00743_モノのマネジメント(製造・調達・廃棄マネジメント)における企業法務の課題3: 製造現場管理や製造委託先管理にまつわる法務課題

1 モノ作りに関するトラブルの増加傾向 自動車や温風機の欠陥隠蔽問題、食品に関わる原産地表示や賞味期限偽装の問題や廃棄物処理や環境汚染問題等、近時、製造現場でのトラブルが頻出しています。 「モノ」の中でも、消費者の口に届き、人の健康や生命を奪う結果を招来しかねない食品製造に関しては、表示偽装事件が相次いでいます。 農林...

00742_モノのマネジメント(製造・調達・廃棄マネジメント)における企業法務の課題2: 製造拠点の海外移転にまつわる法務課題

1 海外進出ブーム 製造業の環境として、大量かつ安価な労働力を引っさげた新興国が強力な価格競争力で勝負を挑んできており、日本の各メーカーは非常に苦しい立場に置かれている、と述べました。 このような状況下で、国内のメーカーは、安価な労働力を求めて、海外、特に、中国をはじめとするアジア諸国へ製造拠点を移そうという動きがみら...

00741_モノのマネジメント(製造・調達・廃棄マネジメント)における企業法務の課題1: モノつくり環境の変化

1 かつて“世界の工場ニッポン”と呼ばれた時代 もうすでにはるか昔の“歴史の話”になってしまうのですが、日本が「世界の工場」と呼ばれた時代がありました。 すなわち、冷戦時代においては、日本は、「フツーのものをフツーの値段でフツーに作れる」という稀有な工業国家として、西側世界の生産機能の大半を引き受けていたのです。 経済...

00740_企業の統治秩序構築・組織運営の法務3:企業の内部統制に関する法務課題

内部統制、すなわち「3 従業員に企業が決定した方針に従わせる」ことに関連する法務課題についてです。 内部統制と似たもので、最近よく耳にする経営課題としてコンプライアンス(法令遵守)というものがあります。 内部統制もコンプライアンスもほぼ同じ概念なり経営課題として考えていただいて差し支えありません。 内部統制が「企業の方...

00739_企業の統治秩序構築・組織運営の法務2:企業の統治秩序構築・運営上の法務課題

企業統治のお仕事の実際は、「会社法に基づき、株主総会や取締役会を“仕切る”」ということに尽きるのですが、「“仕切り”が甘かったりすると、ボスが決まらなかったり、会社運営の基本方針が混乱し、会社を揺るがす大きなトラブルに発展する」という意味で、非常に重大な任務であり、担当者は大きなストレスを抱えるようです。 ところで、株...

00738_企業の統治秩序構築・組織運営の法務1:企業の統治秩序構築・組織運営上の法務課題の概要

組織体である企業には、様々な思惑を持った利害関係者が集まります。 株主は株主としての思惑を以て企業に参加しますし、経営者は経営者なりの考えがあります。 一括りに「株主」といっても色々な種類の株主がいます。 株を長期間保有する株主もいれば、「午前中に株式を購入したら午後3時までにはすべて売っ払って株主でなくなる」というト...

00737_企業実体論:法的三段論法の小前提たる企業実体

法務の仕事であれ他部署の仕事であれ、仕事とは、頭脳や体を使って「対象」に働きかけ、「対象」にとって有用なものを創りだして提供し、それによって「対象」から賃金を得る活動をいいます。 そして、法務担当者も含め企業人については、「奉仕対象」となっているのが、企業ということになります。 仕事を通じて奉仕する対象である「企業」で...

00736_労務マネジメントにおける企業法務の課題5:労務トラブルが絶え間なく生じ得る紛争ホットスポット(紛争多発地帯)であること

「ヒトのマネジメント(労務マネジメント)」という業務の基本は、ヒトという経営資源の特性をきちんと把握して、良い物を安く買い、買ったものをうまく使い倒し、不要になったら、モメないように綺麗に処分する、ということに尽きます。 そして、「ヒトとモノの区別をきっちり付けないと、有益な資産を買ったつもりが、捨てるにあたってとんで...

00735_労務マネジメントにおける企業法務の課題4:解雇に関する規制とトラブル(ヒトという資源廃棄における企業と労働者との間のイメージ・ギャップ)

1 採用は自由だが、解雇は不自由 労働法の世界では、解雇権濫用の法理といわれるルールがあるほか、解雇予告制度や即時解雇の際の事前認定制度等、労働者保護の建前の下、どんなに労働者に非違性があっても、解雇が容易に実施できないようなさまざまな仕組が存在します。 映画やドラマで町工場の経営者が、娘と交際した勤労青年に対して「ウ...

00734_労務マネジメントにおける企業法務の課題3:採用した人間を如何にうまく使いこなすか(ヒトという資源活用における企業と労働者との間のイメージ・ギャップ)

当たり前の話ですが、ヒトという経営資源を運用するには、「どのようにして事業を展開すべきか」という課題を達成するための合理的手段を、科学的な方法で組み立て、これを現実的な行動計画に落とし込み、現場の人間が判別可能な戦術を与えていくことが必要です。 ここで、いきなり歴史のお話をさせていただきます。 第二次世界大戦末期、旧日...