00474_就業中に従業員が死傷した場合の企業としてのリスク:安全配慮義務違反

雇用契約というものは、労働力の提供とこれに対する賃金を支払うことを内容とする契約ですが、労働者と使用者の関係は、売買の場合の売り主と買い主のように、ある程度、継続するものなので、単純に「労働力を提供する」「賃金を支払う」というだけの関係で終わるものではありません。 例えば、使用者は、従業員が安全に労働できるような諸条件...

00473_パクリ商品を製造販売した場合の法的リスク

不正競争防止法2条1項3号は、「他人の商品の形態を模倣した商品を譲渡(中略)する行為」を不正競争と定義し、模倣された者に対し、損害賠償請求や信用回復のための措置(販売差止など)を求める権利を付与しています。 なぜ、このような形態模倣行為を規制するかといいますと、要するに、商品を開発するには一定の資金や労力が必要となるわ...

00472_著作権を手にするために必要な要件と手続き

そもそも、著作権とは、文章、音楽、美術、映画、写真、プログラム等の表現形式によって自らの思想・感情を創作的に表現した者に認められる、それらの創作物の利用を支配することを目的とする権利をいいます。 そして、このような保護を受けることができる「著作物」として認められるためには、法律上、「思想または感情を創作的に表現したもの...

00471_商標権取引の具体的方法

「商標」とは、商品を購入しようとする人やサービスを受けようとする人に対し、その商品・サービスを「誰」が提供しているのかをはっきりさせるために、業として当該商品やサービスなどに付けるマーク(文字、図形、記号、形状など)をいいます。 このような商標について第三者が勝手に利用すると、商標権者の信用を害するばかりか、その商標を...

00470_民事訴訟弁護活動の実際:訴訟弁護士の戦略思考や活動戦術の具体的内容

弁護士は、「明らかに事実に反するウソはつく」ような品のない真似はしません。 しかし、・クライアントにとって有利なことは大きな声で述べ、・クライアントにとって不利な事柄は黙っている(あるいは、言い換えや抽象度の高い表現を使って、目立たなくする)ということはします。 何か、姑息で卑怯でインチキなことをしているように聞こえる...

00469_採用内定検討にあたっての調査の自由

企業には、採用する、採用しないの自由がありますが(採用の自由)、前提として、採用を判断するための情報を入手することも、原則として自由であると考えられております(調査の自由)。 例えば、三菱樹脂事件最高裁判例は、「採用にあたって、思想や信条といった、人の能力には関係がない、内心的なことを調査し、調査の結果を理由に採用を拒...

00468_採用の自由:誰を、どの条件で、採用し、あるいは採用を拒否するのも、すべて企業の自由と考えていいのか?

企業にとってみれば、採用する人間の能力や考え方、健康状態などは、今後の人事などを考える上で最重要課題となるはずですが、“採用時”に得られる情報には限界がありますので、企業にとっての「採用」は、一種の“カケ”の様相があります。 それゆえ、どのような人間を雇うかは、基本的には、経営責任を負う経営者の自由な判断に委ねられるべ...

00467_就業規則に降給規定がない場合、降給は可能か?

多くの「就業規則」は、「昇給」に関する規定(昇給のための査定方法、昇給額の決定方法、時期など)についてはしっかりと定めているようですが、給料の額を減額する意味の「降給」については、あまり規定していない場合があるようです。 もし、「降給」の規定がないにも関わらず、雇用者が一方的に「降給」してしまった場合、「賃金を引き下げ...

00466_就業規則の機能と役割

民法623条以下に規定される雇用契約は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって成立しますので、給料の額は、原則として、雇用者と従業員の合意によって決まることになります。 そうすると、従業員の給料を変更する場合、いちいち、雇用契約の当事者である雇...

00465_エコ表示と優良誤認

企業のコンシューマーセールス(消費者向営業活動)を規制するものとして、消費者を誤認させるような不当な商品表示や射幸心を煽るような過大な景品類の提供に対しては、これらを禁止する目的で定められた不当景品類及び不当表示防止法(景表法)の規制が及びます。 顧客誘引に力を入れなくても十分なブランド力がある企業等は、これまで景表法...