01617_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(8)_M&Aプロジェクトを成功させるためのポイントその4_(B)PMI(ポストマージャーインテグレーション。M&A後の統合実務)による円滑な経営統合作業(ⅱ)

引き続き、「(B)PMI(ポストマージャーインテグレーション。M&A後の統合実務)による円滑な経営統合作業」に関する日本企業の失敗やしくじりのメカニズムを解説させていただきます。 よく、芸能人が、出会ってまもなく結婚に至る、という例をみかけることがあります。 いわゆるスピード婚といわれるものです。 中には、すでに妊娠し...

01616_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(7)_M&Aプロジェクトを成功させるためのポイントその3_(B)PMI(ポストマージャーインテグレーション。M&A後の統合実務)による円滑な経営統合作業(ⅰ)

まず、「(B)PMI(ポストマージャーインテグレーション。M&A後の統合実務)による円滑な経営統合作業」の失敗事例やしくじり話といった、残念な状況をお話したいと思います。 M&Aは突き詰めれば単なる「買い物」であるということができますが、本稿においては、「人生におけるそこそこ重要な決断で、かつ決断し、セレモニー自体も大...

01615_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(6)_M&Aプロジェクトを成功させるためのポイントその2_(A)現実的な投資回収シナリオが機能する適正な買収価格あるいはこれを達成するためのハードな交渉

まず、「(A)現実的な投資回収シナリオが機能する適正な買収価格あるいはこれを達成するためのハードな交渉」です。 M&Aは、いってみれば、買い物と同じです。 専業主婦が、大根や肉や魚を買うのと大差ありません。 とにかく、「良い物を安く」というのが買い物における賢い戦略です。 ところがM&Aを行うほとんどの...

01614_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(5)_M&Aプロジェクトを成功させるためのポイントその1_概説

1989年に行われたソニーのコロンビア・ピクチャーズ・エンターテイメントをターゲットとするM&A(約5000億円で買収するも業績は振るわず) 2002年5月ころから開始されたウォルマートの西友をターゲットとするM&A(買収価額は非公表ながら、業績低迷) 2003年10月17日に完了したテスコのシートゥー...

01613_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(4)_単なる「買い物」に過ぎないM&Aがモメる状況・経緯

1 「究極の一品モノ」でオーナーの「愛着」が半端ない「売買対象物としての『企業』」 企業は、そこらへんの市場に「日用品」として転がっているわけではなく、経営者が丹精込めて作り上げ、育て上げた、「究極の一品モノ」です。 当然ながら、手放す方は、愛着がありますし、ちょっとやそっとでは手放してくれません。 絵画や彫刻などの美...

01612_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(3)_単なる「買い物」に過ぎないM&Aが、何故それほどまでに難しいのか

この「M&A」のどこがどう問題か、といいますと、「企業の価値がはっきりわからない」ということにつきます。 普通の取引をする際は、土地であれ、車であれ、機械であれ、だいたい相場というか時価というか、値段というものは「世田谷のこの駅の近くにあるこの住宅地のこの土地であれば、だいたい坪これくらい」「レクサスのこの型式...

01611_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(2)_M&Aとは「買い物」に過ぎない(「企業」を対象とする「特殊な買い物」)

M&Aとは、企業そのものを取引対象とする売買、すなわち「買い物」の一種ということです。 普通の取引対象といえば、ヒト、モノ、カネ、ノウハウといった形で、個別経営資源毎にバラバラで調達します。 他方で、「これをいちいちやっていると面倒くさくてしょうがない。ヒト・モノ・カネ・ノウハウが統合的にシステマチックに合体して動いて...

01610_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(1)_言葉こそよく聞くものの、誰もよくわかっておらず、知ったかぶりのまま迂闊に手を出すと大やけどを負う、「難易度の高いビジネスプロジェクト」としてのM&A

最近、大企業のみならず中小企業等においてさえよく耳にするようになったM&Aですが、 「意識高い系」の知ったかぶりのビジネスマンは、「エムアンドエー」といわず、「エムエー」というようです。 まあ、たしかに、英語風に発音すると、「エム、ンエー」みたいに聞こえますので、間違いはないのですが。 このM&Aですが...

01597_「中小企業リスクあるある」としての「営業不振企業が無謀な『一発逆転』を狙って大失敗して倒産に至るケース」

2015年現在、「デフレ脱却のため、異次元ともいえるレベルで金融の量的緩和(通貨供給量の増加)で、経済が再び成長する」という社会実験(アベノミクス)が行われています。 しかしながら、この政策によって「高度経済成長時代のような継続する右肩上がりが再来する」という事態に至ることは、およそ想定困難です。 確かに、アベノミクス...

01534_企業において「妙な外来語」が飛び交うとき、その企業は危険な兆候に陥っている_2_M&A話

まず、パターンとしてあるのが、M&A話です。 やぼったいマルドメ(まるでドメスティック)企業の社長が、突如、「デューディリ(デューディリジェンス)」「DIPファイナンス」「プレゼントバリュー」「DCF」「EBITDA」「EBITDAマルチプル」「シナジー」「PMI(ポストマージャーインテグレーション)」なんて言葉を使い...