00048_「たかが買い物(会社を買うだけ)」に過ぎないM&Aが、なぜ、そんなに難しい課題とされるのか?

M&Aといっても、その本質は売買取引で、売買の対象が、車や不動産ではなく、事業や会社に変化しただけです。 さらにいえば、売買形態の圧倒的多数を占めるのは株式譲渡であり、いってみれば、会社の株全部を売買する、という株の売買取引、というのがM&Aのほとんどの取引の実体です 。 では、M&Aがなぜ小難しいかといいますと、1 ...

00047_M&A取引で必ず出てくる、デューディリジェンスとは?

M&A取引で、よく「デューデリ」「DD」などという言葉が出てきますが、これはどういう内容なのでしょうか? 「デューデリ」「DD」とは、正式名称デュー・ディリジェンス(Due diligence)と呼ばれるもので、私なりにざっくり訳すと、「(ボーっとしてたら、騙されるさかい)騙されんように、よう、注意しとかんと、あきまへ...

00046_企業法務ケーススタディ(No.0012):はじめてのM&A、どうやって進めるべきか?

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール: 株式会社京葉土建 会長 浜田 幸二(はまだ こうじ、78歳) 相談内容:ウチの会社は千葉ではまだいい客先つかんで、いまだに売上は伸びている。いい土地も相当押さえているんで、含み資産も山ほどある。でもよ...

00045_企業法務ケーススタディ(No.0011):知財トラブル、恐るるに足りず

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール: 株式会社ニシナ製薬 副社長 仁科 弘樹(にしな ひろき、64歳) 相談内容:先生、先生、先生、先生、どうもですぅ。今日はですね、特許の話でお邪魔させていただきました。弊社が最近発売しました「ルイコちゃ...

00044_法的責任は回避しつつも、マスコミのバッシングやネットでの炎上を回避するため、世間体を考え、道義的責任に配慮した示談を申し出る際の通知書(応答書)サンプル

本件につきまして、まずは、当社としても想定せざる経緯による望まない結果であり、現状については極めて遺憾であると考えております。 他方で、当社としても、慎重に社内の担当者及び関係者に対する聴取を含めた調査を実施し、また、中立な第三者である外部専門家にも意見を頂戴しました。 その結果でございますが、誠に申し上げにくいもので...

00043_債権管理の際に必須の法律知識としての時効制度

時効というのは、ある事実状態が一定の期間(時効期間)継続したことに基づき、法律関係より事実状態を優先してしまう制度です。 よく刑事事件なんかで話題になったりしますが、民事・商事の取引関係においても時効制度は存在します。 一定期間不動産等を占有していると本来権利がないにもかかわらず権利を取得するタイプの時効(取得時効)と...

00042_企業法務ケーススタディ(No.0010):消滅時効で売掛金が消失するリスクに注意を

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール: 株式会社イダテン急便 会長 佐山 信(さやま しん、67歳) 相談内容:先生、どうもお世話になっております。ようやく景気が戻ってまいりまして弊社取扱高もうなぎ登りです。ネット企業っていうんですか、最近...

00041_創業社長引退後の内紛防止をするための、会社法活用術

会社法は、旧商法時代と比べ、会社運営設計に格段の柔軟性をもたらしました。 旧商法時代から機関設計(マネジメント・ストラクチャー)については相当程度柔軟な方向で法改正(法発展)がなされてきましたが、会社法時代になって、この柔軟性の指向が、所有設計(オーナーシップ・ストラクチャー)にまで及び、ついに、一定数以上の株主の賛与...

00040_企業法務ケーススタディ(No.0009):会社法を活用したファミリー企業の内紛防止法

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール: タカダ帆布鞄 社長 高田 信一郎(たかだ しんいちろう、65歳) 相談内容:先生、いつもお世話になっております。今日は当社の新製品をお持ちしました。ウチの次男坊のヤツのアイデアなんですが、カバンよりア...

00039_事件や事故を起こしても、そう簡単に“法的”責任を負担させられることはない

企業が大きな事件や事故を起こしてしまえば、マスコミやネットでは、理由や背景を問わず、すぐさま、バッシングをはじめ、その結果、当事者企業は、大きな社会的非難や道義的非難が加えられます。 ところで、道義的責任や、社会的責任はさておき、“法的”責任というレベルでは、どうなるのでしょう? 企業が何らかの事件や事故を引き起こした...