00028_紛争プライバシーを守る方法(揉め事を公にしない方法)としての、不起訴の合意と仲裁契約

訴訟沙汰なんてあまり聞こえがいいものではありませんし、ましてや衆人監視の下で法的トラブルをあれやこれや議論するなんて事態は誰しも避けたいと思われます。 しかし、憲法では国民に裁判を受ける権利を保障しており、かつ、裁判は原則として公開で行なわれることになっています。 従って、紛争の相手方に「こちらのプライバシーも考えて、...

00027_企業法務ケーススタディ(No.0004):揉め事を公にすることなく、こっそり、スピーディーに解決するための紛争解決手法としての仲裁

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール: 医療法人社団大藪会 理事長 大藪 毒太(おおやぶ どくた、40歳) 相談内容:先生、どうもどうも。この間の理事会ではオブザーバ参加いただき、いろいろご指導賜り、ありがとうございました。どうもウチの理事...

00026_国際契約交渉における「契約自由の原則」の派生原理:準拠法選択の自由、裁判管轄選択の自由及び契約言語選択の自由

取引や契約を規律する私法の根本原理である「契約自由の原則」は、欧米の私法原理としても採用されており、宗教的あるいは国家の特殊な政策が濃厚な非欧米国の企業等との交渉でない限り、万国共通のものと考えて差し支えありません。 そして、「契約自由の原則」というルールは、「契約条件のありとあらゆる内容を、当事者間が合意する限り自由...

00025_日本語を正文と、英語を訳文(参考訳文)とする場合の契約条項モデル

本契約は、日本語を正文とする。本契約につき、参考のために英語による翻訳文が作成された場合でも、日本語の正文のみが契約としての効力を有するものとし、英語訳文にはいかなる効力も有しないものとする。 The solo and only governing language of this Agreement shall be...

00024_ライセンサー(技術ないし権利保有者)として、強気に契約交渉を展開するためのリテラシーと手法

ライセンス契約を行う上では、契約内容として、独占/非独占の別・ロイヤリティ算定方法・ミニマムギャランティ・契約期間・機密保持・テリトリー・源泉徴収税額の取扱・為替・解除条項・準拠法・仲裁条項等々、詳細な取引内容を取決める必要があります。 これらの取引の条件、内容ともにすべて交渉の際の綱引きで決まりますし、何も定めなかっ...

00023_「破談したら相手は困るが、こちらは困らない」という強い立場を有する場合の契約交渉戦術

まず、国内契約であれ、国際契約であれ、契約交渉においては、契約締結までは、お互い自己の主張を何の制限もなく自由にぶつけ合うことができます。 したがって、相手が誰であろうが、不本意な内容であれば、誰に遠慮することもなく、交渉を打ち切ってもペナルティーはありません。 例えば、交渉において、こちらが相手の欲するものを独占して...

00022_企業法務ケーススタディ(No.0003):きちんと本質を理解して臨めば、国際取引交渉で不利で弱い立場に追い込まれることはない

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール:目蒲技研 会長 下丸子 カマ太(しもまるこ かまた、70歳) 相談内容:いやー、先生、いつもお世話になっています。で、今日の相談なんですが、実は、ご存じのとおり、当社は、いわゆるニッチ産業つうんですか、...

00021_手形を独り歩きさせた場合に生じる重大なリスク

裏書きした手形を、見ず知らずの人間に漫然と手渡した場合、ほぼ確実に大きなトラブルに巻き込まれます。 そもそも手形は色々な人の手に渡ることが前提となっているため、手形法上、手形譲渡にまつわる支払いトラブルについては、すべて譲渡した側に責任を負わせる仕組になっています。 手形をよく知らずに入手した素人の経営者の方で、見ず知...

00020_「手形の裏書」を安易にすべきではない

手形法上、裏書をした瞬間、裏書人は振出人の保証人とみなされます。 裏書という形で保証をした者は、法律上破綻した振出人(及び自分より前に裏書きした裏書人)に代わって手形金を全額支払う法的義務を負います。 このような保証をしたくなければ、無担保(ノンリコース)文言を付した裏書をするか、裏書をせずに交付のみで譲渡してしまえば...

00019_手形の取扱には相当な知識が必要

手形法は、理論、体系ともに精緻かつ難解であり、手形の取り扱いには、本来、高度な知識が必要です。 従って、まず、手形について知識がない方は、取り扱いには十分注意してください。 10年、20年と商売をやっていた方でも、油断は禁物です。 定型的な取引決済のため、上場企業から比較的短期の手形を振出してもらい、銀行で割り引くだけ...