田谷のこの駅の近くにあるこの住宅地のこの土地であれば、だいたい坪これくらい」「レクサスのこの型式...
M&Aとは、企業そのものを取引対象とする売買、すなわち「買い物」の一種ということです。 普通の取引対象といえば、ヒト、モノ、カネ、ノウハウといった形で、個別経営資源毎にバラバラで調達します。 他方で、「これをいちいちやっていると面倒くさくてしょうがない。ヒト・モノ・カネ・ノウハウが統合的にシステマチックに合体して動いて...
最近、大企業のみならず中小企業等においてさえよく耳にするようになったM&Aですが、 「意識高い系」の知ったかぶりのビジネスマンは、「エムアンドエー」といわず、「エムエー」というようです。 まあ、たしかに、英語風に発音すると、「エム、ンエー」みたいに聞こえますので、間違いはないのですが。 このM&Aですが...
2015年現在、「デフレ脱却のため、異次元ともいえるレベルで金融の量的緩和(通貨供給量の増加)で、経済が再び成長する」という社会実験(アベノミクス)が行われています。 しかしながら、この政策によって「高度経済成長時代のような継続する右肩上がりが再来する」という事態に至ることは、およそ想定困難です。 確かに、アベノミクス...
======================================== 本ケーススタディ、治療院経営者のためのケーススタディでは、企業法務というにはやや趣がことなりますが、治療院向けの雑誌(「ひーりんぐマガジン」、特定非営利活動法人日本手技療法協会刊)の依頼で執筆しました、法務啓発記事である、「“池井毛(いけ...
まず、パターンとしてあるのが、M&A話です。 やぼったいマルドメ(まるでドメスティック)企業の社長が、突如、「デューディリ(デューディリジェンス)」「DIPファイナンス」「プレゼントバリュー」「DCF」「EBITDA」「EBITDAマルチプル」「シナジー」「PMI(ポストマージャーインテグレーション)」なんて言葉を使い...
マネジメント・バイアウト(MBO:Management Buyout)とは、経営陣による自社株式の買い取りによるM&Aを指します。 このようなM&A手法が最近増えてきた背景には、株式公開に様々なコストや負担を忌避して、創業者社長が上場廃止策の一環として実施するといったことが挙げられます。 「多大な時間とエネルギーを費や...
買収者が全議決権を確保するために、少数派株主を追い出す手法を「スクイーズアウト」といいます。 スクイーズアウト実現のための手法がいくつか考えられますが、実務上最も多く使われている手法が「全部取得条項付株式」という種類株式を利用した手法です。 「全部取得条項付株式」という種類株式制度についてですが、法案作成段階においては...
レバレッジド・バイアウト(LBО:Leveraged Buyout)とは、買収対象企業の資産を担保として(あるいは買収完了後担保として提供する前提において)、多額の借入を行い、これをM&Aの原資とする手法です。 レバレッジ(梃子の原理)という名称が表すように、買い受ける企業の価値ではなく、M&Aが実現した後の買収企業の...
敵対的買収者として、TOBを仕掛けた側からすると、TOBの成否がM&Aの成否を決するといえるでしょう。 そのような有事において買収対象者が頼るのがホワイトナイトの出現です。 ホワイトナイトとは、敵対的TOB等がなされた場合に、友好的な立場の企業に対し第二者割当増資等を行うことで、敵対的TOBの不成立を目指すものです。 ...