01638_法律相談の技法4_初回法律相談実施までの具体的手順(2)_相談実施前に相談者に“宿題”を与える

法律相談を受付、アポイントメントを調整して来所の運びになった場合、効率的に相談を実施するために、相談者には「宿題」を与える、すなわち、1 法的リテラシーを改善し、正しい法的相場観の醸成してもらうために、関連資料を閲読させる2 事前問診票を作成させる3 関係資料を収集し、整理し、事前にメールで送付させ、あるいは当日持参さ...

01637_法律相談の技法3_初回法律相談実施までの具体的手順(1)_法律相談申込の受付(あるいは拒否)

法律相談の申込を受けた場合、この申込を受付けるか、拒否する(門前払いする)か、という課題が生じます。 医師の場合、応召義務(あるいは応招義務)、すなわち、「医師・歯科医師の職にある者が診療行為を求められたときに、正当な理由が無い限りこれを拒んではならない」とする医師法及び歯科医師法で定められた義務がありますが、弁護士に...

01636_法律相談の技法2_初回法律相談のゴール

初回法律相談を行うに際して、ゴールをきちんと把握しておく必要があります。 何事も、ゴールが明確かつ具体的に設定され、そこから逆算して業務を設計し運営しないと、時間と労力と費用の無駄が生じるからです。 初回法律相談のゴールは、(相談対応をする弁護士の啓蒙・教化・誘導によって) 1 相談者が、 「状況の俯瞰・客観視もできず...

01635_法律相談の技法1_相談者からサポート要求メッセージを受けた際の初動(相談実施前に行っておくべき、事前の「前提状況確認」)

1 前提 まず、相談者が何やらサポートメッセージを言語として発していてもこれを素直に受け付けるべきではありません。法律や事件対処の素人である顧客・相談者が、正しい理解と認識の下、正しいことを要求しているとは限りません。相談者(素人)が言語として発しているメッセージが、正しいものなのか、それとも正しくないもの(間違ったも...

01628_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(19・終)_M&Aプロジェクトを成功させるためのポイントその12_(C)M&Aプロジェクトの全体的な戦略の合理性(ⅹ)_(i)正しくプロジェクトの結末を総括する

皆さん、お手洗いに行ったら、必ず、拭くべきところを拭き、流すべきものを流し、手を洗い、身だしなみを整えてからお手洗いから出てこられると思います。 たとえ、用足しの途中に、重要な電話がスマホにかかってきて、一時中断となったとしても、この手続を省略して、何も体裁をほどこさずに、電話をしながらお手洗いを出て、歩きながら電話を...

01627_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(18)_M&Aプロジェクトを成功させるためのポイントその11_(C)M&Aプロジェクトの全体的な戦略の合理性(ⅸ)_(h)正しく試行錯誤する

01626において、「(g)命令の達成状況を確認する」というビジネス上のタスク・アイテムについて、「正しい命令が、正しく、予定どおり実行され、成果が想定どおり達成される」ということ事態が稀有である、という保守的な想定のもと、慎重に、臆病に、命令達成状況を細かく把握し、確認することが、プロジェクト・マネジメントにおいて必...

01626_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(17)_M&Aプロジェクトを成功させるためのポイントその10_(C)M&Aプロジェクトの全体的な戦略の合理性(ⅷ)_(g)命令の達成状況を確認する

01625では、 「正しくデザインされ、策定され、発令した命令」が、「漫然と成果を待っていただけでは、永遠に正しく実行されないまま放置されるか、あるいは、本来の方向とは違った方向に進みだして、有害な結果をもたらすリスクが増殖する」ということを指摘し、「正しい命令が、正しく実行されるためのスキル」をご紹介しました 。 そ...

01625_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(16)_M&Aプロジェクトを成功させるためのポイントその10_(C)M&Aプロジェクトの全体的な戦略の合理性(ⅶ)_(f)命令を正しく実行させる

「SMART」基準を充足する適切なコミュニケーションメッセージとしての「正しい命令」が発令されたとしましょう。 「正しい命令」すなわち、「デタラメで適当で、具体的かつ現実的な観点で何を達成したいのか理解不能な命令」ではありません。 また、「たとえ、美辞麗句がまばゆいくらいに散りばめられた格調高い文章で表現されていたとし...

01624_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(15)_M&Aプロジェクトを成功させるためのポイントその9_(C)M&Aプロジェクトの全体的な戦略の合理性(ⅵ)_(e)正しい命令を企画・制作し、正しくデリバリ(発令)する

物事を正しく進め、成果を出すためには、さらにいえば、M&Aのように「常識が通用しない、イレギュラーでアブノーマルなプロジェクト」を成功させるためには、正しい状況認識ができ、正しく目的が定められ、正しく課題がみつけられただけでは、まだ不十分です。 大きなプロジェクトを進めて成果を出すためには、ほぼ例外なく、ヒエラルキー(...

01623_企業法務部員として知っておくべきM&Aプロジェクト(14)_M&Aプロジェクトを成功させるためのポイントその8_(C)M&Aプロジェクトの全体的な戦略の合理性(ⅴ)_(d)正しく課題をみつける

M&Aは、「結果とそこに至る経過が明確で一定の資源(時間と費用と労力)をかければ属人的な能力差にかかわらず予定調和的に成功ないし成果がイメージできるルーティン」とは違い、「正解も定石もなく、結果がどこまでいっても蓋然性にとどまるゲーム」としての性格を有します。 このM&Aのような「常識が通用しない、イレ...