00066_意外と知られていない私製手形の活用法

一般的に手形というと、銀行に当座預金口座を作って、統一手形用紙が綴られた手形帳もらわないと発行できないと思われてる方も多いと思います。 しかし、手形法上「手形は、金融機関の作った統一手形用紙を使って作成すべき」などと書いてあるわけではなく、藁半紙に書こうが、紙ナプキンに書こうが、手形法に定める要件が記載している限り、手...

00065_企業法務ケーススタディ(No.0022):公正証書作成が困難な場合に、確実な債務負担をさせるための手法

企業から、顧問弁護士に対して、以下のような法律相談が持ち込まれた場合の助言方針を検討してみます。 相談者プロフィール:株式会社岡村書店 店長 岡村 孝(おかむら たかし、38歳) 相談内容:ご無沙汰しております。岡村書店、岡村孝です。いやー、また谷部にやられました。当社が展開するグラビアアイドル写真集専門店「めちゃめち...

00061_借りた店舗に抵当権が付いているケースで、オーナーが返済事故を起こした場合のリスク

物件を賃貸するときに当該物件の登記簿謄本ってチェックされる方は少ないと思います。 しかし、賃貸物件に多額の設備投資をするのであれば、必ずチェックしておくべきです。 もちろん、宅建業免許を有する仲介業者が仲介する場合は、重要事項として賃貸物件の権利内容等を説明してくれることになっています。 とはいえ、彼らは「賃貸物件が担...

00059_ブラックジャーナリストの特性と撃退法

ブラックジャーナリストという言葉を聞かれたことがあるかもしれませんが、これは「本や記事を書いたことはおろか、マスコミに勤めたこともないが、取材活動と称し、相手方に対して、金銭を要求することを生業とする方々」のことを指します。 たまに、「公表されるといろいろ都合の悪いことを嗅ぎ回っている」という理由で、通常の取材活動をし...

00057_債権譲渡を実施する上で踏むべき手続き

債売買や譲渡というと、土地・建物(不動産)や車・船・設備(動産)など「物に対する所有権」のやり取りが定番ですが、法律上、売り買いできるものには制限がなく、金銭債権も譲渡が可能です。 しかし、弁護士や事件屋やプロの金貸しの方は別として、債権譲渡に複雑な作法があることは意外と知られていません。 事例の長谷川さんのように「金...

00041_創業社長引退後の内紛防止をするための、会社法活用術

会社法は、旧商法時代と比べ、会社運営設計に格段の柔軟性をもたらしました。 旧商法時代から機関設計(マネジメント・ストラクチャー)については相当程度柔軟な方向で法改正(法発展)がなされてきましたが、会社法時代になって、この柔軟性の指向が、所有設計(オーナーシップ・ストラクチャー)にまで及び、ついに、一定数以上の株主の賛与...

00038_危機対応においては、道義的責任と法的責任を峻別し、冷静に臨むべき

ある事件や事故がおこり、これに対して何らかの責任がある企業に対しては、事故当初、世間やマスコミから大きな非難が寄せられます。 ですが、社会的・道義的非難が大きいからといって、当該企業が負担する法的責任が当然のように発生し企業が崩壊するか、というと、そうはなりません。 日本を含む資本主義・自由主義体制の国家においては、企...

00036_未払残業代の請求については、短期の時効を援用して請求を一部でも拒否すべき

労働債権は比較的短期の時効に服します。 すなわち、労働基準法115条で、賃金債権(残業代請求権を含む)は2年で時効になりますので、2年(*)より前の債権の請求をされたら、すかさず時効を主張(時効を主張することを、法律用語で「援用」といいます)すべきです。 (*法改正により、2020年4月1日以降に支払日が到来した賃金請...

00031_「危なくなった取引先からの債権回収法」としての相殺活用テクニック

よく債権回収事故を減らすための知恵として「あぶない取引先とは付き合うな」といいますが、この言葉は、半分正しく、半分間違いです。 もちろん、あぶなくなった取引先が再建することを期待して、お金を貸したり、商品を掛けで売ったりするようなことは、回収できなくなる債権額を増やすだけであり、絶対禁物です。 他方、あぶなくなった取引...

00028_紛争プライバシーを守る方法(揉め事を公にしない方法)としての、不起訴の合意と仲裁契約

訴訟沙汰なんてあまり聞こえがいいものではありませんし、ましてや衆人監視の下で法的トラブルをあれやこれや議論するなんて事態は誰しも避けたいと思われます。 しかし、憲法では国民に裁判を受ける権利を保障しており、かつ、裁判は原則として公開で行なわれることになっています。 従って、紛争の相手方に「こちらのプライバシーも考えて、...